恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

読み切り短編

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読み切り短編集 INDEX


↑OLD ↓NEW

■いつか王子様が (1) (2) (3) (4) (5)

■甘い運命 (1) (2) (3) (4) 番外編 夕暮れラブソング

■彼の胸に顔を寄せると、上品な煙草の匂いがしたのです (tittle:lisさま)
 (1) (2) (3) (4) (5)

■愛の惑星#1210 (tittle:ロレンシーさま) (前編) (中編) (後編)

■屋上の寂しい人 (tittle:lisさま) (1) (2) (3) (4) (5)

■rain in my heart (1) (2) (3)

■ヨッシー先輩と宇佐美くん (1) (2) (3) (4)

カテゴリー:読み切り短編

いつか王子様が (1)


「ターツーミー」


 いつものように、祐人が、やって来る。




い つ か 王 子 様 が




「めっちゃかっこいい人、見つけた!」

 と、祐人が満面の笑みで駆け寄ってきて。
 勢いよく飛び付いてくる祐人を受け止めた俺は、興奮気味の祐人を落ち着かせるため、よしよしと頭を撫でてやった。

「今度はどこで会った?」

 聞き返せば、抱き止められた祐人は、グリグリと額を胸に擦り付けてくる。

 別にいいんだけど、ここは大学の学食で、俺らの周りにもいっぱい人がいるんですけどね(しかも、祐人は声を潜めてるつもりかもしれないけど、しっかり聞こえてるはず)。

 まぁ、祐人がゲイだってのは学内でも有名な話だから、周りも、祐人がまた新しい男を見付けたのか、ていう程度にしか見てないだろうけど。
 でも、何かにつけて祐人が俺んとこに来るから、一部では俺と祐人がデキてる、みたいになってて、厄介な話だ。

「あのね、あのね、聞きたい?」
「いや、別にそんなに聞きたくは…」
「もう! 何で!? 聞いて?」

 てか、最初っから話したかったんだろ?
 それより早く席に着いてくれ、目立つから。

「昨日帰るときにね、コンビニ寄ったんだけどね。で、そこでお茶買ってね、それから店出て」
「ちょちょちょちょっと待て! どっから話す気だ!?」

 どうせそのコンビニは、帰る途中にある、いつも立ち寄ってるコンビニのはず。
 そんなしょっちゅう寄って帰るコンビニの辺りから話を始められたら、終わるのいつになるんだ、て話だ。

「だーかーらー、昨日ね、帰るときに会ったの」
「…………あ、そう……」

 掻い摘んで話せば、たったそれだけのこと、らしい。

「何だよ、その返事!」

 そう言われましても。
 別に俺、ホモじゃないし。
 そんなに嬉しそうに男の話されたって、返事のしてみようがない。

「じゃ、行こ、タツミ」
「は?」
「早く! 今帰れば、今日も会えるかもしれないし! ホラ、早く食器片付けて!」
「え? え?」

 こんな時間にメシ食ってたら太るよ? とか、余計なお世話なことを言われつつ、俺は祐人に腕を引かれるままに学食を後にした。

カテゴリー:読み切り短編
テーマ:自作BL小説  ジャンル:小説・文学

いつか王子様が (2)


「昨日ね、ここで見掛けたの」

 祐人が立ち止まったのは、立ち寄ったというコンビニから100mほど行ったところ。
 どうやら帰り道に偶然見掛けたらしい…………けど。

「そんなん今日も会えるとは限らねぇじゃん。昨日だって偶然会ったんだろ?」

 この道、1日に何百人の人間が通る思ってんだ。
 昨日この時間に通り掛かった人間が、翌日も同じ時間に来るとは限らねぇじゃん、バカ。

「でも……何か学生さんっぽかったし。駅のほうに向かって歩いてたし」

 ここ通って駅のほうに帰るとしたら、大学は俺らの通ってるヤツの他にもう1つ。後は専門学校が2つくらいと、高校、中学……は制服着てるか。

 にしたって、余程の偶然がなきゃ、再会は難しいんじゃないか?
 だって、大学生とか専門学校生だったら、帰る時間なんて毎日同じじゃないだろうし、昨日はたまたま用事があってここ通ったけど、普段は全然違うとこ行ってるんかもしれないし。

「あぁ~~~また会いたい!! もっかい会いたい!」
「会ってどうすんの?」
「へ?」

 1人で騒いでる祐人に、とりあえず聞いてみる。
 もしまた会えたとして、どうする気だ? お友だちになってください、て言うのか?

「うーうー……とりあえずは、後を付けて…」
「ストーカーか」

 というか、こんなとこで待ち伏せしてる時点で、ちょっとストーカーっぽいよな。

「あー、でもまた会えたら、ホントどうしよ! 声、声掛けようかな、どうしよ、タツミ」

 ……まだ会えるって決まったわけじゃないのに(どっちかって言ったら、会えない確率のほうが高いのに)、祐人は1人で慌てて、1人で騒いでる。
 幸せなヤツだ。

「なぁー祐人ー」
「んー?」
「ちょっとコンビニ行って来ていい? のど渇いた」
「えぇー? 一緒にいてよー」

 何でだ。
 その"めっちゃかっこいい"って彼を見たいのは、お前だけだろ。俺、関係ないじゃん。

「いいじゃんかぁ、後で何か買ってやるから」

 そう言って祐人は、逃がすまいと俺のシャツを掴む。

「ちょっ伸びる」
「綿のシャツが伸びるか!」
「祐人、離して、逃げないから!」
「あー、やっぱ逃げる気だったんだな! 人でなし」
「おい!」

 わざわざこんなとこまで付き合って無駄な時間一緒に過ごしてやってる友人捉まえて、"人でなし"はないだろ!

「いい加減にしないと、ホントに帰るぞ!」
「嫌だ、タツミ、お願い」
「だから、シャツから手を…」
「ちょっ待っ……来たっ!」
「イダッ」

 シャツからやっと手を離してくれたと思ったら、祐人が両手で俺の頭を掴んで、無理やり反対方向を向けようとするから、首がグキッてなった。
 ホント、何してくれんだ、このボケ!

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いつか王子様が (3)


「あの人!」

 祐人が声を顰める。
 無理やり向けられた方向には、祐人が昨日見掛けた、めっちゃかっこいいって彼。

 うん。
 確かにかっこいい。
 そこは素直に認める。
 めっちゃイケメン。

 …………でも。

「女連れじゃん」

 そのイケメンくんの横には、彼に負けず劣らずの、きっれーな彼女が隣を歩いてる。

「…………やっぱ、彼女かな?」
「いい歳した男が、妹と腕組んでは歩かねぇだろ」
「うぅ…」

 祐人は恨めしげに、通り過ぎていく美男美女カップルを見つめてる。
 あぁいうのをを"お似合い"て言うんだろうな。外野が口出す術ないもん。

「祐人、どうする? コンビニ寄って帰る?」

 あ、何か奢ってもらえるんだった。ラッキー。

「……お友だちでいいから、なってくれないかな?」
「はぁ?」

 女連れで歩いてるの見て、諦めたんじゃなかったんかい!
 でも祐人は、だいぶちっちゃくなったイケメンくんの背中を、ずっと見てる。

「お友だちでいいから、なりたい!」
「なりたいって……何て声掛けんだよ」
「『一目惚れしたんで、友だちになってください』」
「…………」
「ダメかな?」
「ドン引きじゃね?」
「……うぅ…」

 わずか24時間で砕け散った恋に、祐人は、まさに"しょぼーん"て感じで項垂れた。でもまぁ、そうは言っても祐人は惚れっぽいから、こんな光景よく見るんだけど。

「帰るぞ、祐人」
「…ん」

 しょんぼりしたまま、祐人は俺の後をついてくる。
 行き先は駅とは逆方向。
 だってコンビニ寄るし。

「はぁ~……いつになったら実るんだろ、俺の恋は…」
「しょうがねぇじゃん、ホモはマイノリティだし」

 だいたい、もし祐人が女の子だったとしても、すでに彼女のいる男だったら、どっちみち実らない恋だ。

「うっさい! いつかなぁ、めっちゃかっこいい彼氏作って、タツミのこと見返してやるんだから!」
「あーはいはい、そうしてください」

 投げやりに返せば、足元を蹴っ飛ばされる。
 ホントに、気が短いんだから!

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いつか王子様が (4)


「それにしても、祐人もホントめげないよなぁ」
「何が?」
「惚れた先から玉砕してんのに、」
「玉砕って言うな!」
「よくもまぁ、次から次に新しい男、見つけてきて。失恋したら、もっと落ち込めよ」
「落ち込んでるよ! 今、めっちゃ落ち込んだもん!」

 それが落ち込んでるヤツの態度か。
 すげぇ元気じゃん。

「で、祐人、何奢ってくれんの?」
「ふぇ?」

 コンビニに入る手前でそう尋ねたら、祐人はものすごい不思議そうな顔をして、間抜けな声を出した。

「何で??」
「何でって、さっき何か奢ってくれる言ったじゃん、祐人」

 だから俺、あのイケメンくん見るのに付き合ったんだぞ?

「えぇー、俺、今失恋したばっかりだよ? 普通そういうときは、傷付いてる友だちの心を癒すためにも、タツミが俺に何か奢ってくれるべきじゃない?」
「待て待て待って。何でそうなんの? そんなんだったら、俺破産する」
「何で!」

 祐人が何かギャーギャー言ってるけど、無視。

「祐人、俺このお茶」
「……俺、このおしるこ」
「は?」

 祐人は、レジのそばのホットコーナーに置いてある、売れてるんだか売れてないんだか、いまいち微妙な缶しるこを手に取る。
 そんなん飲むのか。
 でも祐人は、むぅーっと口を歪めたまま、俺のお茶を奪い取ると、缶のおしること一緒にレジカウンターに置いた。どうやらホントに俺の分も買ってくれるみたい。
 会計を済ませた祐人は、袋とかみんな断って、缶にシールを貼っ付けてもらって、店を出る。

「なぁ祐人、…………ホントにそんなん飲むの?」
「飲むよ」

 コンビニ出たところで尋ねてみれば、祐人はしるこの缶をガシガシ振ってる。
 何か…無表情で、めちゃ怖いんですが。

「なぁ……うまい?」

 俺は買ってもらったお茶を開けるのも忘れて、そんなことを聞いてる。

「…甘い」

 至極当然なことを応える祐人は、しるこを一気に全部飲み干して、ギュッと眉を寄せた。

「ゆ…祐人?」
「はあぁ~~~あまっ、何これ!」
「え? いや、」

 アンタ、自分で選んで買ったんでしょ?

「めっちゃ甘い! 誰がこんなん飲むんだよ! しかも小豆がすっげぇ残ったし!」
「え? え? ちょっ…」

 …………ブラック祐人だ……。

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