恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

2008年04月

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愛のドーパミン漬け (8) R18


*R18です。18歳未満のかた、苦手なかたはご遠慮ください。

「ん…、ふ…ぁ…」

 3本まで指を増やし、グチュグチュと抜き差しする真琴は、快感に酔い痴れた顔で遥斗を見つめる。
 けれどもう指だけでは物足りなくて、ねだるように遥斗にキスをした。

「マコ…」

 遥斗はキスに応えながら、しっとりと汗ばんだ柔らかな肌に指を滑らせる。指の腹で乳首を押し潰すと、真琴は「…クッ…」と小さく鳴いて、身を強張らせた。

「ゃ…ダメ…――――ッ…」

 真琴は声を上げないように口元を押さえるけれど、遥斗がもう片方の乳首を吸い上げたり、軽く歯を立てたりするから、堪え切れずにビクビクと体を震わせた後、互いの腹の間に精液を飛ばした。

「……ん…、はぁ…」

 クタリと体を弛緩させた真琴は、呼吸を整えながら、中から指を引き抜く。
 遥斗の前で、1人で達してしまったことが恥ずかしくて、グズグズ鼻を啜りながら身を捩って、体を丸めた。

「マコ…」
「やぁん…も…」

 それでも、組み敷こうとする遥斗の手には素直に従って、そして抱き付こうとして、ふと気が付いた。

「あ…」

 遥斗が着ているブルーのシャツの腹部に飛び散る白い液体。
 それは紛れもなく自分の精液で。

「ゴ、ゴメン!! ゴメンなさい…!」

 慌てて起き上がって、引き抜いたティシューでシャツを拭うけれど、完全にキレイになんか出来るはずもなくて。

「はーちゃん、ゴメン…」
「いいよ、気にしないで…」

 遥斗は、ベッドにぺたりと座ったままの真琴の唇にキスを落とすと、汚れたシャツを脱ぎ捨てた。キレイに筋肉の付いた腹筋が露になって、真琴の喉が鳴る。
 導かれるように、真琴は遥斗のベルトのバックルに手を掛け、不器用な手付きでそれを外していく。

「はーちゃん…」

 ジーンズの前を寛げて、ボクサーパンツの上から、遥斗の昂りへキスをする。

「も…欲しい…」
「…、」

 何度か真琴の髪を梳くと、遥斗はその体を再びベッドに押し倒した。真琴の細い足を抱えて、あてがった自身をゆっくりと進める。

「――――ァ…、ッ…」

 身を硬くする真琴に、遥斗は奥まで入れたところでいったん真琴の足を下ろした。
 苦痛と快感のない交ぜになった、真琴の表情。

「キツイ…?」

 少し長くなった前髪を掻き上げて、額にキスをする。
 久しぶりだし、真琴が自分でしたくらいでは、きっと十分にはほぐれていない。けれど真琴は首を横に振って、遥斗の耳元で「平気…」と呟いた。
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カテゴリー:遥斗×真琴
テーマ:自作BL小説  ジャンル:小説・文学

愛のドーパミン漬け (9) R18


*R18です。18歳未満のかた、苦手なかたはご遠慮ください。

「動くよ…?」

 キスをして真琴の足を抱え直すと、遥斗は腰を動かし始めた。

「んん…、ん…」

 声を漏らさないようにと、片手で口元を押さえる。
 遥斗は涙が滲んだ真琴のまなじりにキスをして、それから耳たぶを食み、首筋に唇を滑らせる。
 声を出せないことと、家族にバレるかもしれないというこの状況が、いつもより真琴を昂らせるのか、苦しそうにしながらも、普段よりも感じている。

「…ぅ、ッ……ん…」

 けれど真琴がこんなに声を堪えているのに、遥斗はグッと最奥まで挿入して、真琴の一番感じる部分を突き上げながら、鎖骨を甘く噛んだり、ツンと立ち上がった乳首を弄ったりするから。

「ん…ッ…、やぁ…」

 もう無理だと言うように真琴は身を捩るけれど、遥斗はそれを許さずさらに攻め立てる。
 嫌だという言葉とは裏腹に、真琴の中は貪欲に遥斗を包み込んで、逃がすまいとしていて。

「……は…ッ…」

 髪がクシャクシャになるほど後頭部を枕に擦り付けて、真琴は限界を訴える。
 全身、どこもかしこも敏感になっていて、掛かる遥斗の吐息にさえも感じてしまう。イイところばかり突き上げられて、腰から下が、もうグズグズに溶けてしまいそうだった。

「ん…」

 遥斗は口元を押さえる真琴の手を剥がして、キスでその唇を塞ぐと、トロトロになった真琴自身に手を掛ける。

「……ッ…、ぁ…ダメ…」

 ヌルヌルと先端を2,3度こすられただけで、真琴は中の遥斗をキュゥッと締め付けてイってしまった。

「ッ…」

 そのキツイ締め付けに遥斗もそのまま達してしまいそうになって、けれど今日は余裕がなくてゴムも着けずにしてしまっていたから、遥斗は慌てて真琴の中から自身を引き抜いた。
 けれどさすがにそれ以上は堪え切れず、遥斗は真琴の腹部に欲望をぶちまけてしまう。
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カテゴリー:遥斗×真琴
テーマ:自作BL小説  ジャンル:小説・文学

愛のドーパミン漬け (10) R18


*R18です。18歳未満のかた、苦手なかたはご遠慮ください。

「ん…はーちゃん…」

 呼吸を整えながら、真琴は愛しい人の名前を呼んだ。

「はぁ…、ゴメン、マコ…」

 男にしては線の細い真琴のウエストラインを伝って、シーツへと零れていきそうになった精液を、遥斗はティシューで拭ってやった。

「ん…平気…。中で出しても良かったのに…」
「またそういうこと言う…」

 生でやったほうが遥斗も感じるだろうし、自分も中出しされるのは全然嫌じゃないのに、真琴の体を気遣って、遥斗はなかなかそうしようとはしない。
 少しもどかしいとは思うけれど、でも、大事にされている感じがして、結構いいとも思う。

「はーちゃん、チュウ~」

 ベッドに転がって遥斗を引き寄せて、真琴は甘えるようにキスをねだった。
 甘いキス。
 遥斗の手が、優しく真琴の髪を撫でたり、背中を辿ったりする。

「ん…ヤバ…」

 何度か啄ばむようなキスを繰り返しているうち、真琴は、何だかまた気分が盛り上がってきてしまった。

「マコ?」

 いったん遥斗の腕から抜け出ると、真琴は体を動かして、今度は自分が遥斗の上に乗っかるような体勢になった。

「はーちゃん、もう1回…」
「え、ちょっ…待っ…」

 甘えるときとは違う、色香をまとった真琴の雰囲気に、思わず押し流されそうになったけれど、いくら何でもこのまま2回戦に突入するのはまずい。

「ヤ、するの」

 駄々を捏ねる子どものような仕草で、けれどその表情は凶悪なまでにエロティックでセクシーで。
 その危ういバランスに、遥斗の理性がグラグラと揺れ動く。

「はーちゃん…、シよ…?」
「マ、コ…」

 遥斗のお腹を跨いだまま、真琴は腰を動かして、自分の下腹部を押し付ける。
 熱を持ち、わずかに反応を見せ始めているそれに、遥斗はピクリと体を震わせた。

「はーちゃん…」

 スルリと背中を滑った遥斗の手が、真琴の尻まで辿り着き、柔らかな双丘をやわやわと揉み込んでいく。

「ん…ん…」
「ふ…マコ、かわいい」
「やぁ…かわいくないしー」

 むぅと真琴は唇を突き出して否定してみるけれど、それを軽くかわされ、チュッとキスされる。
 遥斗のキスは好きだから、結局そのまま流されて、キスに溺れてしまう。

「かわいい、かわいい」
「むぅー…ちょっとバカにしてる?」
「してないよ」

 けれどクスクス笑っているから、少しも信用できない。
 でも、吐息が掛かるほどの距離で笑い合って。その笑い声が体に響いてきて、気持ちいい。

「はーちゃん、好き…」

 だからやっぱりね、1人でするより、はーちゃんとのエッチのほうがダンゼン気持ちいいって思うんだよ。





*END*







 えーっと…変態ですいません。ここまで変態に仕上げておいて、最後をかわいく締めてみた。
 まぁあの、遥斗さんはムッツリだろうな、という私の視点に立って、書き上げてみたんですけれども。良かったら、感想ください。

 ここまでお付き合いくださいまして、有り難うございました。
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カテゴリー:遥斗×真琴
テーマ:自作BL小説  ジャンル:小説・文学

★カップリングなりきり100の質問★ 智紀×慶太 (前編)


001. あなたの名前を教えてください。
 T 「相川智紀」
 K 「久住慶太です」

002. 年齢は?
 T 「21」
 K 「この間、20歳になりました」

003. 性別は?
 T 「男」
 K 「男です」

004. 貴方の性格は?
 T 「あぁ~何だろ。わりと面倒くさがり」
 Y「真面目だ、と人には言われます。自分じゃ、そうだとも思わないけど」

005. 相手の性格は?
 T 「やっぱ、真面目だろうな」
 K 「…… (…女好き?)」
 T 「言えよ」
 K 「いや…思い付いたんですけど、これって性格じゃないなぁーって思って」
 T 「何?」
 K 「いや、いいです」

006. 二人の出会いはいつ? どこで?
 T 「いつごろ会ったっけ?」
 K 「去年、とか…。俺が大学に入ってからだから。そのころから相川さんて、関係ないのに学生会室に入り浸ってましたよね」
 T 「悪かったな!」

007. 相手の第一印象は?
 T 「真面目そー。つまんなそー」
 K 「……まぁ、否定はしませんけど。相川さんは、うん、違う世界の人って感じでした。一生か変わらないまま終わるだろうなぁーて」

008. 相手のどんなところが好き?
 T 「おもしろいところ」
 K 「おもしろくなんかないですよ。相川さん、つまんなそうって言ったじゃないですか」
 T 「そう思ってたけど、実はすごい面白いヤツだった」

009. 相手のどんなところが嫌い?
 T 「時々ノリが悪いとこ」
 K 「合コンとか行くとこ」
 T 「あ、」
 K 「気付いてますよ? だって、そういうとき、結構顔に出てますから」
 T 「……」

010. 貴方と相手の相性はいいと思う?
 T 「いいでしょ、そりゃ」
 K 「そうですか?」
 T 「……」
 K 「そんな顔しなくても。冗談ですよ」

011. 相手のことを何で呼んでる?
 T 「慶太。前は名字で呼んでたけど」
 K 「相川さん」

012. 相手に何て呼ばれたい?
 T 「普通に下の名前で呼べばいいのにって思う」
 K 「だって…」
 T 「何かすげぇよそよそしい感じがする」
 K 「すみません…」

013. 相手を動物に例えたら何?
 T 「犬? ラブラドールとか、頭いい系の」
 K 「えぇー…こういう質問、苦手…」
 T 「何で?」
 K 「だって人間なのに。動物にたとえろって言われたって…」
 T 「お前、ホント、頭の固いヤツだな」

014. 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる?
 T 「欲しがってるヤツ。よく分かんねぇけど。何か、参考書とか?」
 K 「そんな…俺、どんなキャラなんですか」
 T 「お前は何くれんの?」
 K 「相川さんの欲しがってるもの……でも何が欲しいのか、よく分かんない…」

015. プレゼントをもらうとしたら何がほしい?
 T 「別に何でもいいよ。慶太がくれるもんなら、何でも嬉しい」
 K 「俺も、です」

016. 相手に対して不満はある? それはどんなこと?
 T 「何か、まだちょっと気を使ってるとこがあるっつーか」
 K 「……そうですか?」
 T 「敬語だし」
 K 「だって相川さんのほうが先輩…」
 T 「相変わらず『相川さん』て呼ぶし」
 K 「すいません…」

017. 貴方の癖って何?
 T 「えー分かんねぇ」
 K 「髪を触る」

018. 相手の癖って何?
 T 「うん、慶太の言ったとおりだと思います」
 K 「(思い付いてないんだ…)」

019. 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは?
 T 「あんま電話とかメールをくれない」
 K 「すいません…。俺はまぁ…特にないです」

020. 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何?
 T 「何だろ…あ、バイク乗ってて、スピード上げると怒られるときある…」
 K 「だって怖いから!」

021. 二人はどこまでの関係?
 K 「どこまでって…」
 T 「そりゃ、もう清い関係は卒業してますよ。ねぇ?」
 K 「……はい /////」

022. 二人の初デートはどこ?
 K 「そういえば、あんまりちゃんとしたデートみたいのって、したことないですね」
 T 「そりゃ、お前が出掛けるの面倒くさがるからだろ!」
 K 「いや、2人で出掛ければ、どこでもデートじゃないですか。ホラ、さっきも一緒にコンビニ行ったし」
 T 「そうじゃなくて! ちゃんと出掛けようぜ! お前、歩としょっちゅう出掛けてんじゃん!」
 K 「あれはデートじゃないもん…」

023. その時の二人の雰囲気は?
 K 「良かったですよ」
 T 「何の話だよ! 行ってねぇのに!」
 K 「いや、さっきのコンビニの話」
 T 「……」

024. その時どこまで進んだ?
 T 「……コンビニ…」
 K 「でも、手、繋いだじゃないですか」
 T 「お前は結構嫌がってたけどな」
 K 「恥ずかしかったんですよ」

025. よく行くデートスポットは?
 T 「だからどこも行かないって」
 K 「相川さんちにはよく行くかも」

026. 相手の誕生日。どう演出する?
 T 「どうって言われても……普通?」
 K 「特別変わったことは、しなかったですよね」

027. 告白はどちらから?
 T 「俺から、てことになるのかな」
 K 「そうですね」

028. 相手のことを、どれくらい好き?
 T 「どのくらいって言われても…」
 K 「言葉で表しづらい」
 T 「表しづらい?」
 K 「あ、表せないくらい」

029. では、愛してる?
 T 「そりゃ、もちろん」
 K 「はい」

030. 言われると弱い相手の一言は?
 T 「えー…何だろ。コイツ、普通のことしか言わねぇからなぁ…」
 K 「すいません…」
 T 「まぁ、時々すごいツボ突くようなこと言うけど」
 K 「何ですか?」
 T 「教えると今度言わなくなるから、言わねぇ」

031. 相手に浮気の疑惑が! どうする?
 T 「あり得ねぇ」
 K 「相川さんの場合、疑惑だけで済めばいいですけどねぇ」
 T 「おい、ちょっ…」
 K 「嘘です。信じてます」

032. 浮気を許せる?
 T 「いや、あの、やっぱ許せないんじゃない?」
 K 「何、他人事みたいに言ってるんですか。まぁ、するならバレないようにしてくださいね、傷付くんで」
 T 「待て! 俺が浮気すること前提に話すんじゃねぇっ!」

033. 相手がデートに1時間遅れた! どうする?
 T 「あーうー帰る? つーか待ち合わせたことねぇし」
 K 「いつも迎えに来てくれますよね。有り難うございます」

034. 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?
 T 「目?」
 K 「背中」 

035. 相手の色っぽい仕種ってどんなの?
 T 「え…、えーっと、んー…」
 K 「無理しなくていいですよ、思い付かないなら。相川さんは基本的に、全部色っぽいと思う。色っぽい? 色っぽいとは違うかな。でも何かそんな感じ」

036. 二人でいてドキっとするのはどんな時?
 T 「何かコイツ、無意識に触ってきたりすんだよなー」
 K 「え、ないですよ! そんなの!」
 T 「気付いてねぇだけだって。そういうつもりなのかな、て思って見ても、普通の顔してるし」

037. 相手に嘘をつける? 嘘はうまい?
 T 「嘘はつかない」
 K 「……はい」
 T 「ホ…ホントだよ?」
 K 「信じてます」

038. 何をしている時が一番幸せ?
 T 「、えと…コホン、慶太と一緒にいるときだよ」
 K 「………………」
 T 「テメェ、何か言え! 俺ばっか恥ずかしいだろ!」
 K 「///////」
 T 「(ダメだ…)」

039. ケンカをしたことがある?
 T 「まぁ…ないことはない、な」
 K 「……はい」

040. どんなケンカをするの?
 T 「どんなっつーか…」
 K 「俺はもうわけ分かんなかった。どうなっちゃうのかと思った」

041. どうやって仲直りするの?
 T 「どうしたっけ?」
 K 「謝りました」

042. 生まれ変わっても恋人になりたい?
 T 「まぁ、そうですね」
 K 「生まれ変わりとかあるなら」
 T 「お前…現実的過ぎだから」

043. 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時?
 T 「2人でいるときは、結構いつでも感じる」
 K 「歩と出掛けるとか言うと、不機嫌そうな顔するとき」

044. 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時?
 T 「普通に俺より歩のことを優先するとき」
 K 「俺より合コンを優先するとき」
 T 「優先はしてない! 優先はしてないから!」

045. 貴方の愛の表現方法はどんなの?
 T 「…………行為?」
 K 「それって、どういう意味での…?」
 T 「じゃあお前はどうなんだよ!」
 K 「え、俺!? いや、何か、そういうの、苦手…」
 T 「だよな」

046. もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい?
 T 「まだ死ぬとかそういうの考えるとしでもねぇし…」
 K 「考えたくはないけど、相川さんが先に死んじゃったら、俺… (ズーン…)」
 T 「まだ死なねぇから! そんな深く考えんな! な!?」

047. 二人の間に隠し事はある?
 T 「……ない、よな?」
 K 「俺に聞いてどうするんですか。まぁ別に隠し事ってほど大げさなものはないですけど」
 T 「何かあんの?」
 K 「言ったつもりで、言ってなかったってことがよくある」

048. 貴方のコンプレックスは何?
 T 「ないです」
 K 「…でしょうね」

049. 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?
 T 「まぁ、知ってるヤツは知ってる。拓海とか真琴とか」
 K 「俺、高遠さんが知ってて、すげぇビビったんですけど…」
 T 「アイツ、何かいつの間にか嗅ぎ付けやがってよー」

050. 二人の愛は永遠だと思う?
 T 「はい」
 K 「そうだと信じたい」
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カテゴリー:質問+小ネタ
テーマ:自作BL小説  ジャンル:小説・文学

★カップリングなりきり100の質問★ 智紀×慶太 (後編)


*R指定はしませんが、「ココからはエッチ有カップルのみお楽しみください。」ということなので、苦手な方はご注意くださいませ。

051. 貴方は受け? 攻め?
 T 「攻め」
 K 「えっと、受け、です」

052. どうしてそう決まったの?
 T 「どうして…どうしてだろ」
 K 「そのほうがいいなぁ、て思ったんで」

053. その状態に満足してる?
 T 「別に不満はない」
 K 「はい」

054. 初エッチはどこで?
 T 「えっと、俺んち」
 K 「はい」

055. その時の感想を・・・・
 T 「うん、すげぇ良かったよ」
 K 「はい」
 T 「お前、『はい』以外のことも言えよ!」
 K 「あ、はい。あっ…」
 T 「……」

056. その時、相手はどんな様子でした?
 T 「やっぱちょっとツラそうだった。男とすんの、お互い初めてだったし」
 K 「優しかったような気がする」
 T 「え、気がするって…、優しかっただろ!?」

057. 初夜の朝、最初の言葉は?
 T 「えっと…」
 K 「言わなくていいですっ…!!」
 T 「え、別に変なことなんか言ってないだろ?」
 K 「そうですけど! 何かもう恥ずかしくて、思い出したくないっ…!!」
 T 「(別にそんな…普通だったけど…。何そんなに恥ずかしがってんだ?)」

058. エッチは週に何回くらいする?
 T 「1? 2?」
 K 「多分…そんなの数えたことないですよ!」

059. 理想は週に何回?
 T 「いや、別に毎日でもいいけど」
 K 「無理です」

060. どんなエッチなの?
 T 「言っちゃっていいの? (ニヤリ)」
 K 「なっ…何ですか、その顔! 普通ですよ、普通!!」

061. 自分が一番感じるのはどこ?
 T 「そりゃ、やっぱり… (ニヤニヤ)」
 K 「ちょっ…何ですか、その顔! 何か変なこと考えてるでしょ!?」
 T 「じゃあ、お前はどこなんだよ」
 K 「いや、そんな…」
 T 「言えよ」
 K 「分かんないですよ! だって最中は結構いっぱいいっぱいだし…!」

062. 相手が一番感じているのはどこ?
 T 「あー、慶太の場合、」
 K 「いいです、言わなくてっ!」
 T 「何でだよー。まぁ、コイツが感じる場所なんて、俺が開発したようなもんだけど」
 K 「もうホント、勘弁してくださいっ…!!」

063. エッチの時の相手を一言で言うと?
 T 「たまんない」
 K 「ギラギラしてます、何か」

064. エッチははっきり言って好き? 嫌い?
 T 「好きです」
 K 「まぁ…はい」

065. 普段どんなシチュエーションでエッチするの?
 T 「そうだなぁ…」
 K 「普通ですよ!」
 T 「だよな。コイツ、部屋が明るいだけで、拒否るし」

066. やってみたいシチュエーションは? (場所、時間、コスチューム等)
 T 「えー、何してくれんの!?」
 K 「何もするなんて言ってない!」

067. シャワーはエッチの前? 後?
 T 「前も後も」
 K 「はい」
 T 「でも一緒に入ろうとすると、激しく拒否られる」

068. エッチの時の二人の約束ってある?
 T 「別に」
 K 「でもゴム着けてって言っても、着けてくれないときがある」
 T 「ゴメンね…」

069. 相手以外とエッチしたことはある?
 T 「昔は」
 K 「あります」

070. 「心が得られないなら身体だけでも」という考えについて。賛成? 反対?
 T 「いいんじゃね?」
 K 「えっ!?」
 T 「あ、いや、ダメですよ、反対ですよ!」
 K 「……」

071. 相手が悪者に強姦されてしまいました! どうする?
 T 「慰めます」
 K 「相川さんが……あり得なそう…」

072. エッチの前と後、より恥ずかしいのはどっち?
 T 「別にどっちも恥ずかしくない」
 K 「前も後も最中も、全部恥ずかしい」

073. 親友が「今夜だけ、寂しいから・・・」とエッチを求めてきました。どうする?
 T 「人にもよる」
 K 「……」
 T 「あ、いや、ないない! そんなの親友じゃない!」
 K 「……」
 T 「だってよく考えてみろよ、拓海がそんなこと言ってくるわけねぇじゃん!」
 K 「……」
 T 「(だぁ~~~、どうやったら疑惑が解けるんだ~~~!!!)」

074. 自分はエッチが巧いと思う?
 T 「スペシャリストです!!」
 K 「……何ですか、その自信」

075. 相手はエッチが巧い?
 T 「あー、まぁ、人並みじゃね?」
 K 「……」
 T 「何で無言?」
 K 「誰と比べてるのかなぁ、って思って」
 T 「え、いや、……つーかお前はどうなんだよ! 俺、巧い?」
 K 「…と思いますよ。比べる相手もいませんけど」

076. エッチ中に相手に言ってほしい言葉は?
 T 「えー、別に。言ってほしいことは言わせてるし」
 K 「……結構無理やりですけどね」
 T 「でもお前だってそういうの好きだろ!?」
 K 「ッ…好きとか、ちょっ、そういうこと言わないでください!」

077. エッチ中に相手が見せる顔で好きな顔はどんなの?
 T 「全部好きだよ。すげぇエロい顔するし…イッテェ!!」←殴られた
 K 「……」

078. 恋人以外ともエッチしてもいいと思う?
 T 「いや、よくないですよ、うん」
 K 「よくないとは思います。でも、相手が女性だったら、仕方ないかな、とも思う」

079. SMとかに興味はある?
 T 「ん~…あんま興味ねぇなぁ。自分がやりたいとは思わない」
 K 「ないです!! 普通でいいです!!」

080. 突然相手が身体を求めてこなくなったらどうする?
 K 「病気かなぁ? て思う」
 T 「こっちから迫る」
 K 「いつものことじゃないですか」

081. 強姦をどう思いますか?
 T 「どう思うって…いいか悪いかってこと?」
 K 「いいわけないですよ」
 T 「よくない」

082. エッチでツライのは何?
 T 「俺は別にない。体的にツライのは慶太のほうだろうし」
 K 「まぁ…ツライって言えばツライですけど、平気ですよ。意外と相川さん、優しいですし」
 T 「意外と、は余計だよ」

083. 今までエッチした場所で一番スリリングだったのはどこ?
 T 「慶太とは、別にないかな。俺んちでしか、したことないし」
 K 「俺もないです。昔も今も。ていうか、どこでしたことあるんですか?」
 T 「えー…、車とか、学校とか…」
 K 「悪いですけど、俺、そういうとこではやりたくないですからね」
 T 「まぁ、そのうちな?」
 K 「ヤダって言ってるでしょ!!」

084. 受けの側からエッチに誘ったことはある?
 T 「ないこともないよな?」
 K 「ないですよ! 相川さんが勝手に盛っただけでしょ!」
 T 「盛るって、お前ね…」

085. その時の攻めの反応は?
 T 「いや、いつもよりがんばりましたよ、そりゃ。なぁ?」
 K 「知りません!」

086. 攻めが強姦したことはある?
 T 「ないない、大事にしてますよ」
 K 「まぁ…はい」

087. その時の受けの反応は?
 T 「いや、だから、しねぇって!!」
 K 「はい」

088. 「エッチの相手にするなら・・・」という理想像はある?
 T 「え、別にない。理想よりも現実」
 K 「それって、いい意味で言ってます?」
 T 「え、え、当たり前じゃん!」

089. 相手は理想にかなってる?
 T 「理想とか、だからないから!」
 K 「かなってると思う。別に理想とか言われても、よく分かりませんけど」

090. エッチに小道具を使う?
 T 「今は別に使わないけど…」
 K 「使ったことないです」
 T 「じゃあ今度使ってみる?」
 K 「結構です!」

091. 貴方の「はじめて」は何歳の時?
 T 「じゅう…3? 12?」
 K 「、 (早っ!!)」
 T 「お前は?」
 K 「いや、高校のころ、ですけど…」

092. それは今の相手?
 T 「違う相手。2つ上の先輩」
 K 「…ですよね。その年齢で年下だったら、ちょっとヤバいですよね…」
 T 「ヤバいって言うな!」

093. どこにキスされるのが一番好き?
 T 「どこでも結構好きだけど。でもあんま慶太のほうからはしてくんない」
 K 「まぁ…普通に、唇とか」

094. どこにキスするのが一番好き?
 T 「慶太の感じるトコ。なっ?」
 K 「な、何の同意ですか、それ!」

095. エッチ中に相手が一番喜ぶことは何?
 T 「そりゃあ、やっぱヨクしてやれば……アダダダダ…すみませんっ!」←足踏まれた
 K 「相川さんは、んー、何だろう…」
 T 「そうだなぁ、騎乗位とかしてくれたら……イッテェ!!」←蹴っ飛ばされた

096. エッチの時、何を考えてる?
 T 「慶太のこと」
 K 「何も考えらんない」

097. 一晩に何回くらいやる?
 T 「大体2回? 3回とか」
 K 「まぁ…はい」
 T 「最高で5回ってのがあったけど」
 K 「死ぬかと思った…」

098. エッチの時、服は自分で脱ぐ? 脱がせてもらう?
 T 「自分で脱ぐかなぁ。だって脱がしてくんないし」
 K 「……脱がせてほしいんですか?」
 T 「そりゃ、時と場合によっては」
 K 「(どんな時!? どんな場合!?)」

099. 貴方にとってエッチとは?
 K 「分かんない…」
 T 「一応、愛情確認てことで…」
 K 「一応?」
 T 「『分かんない』って答えたヤツが、聞き返すんじゃねぇ!」 

100. 相手に一言どうぞ
 T 「んー…別にない」
 K 「えっ…!?」
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シンプルハピネス


 サラリ……指の間を滑り落ちる拓海の髪。
 午前6時。
 起きるには、どう考えてもまだ早い時間。
 今日は遅番のシフトが入ってるから、少しでも多く寝ておけばいいって分かってるのに、でも何かもったいない気がして…。
 優しい時間。
 人の寝顔を見てるなんて、悪趣味もいいとこだけど。

(―――…………キス、したい……)

 思ったら、その欲求を抑えられなくなる。
 ヤバイなぁ…………欲求不満?
 寝込みを襲うって、やっぱまずいよね。男として、そりゃまずい。でも、キスくらいなら……。
 ゴク。
 ヤベ、喉が鳴った。
 ゆっくりと、拓海を起こさないように、そっと体を動かす。
 いいよね、キスくらいなら。
 体重を掛けないようにしながら、拓海の両脇に手を突いて、顔を近づけた。
 ヤバイ……すげぇドキドキする…。
 ありえないくらい、心拍数が上がってる。昨日、キスだって、セックスだってしたのに。
 あ、や…やっぱ、ダメだ……出来ない…。
 緊張してるの? 俺。
 分かんないけど、アップアップだ。
 自分から仕掛けたくせに、頭の中がパニックを起こしてる。
 これで拓海にキスしちゃったら、俺、どうなっちゃうんだろ…。
 ゴクリ。
 ダメだ、やっぱ―――……

「ねぇ、しないの? キス」




 ―――――ッッッ…!!!???




 パチリ。
 普段、最高に寝起きの悪い拓海が、しっかりと目を開けて、俺を見る。
 ビックリしすぎて、そのままの格好で固まってしまう俺。

「ねぇ、悠ちゃん?」
「あ…起き……ッ…悪趣味! 寝たふりなんて!」

 ハッとして拓海の上から退こうとしたけど、腕を掴まれて動けなくなる。

「人の寝顔ずっと見てた人に、言われたくないなぁ~」
「…………ッ、」

 全部バレバレで、すごい恥ずかしいっ!!
 次の言葉が、出ないっ…!!
 アホの子みたいに口をパクパクさせて、それを拓海は面白そうに見上げてる。

「ねぇ、してよ、キス」

 拓海の反対の手が伸びてきて、俺の髪を弄ぶ。くすぐったい……けど、その言葉に逆らえない…。だって、キス、したかったんだもん…。
 俺は1度、大きく深呼吸する。

「ね、して?」

 目を閉じる拓海。
 待ち焦がれた、その唇。

 俺は、自分から距離をゼロにした…。
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恋のはじまり10のお題 (tittle:Neptuneさま)


↑OLD ↓NEW

01. 出会って、一秒。 (前編) (後編)
02. もっと知りたい (前編) (中編) (後編)
03. はじめて、 (前編) (後編)
04. 卑怯な不意打ち (前編) (中編) 1 2 (後編)
05. 意外
06. 仲良くなるたびに (前編) (後編)
07. こらえきれない想い
08. 特別な日 (前編) (中編) (後編)
09. ようやく笑った (前編) (中編) 1 2 3 4 (後編)
10. その、あたたかさ (前編) (中編) (後編)
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01. 出会って、一秒。 (前編)


 まさかまさかの新連載です。メイン3カプ以外のお話ですが。よろしかったら感想ください。


 あ り え な い 。




 200%ありえない。
 たとえ天地が引っ繰り返ったとしても、ありえない。



 ずっとそう思ってた、のに。




 自分の中の常識なんて、案外あっさりと簡単に崩れ去るもんだって知った、21歳の春。





□■□

 彼女、ってほどでもない。
 この前の合コンでメルアドを交換した女の子と、軽いデート。メシ食って、買い物に付き合って。まぁ、下心があるからこそ、なんですが。相手もそんな軽いノリだから、楽でいい。
 だいたい、恋だとか愛だとかって、面倒臭い。
 お互い楽しくて気持ち良くなれるんだから、この程度のお付き合いで十分。
 でしょ?

「ねぇー、映画でも見ない?」

 中途半端に余った時間に、彼女がそう提案してきた。
 映画か、悪くもないな…。

「何見る?」
「んーとねぇ…」

 彼女が、最近話題の映画のタイトルを挙げているのをボンヤリと聞いていると、前方から見知った顔。バイト先の友人、仲村。隣は……。

「―――ッ、」

 仲村の隣にいた子に、思わず息を飲んだ。

「どうしたの?」

 俺の挙動を不審に思ったのか、彼女が顔を覗き込んできた。

「どこの女見てんの?」
「ちげぇよ。バイト先の仲間」

 ったく、余計なとこで目敏い女だな、こいつ。
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01. 出会って、一秒。 (後編)


「よぉ、水沼」

 少し苛ついてると、仲村もこっちに気が付いて声を掛けてきた。仲村の隣の子も足を止めて、俺らと仲村を見比べてる。

「よ、」
「あ、コイツ、水沼っていうの。バイトが一緒で」

 仲村が連れの子に俺のことを紹介するから、俺はドキドキしながら頭を下げた。
 え、ドキドキ?

「どぉも。深沢です」
「え?」

 声、低い?
 風邪……か?

「こっちは俺の幼馴染み、深沢和哉」

 え……和哉って………………男か!?
 マジで!?
 だって、だって、すげぇかわいいんですけど!!

「で? そっちはお前の彼女?」

 軽いパニックを起こしてる俺をよそに、仲村はニヤリと笑って連れの女を指した。絶対分かってて聞いてきてやがる。

「こんにちはー」

 "彼女"って言われたのが嬉しかったのか、彼女はニコニコしながら会釈する。まぁ、別にいいですけど。

 ってか、深沢……くん、だよね、男の子なんだから。
 見えねぇー!
 だって、何か白いふわふわの洋服着てるし。下がジーンズじゃなくてスカートとかだったら、絶対女の子!! いや、今のままでも十分女の子だけど!

「?」

 俺があんまりジロジロ見るもんだから、深沢くんが小首を傾げる。つーか、その仕草自体、超かわいいんですけど!!
 ってか、俺、1人で何こんなに興奮してんの?

「じゃあねー」

 俺が深沢くんばかりに気を取られているうち、仲村と彼女の会話は終わっていたらしい。
 仲村はもともと人懐っこい性格してるから、気軽に誰とでも会話できるけど、深沢くんは人見知りするみたいで、最初に名前を言ってから何も話さなかった。
 手を振りながら去っていく仲村―――の隣の深沢くんの背中を、俺はずっと見つめてた。
 もっと話したかったのに。
 あの小首を傾げたかわいい仕草で、俺のこと、もっと見てほしい。

 ねぇ、何この感情。
 これが世に言う、一目惚れてヤツ?

 ありえない、ありえない、ありえない。
 100遍繰り返す。

 恋だの愛だの面倒臭いって言ってたこの俺が、一目惚れ?
 ないから。





 …………でも。

 自分の中の常識なんて、案外あっさりと簡単に崩れ去るもんだって知った、21歳の春。




 俺は、男相手に、一目惚れをした。
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02. もっと知りたい (前編)


「なぁなぁ、仲村ー」

 コンビニのスタッフルームで制服に着替えながら、俺早速仲村に声を掛けた。昨日の、深沢くんの話を聞くためだ。

「昨日のさ、一緒にいた子」
「あぁ、彼女?」
「彼女? 男だろ? あれ? やっぱ女の子だった?」
「は? お前、自分の彼女の性別も分かんねぇの?」

 ……ん?
 何か、話噛み合ってなくねぇ?

「俺の連れじゃなくて、お前の連れ。深沢、和哉くん」
「あぁ、和哉?」
「幼馴染み、だっけ?」
「うん」
「何だよー、早く紹介しろって、そういうのは!」

 俺はバシッと仲村の背中を叩いた。仲村は「痛ぇなぁ」とか言いながら、ロッカーを閉める。

「つーか、何でそんな興味津々なわけ? 和哉、男だよ?」
「知ってるって。ってか、何だよその言い方。まるで俺が女にしか興味ねぇみてぇじゃん」

 何て失敬なヤツなんだ。
 いやまぁ、確かに野郎なんかに興味はねぇけど。
 でも、深沢くんは別。
 もっと話してみたい。いろんなこと、知りたい。

「なぁなぁ、紹介してよー」
「はぁー? 紹介って……だから和哉は男だって。お前が好きなのは、女の子だろ? つーかお前、また新しい彼女連れてたじゃん? この前の子、どうしたんだよ」
「この前の子って? いつのこの前?」
「あーはいはい。モテる男の子は大変ですねー、水沼くん」

 何だよ、仲村のクセに嫌味ったらしいこと言いやがって。

「うっせぇよ。なぁ、それよりも、深沢くん」
「あぁ?」
「俺もお友達になりたい」

 とりあえずは、お友達からでしょ。
 いきなりがっついたんじゃ、カッコ悪い。そんな下心なんて、知られたくない―――彼だけには。

「はぁ? お友達って…………今日、バイト終わったら、和哉とメシ食いに行く約束してるけど……」
「えぇー? いいなぁ、いいなぁ、いいなぁ」
「…………何ならお前も来る?」

 すごく面倒臭そうな顔で、仲村がとっても素敵な提案をしてきた。

「マジ!? 行く行く行く行く!!」

 あぁ……やっぱり俺は運がいい。
 昨日、初めて会ったマイスウィートエンジェルと、今日はメシを食いに行けるなんて!

「……おい、大丈夫か?」

 訝しげに眉を顰めてる仲村の言葉なんて、もはや俺には届いてなかった。
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02. もっと知りたい (中編)





 仲村と一緒に待ち合わせの場所に行くと、深沢くんはもうそこにいて、俺は一緒にいることに、ちょっとビックリした顔をした。

「ゴメン、遅くなって」
「ううん、俺も今来たとこ…」

 そう答えて、深沢くんが戸惑うような視線を俺に向けた。

「ホラ、昨日会った……」
「あ、うん…」

 深沢くんの表情からして、多分、俺のことを忘れちまってボーっとなってるわけじゃなくて、何で俺が一緒に来たんだろうって、不思議に思ってるんだと思う。

「何かさぁ、お前とお友達になりたいんだって」
「バッ……仲村!」

 そういうことを、本人前に面と向かって言うんじゃねぇよ!

「ふっ…」

 慌てふためいてる俺に、深沢くんが小さく吹き出した。
 m5syd82q;c.@djガ0ps!!!
 カワイイッッ!!
 めっちゃかわいいんですけど!!

「よろしくお願いします」

 ペコリ。
 俺に向かって律儀に頭を下げる深沢くんに、俺も慌てて頭を下げた。



 メシっつっても、行った場所は、近くの居酒屋。男3人で行くには、このくらいでちょうどいい。
 メニューを覗き込みながら、俺と仲村が飲み物をビールの決めると、深沢くんがおずおずと、「……じゃあ、俺も」と言ってきた。
 その途端。

「ダメだって和哉。やめとけよ、どうせ飲めないんだから」
「飲めるよ」
「半分も飲まないうちに、潰れちゃうだろ?」
「のーめーる」

 2人は俺の存在を無視して、こんな攻防を繰り広げ始めた。

「何? 深沢くん、お酒飲めないの?」
「飲めるってば!」

 ちょっと向きになって、俺にまで言い返してきた。
 ホント、かわいい。

「章ちゃんだって、普段飲まないくせに飲むんだから、俺だって飲みたい」

 章ちゃん……って、仲村のことか。仲村章一。しょーいち。章ちゃん。なるほどね。いいな、あだ名で呼ばれるのって。すごい仲良しって感じで。

「ねぇ、いいでしょ?」

 つーか、何でいちいち仲村にお伺い立てるんだろう(その姿もかわいいけど)。お酒飲んでは仲村が面倒見てるってことか。でも酔っ払っちゃった深沢くんも見てみたい。

「いいじゃん、1杯くらい」

 そりゃ、俺は深沢くんの味方するしかないでしょ。
 俺の言葉に、深沢くんはパァッと華やかな笑顔を俺に向けてくれる。その隣で仲村が、ものすごい嫌そうな顔で俺を見た。

「水沼、お前……」
「いいじゃん。なぁ?」
「うん!」

 仲村の突っ込みを無視して深沢くんに同意を求めると、満面の笑みで頷いてくる。
 あーヤバイ、その笑顔。もっと見たい。

「……じゃあ、ビール3つで」

 最終的には、仲村が折れた。
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02. もっと知りたい (後編)


 ……でも、最初の仲村の言葉どおり、やっととジョッキの半分くらいを空けた深沢くんは、すっかりクテンとなってる。その間に俺らはもう2杯を飲み終わろうとしてるんだけどね。

「深沢くん、大丈夫?」
「んー…」

 俺の声に反応して顔を上げる深沢くん。目がトロンとしちゃってて、超かわいい。ホントにお酒弱いんだなぁ。

「和哉? 水貰う?」
「へーき…」

 絶対、全然平気じゃないはずなのに、深沢くんはゆるゆると首を振って、がんばってジョッキを持とうとする。
 でも結局それは無駄な努力で、ジョッキをテーブルに戻した途端、そのまま隣にいた仲村に凭れ掛かった。
 ぎゃっ、羨ましい!!

「和哉?」

 仲村はこういう状況に慣れてるのか、とくに慌てたふうもなく、深沢くんの肩を揺すって起こそうとしてる。

「んー……やぁ…」
「ぶっ」

 アルコールがいい具合に回って、眠くなっちゃってるのを、無理に起こされるのが嫌なんだろうな。子供みたいにむずがって、仲村の手を払おうとしてるけど。
 その仕草、マジでやばいです!
 僕、思わずビール吹き出しちゃいました。

「何してんだよ、水沼。お前まで世話焼かせんな」

 仲村が面倒臭そうに俺のほうへおしぼりを放ってきた。

「……で、どうする?」

 深沢くんを起こすのを諦めた仲村が、俺に話を振った。

「んー、とりあえず俺の肩を貸してやりたい」
「そういうことは聞いてねぇよ! まだ早いけど、帰る? コイツ、こんななちゃったし…」
「うー……」

 ホントはまだ一緒にいたいけど、酔い潰れちゃった子をこんなにしたまま、のん気に飲み続けてはいられない。
 1時間程度のお食事タイムは、残念だけど、ここでお開き。
 仲村が精算をしてる間、俺が深沢くんを支える(そうしたくて、無理やり仲村に金を押し付けたんだけど)。

「んー…」
「ん? 何?」
「章ちゃ…」
「……、」

 ―――しょうがない。
 きっと今までこういう場面で、彼のことを助けてきたのは仲村だったんだ。
 だって幼馴染みだし。
 俺、会うの今日で2回目だし。
 会話らしい会話だって、正味30分くらいしかしてないし。

 それだけの間に知ったことっていえば、ビックリするくらいにお酒が弱いことと、ちょっと子供みたいなことがあることと、照れ笑いするとき唇を舐めること。
 細かいとこ、気付いてんだ。見てるんだよ。

 でも、こんなのほんの少し、微々たるものにしか過ぎないって、分かってる。
 だけど、知れば知るだけ、好きになっていくのが分かる。


 …………足りない。
 こんなんじゃ、全然足らない。



 もっと。もっと知りたいよ、キミのこと。
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03. はじめて、 (前編)


 俺らしくない、って思う。
 普通、合コンでも何でも、気に入った女の子がいれば電話番号とかアドレスとか聞いちゃったり、あわよくばお持ち帰りなんかしちゃったりして…………だったのに。
 結局、酔っ払った深沢くんを連れて帰ったのは、幼馴染みの仲村で、俺は大人しくご帰宅。
 家に帰って寝るには、まだまだ早い時間だってのに、不思議とオンナに連絡する気にもなれなくて。
 ベッドの中でボンヤリと、深沢くんの笑顔を思い出してた。





□■□

「―――あぁ、そういえば」

 バイトが終わって、仲村と一緒にメシ。今日は深沢くんの都合がつかなくて、俺ら2人だけ。オーダーを終えたところで、仲村が顔を上げた。

「和哉が謝ってた」
「え? 深沢くんが? 俺に?」

 たとえ仲村の口からとはいえ、彼の名前を耳にすると、それだけで胸が高鳴った。

「この前せっかく一緒にメシ食ったのに、すぐ潰れちゃってゴメンって」
「マジ!? 俺のこと、ちゃんと覚えてくれてたんだ!?」

 一緒にいれた時間は1時間くらいだけど、素面でちゃんとしてた時間はその半分くらいだし、そのあと潰れちゃってるから、もしかして俺のことなんか忘れちゃってんじゃないかと思ってたけど…………あぁ、幸せだなぁ。

「だったら、今度また一緒にメシ食いに行こうって伝えてよ。今度は酒抜きでいいから」
「まぁいいけど……つーか、お前が和哉にダメ押ししたんだろ? 飲めばって」
「だってあんなに弱いとは思わなかったんだもん。でもかわいかった~」

 あのときの深沢くんの仕草を思い出すだけで、もう舞い上がっちゃう。

「おいおい、お前、完全に恋してるって顔だぞ」
「あー……そうかも。恋しちゃってるね、完全に」
「はぁ? おい、和哉は男だぞ?」
「知ってるって」

 そう答えると、仲村が呆然とした顔で、2,3度瞬きをした。

「お前……男でもイケるんだ…」
「は?」
「いや、お前、女の子大好きだから…………え? 何? 本当はホモだったの? 女好きなのはカモフラージュ?」
「はぁ?」

 何をわけの分かんないことを言ってんだろう、コイツ。
 何で俺がホモなわけ? つーか、野郎なんか好きになるかよ、気持ち悪ぃ。
 俺が好きなのは、深沢くんだけ。

「おま……自分が何言ってるか、分かってるか?」
「は?」
「だって矛盾してるじゃんかよ。女の子好きで、ホモじゃねぇっつってんのに、何で和哉のことが好だとか言ってんだ?」
「え? 何かおかしい?」

 仲村の言ってること、よく分かんない。俺の言ってること、何か矛盾してる?
 でも俺の言葉に、仲村が呆れ顔のまま固まってるから、きっと何か変なんだろうけど…………よく分かんねぇ。

「まぁ……いいけど…」

 仲村は口の端を引き攣らせながら、グラスを傾けた。
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03. はじめて、 (後編)


「つーか俺はお前が羨ましい…」
「はぁ?」
「深沢くんのこと、和哉って呼んでるし、」
「お前も呼べばいいじゃん」
「昔から知り合いだし、」
「いや、だから、幼馴染みだし」
「携帯の番号とか知ってるっぽいし、」
「"ぽい"じゃなくて、知ってるよ。メールのアドレスも」
「俺は知らない」
「聞けよ、そんなの! ってかお前、今まで気に入った子がいたら、そんなのすぐに聞いてたじゃん。和哉のこと気に入ったなら、何でメシ食いに行ったとき聞かなかったんだよ。今さら俺に愚痴るな!」
「そんなの…」

 そんな、会ってすぐに電話番号とか聞くって、何か見え見えじゃん! ダメダメ、そんなの!

「ダメダメって……お前、今までずっとそうだったくせに、何急に……。しかも相手は女じゃなくて、和哉だぞ?」
「だからだろ! そんな、その辺の女だったら、別にどうでもいいんだよ、そんなの」

 軽いヤツだって思われたら、嫌われちゃうかもしれないし…。

「……恋する乙女、って感じだな、お前。でも確かに、和哉、軽いヤツとか、あんまり好きじゃないと思う」
「マジで!? どうしよう……またメシ食いに行きたいとか言ったら、まずいかな?」
「いやいやいや、それはいいんじゃねぇの? だってお前男じゃん。男相手にメシ誘って、軽いとかないんじゃね?」
「そう……かな?」
「…………なぁ、お前さぁ…」

 グラスを置いて、箸も置いて、仲村はひどく神妙な面持ちで俺のほうに顔を近づけた。

「今まで誰か……いや、女の子でいいんだけどさ、好きになったこと、ある?」
「は? そりゃあるよ、そのくらい」
「いや、その……何ていうか、んー……何て言ったらいいのかな。こう……さ、遊びとかじゃなくて、軽いノリじゃなくて、その、真剣に誰かのこと好きになったことがあるかってこと」

 ……………………。
 ん~……遊びのノリじゃなくて?
 う~~~ん。

「あの、さぁ……」
「あ?」
「あんま言いたくねぇんだけど…………お前さ、もしかしてマジで初恋なんじゃねぇの? これ」
「まさかぁ」

 今さら、この歳で初恋?
 じゃあ俺の今までの21年間は何だったわけ? 今まで付き合ってきた彼女たちは?

「だってさ、例えば今まで付き合った女相手にさ、軽いヤツだって思われたくないとか、断わられたらどうしよう、みたいに悩んだこととかあるか?」
「えー?」

 基本的に女の子に声掛けるときは、断わられたら別の誰かを誘えばいいやって、気持ちだしなぁ。
 彼女にしたって、別にそう思われたからって、どうってこともない。それで愛想を尽かされたんだとしても、俺とは合わなかったんだなって思うくらいだし。
 ………………え?

「どうした? 水沼。何か思い当たったか?」
「思い、当たった……っていうか、」

 え?
 は?
 マジで?

「仲村………………俺、マジで初恋かも……」
「ぶはっ!」
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04. 卑怯な不意打ち (前編)


 あれから何度か仲村を通じて、和哉と一緒にメシを食いに行ったりした(でも仲村も含めての、3人だけど…)。

 あ、呼び方が、"深沢くん"から"和哉"にまで昇格しました!!
 和哉からも、"大樹"って呼んでもらってるわけで。

 …………でも、残念ながら、俺の力ではありません。
 俺もそう呼びたいって、密かに仲村に言ってたら、メシのときに仲村が、

『何でお前ら苗字で呼び合ってんの?』

 って言ってくれたことが切っ掛けなのです。
 あぁ……何で名前ごときで、仲村なんかの力を借りてるんでしょう、僕!
 しかもこのときも、仲村のその言葉に和哉は、

『だって、章ちゃんだって、水沼くんのこと、苗字で呼んでるじゃん』

 と、苗字で呼び合ってることに、とくに何の疑問も違和感も持っていないような返事をしてくれて。
 はぁ~……俺だけが舞い上がってるんだよなぁ。完全に独り相撲です。


 でも、でも、電話番号もメールアドレスも(何とか)聞き出して、連絡とか取り合ってんだよ。すごい進歩! 俺ってすごい!

 だいたい、今まで付き合ってきた女の子と、こんなにマメにメールとかやり取りしたことないもんね。メールが来れば一応返すけど、頻繁にメールが来ると、何かうぜぇ…って思っちゃって。
 なのに和哉からだと、もう全然そんなことない。
 でも、あんまりメールして、俺が女からのメールに思ってたように和哉にウザがられたくないから、メールしたいって思ったうちの2回に1回しかしないようにしてるんだよね。健気…。


 だけど、ここに来て、ちょっと困った問題が。
 いや、そんなに困るようなことでもないんだけど、実は俺、4月15日が誕生日なのね。もうすぐ誕生日なわけ。
 出来れば和哉と過ごしたいなぁ……なんて贅沢な悩みを抱えてしまっているのです。

 あぁ、一緒に過ごしたいだなんて、大それたことは言いません。せめて一言、『おめでとう』って言ってもらいたい!!

「ふぅ…」

 でも別に誕生日なんて教えてないし。
 今になって、『4月15日、誕生日なんだー』なんて言うのも恥ずかしいし。

「あー……もう!!」
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04. 卑怯な不意打ち (中編) -1


 4月15日。
 朝っぱらから、誕生日おめでとうメールが届く。
 だいたいが女からで(ってか、男に祝われても、嬉しくねぇー!!)、今日の夜、一緒に過ごさないか、という内容だ。
 過ごさねぇよ、お前らとなんか! 俺はもう、そういう女遊びはやんねぇの。つーか、眠いんだから、朝っぱらからメールなんか寄越すんじゃねぇ!!

 そのうるささにいい加減苛ついてきて、ケータイの電源を切ろうと思ったら、電話の着信。無視してやろうかと思ったのに、

「かっ、かっ、和哉!?」

 ビックリしすぎて、俺は携帯電話を床に落っことしてしまった。
 大丈夫、まだ生きてる。
 俺は急いで電話に出た。

「もしもし!?」

 あ、ちょっと声引っ繰り返った。

『あ、やっと出たー。おはよー、大樹。もしかして、寝てたの?』
「あー……いや、」
『ダメだよ、自分の誕生日にいつまでも寝てちゃー。グフフ』

 まったくもってかわいげのない笑い方。でもかわいい。
 ってか、あれ?

「和哉、何で俺の誕生日……」
『んふふ、章ちゃんが教えてくれたの。大樹、15日が誕生日だよーって。おめでとーv』
「あ、ありがとう…」

 あぁ、神様ありがとう。
 数日前に思い描いた俺の願いが叶いました!

『大樹、今日バイトは? 何時から?』
「今日は休み』

 誕生日にまで仕事なんかしたくないし。
 でも、いつもなら適当に空いてる女とかと過ごすけど、今年は予定なし。つーか、今までのそういう女とは、もう切っちゃってるから。

『ホント? なら何時まで空いてる?』
「え? いや、だからバイトは休み…」
『ううん、だって誕生日、彼女と約束とかしてるんでしょ? それまで空いてる?』
「えっ!?」

 いやいやいや、だからいないって、そんなの!

『あ、もしかして彼女と一緒だった? ゴメンね、邪魔しちゃって…』
「ちがっ……違うし!」
『へ?』
「今1人だし! 彼女とかいないし! つーか、今日、全然予定ないし!!」

 完全に勘違いしてる和哉に、俺は慌てて捲くし立てた。

『ふはっ……そんなに一気に喋んなくたって。ねぇ、ホントに彼女と約束してないの?』
「してないっていうか、だから、彼女自体いないから!」
『だって、この前一緒にいた子は?』
「この前って……え? いつの話?」
『ホラ……最初に会った日。大樹、彼女と一緒にいたじゃん』
「あー……」

 和哉に言われて、ようやくその女のことを思い出した。合コンで知り合った女。でも、和哉と出会って以来、1回も連絡取ってない。

『あ、もしかして、別れ……あ、あの、ゴメン!』

 余計なことを言ったと思ったのか、和哉が慌てて謝ってきた。俺にしたら、"彼女"ってほどでもなかったから、別れたとかもないんだけどね。

「いや、別にいいよ。ねぇ、それより……俺マジで予定ないけど、あの……」

 これって、もしかして、期待しちゃっていいの、かな?

『じゃあ、これから会わない?』
「あっ……ッ、えっと、」
『え? あ……やっぱ、あれだよね? せっかくの誕生日に男と一緒なんて』
「違う、そうじゃなくて! 全然いいし!!」

 まさか、和哉のほうから誘ってくれるなんて、夢にも思わなくて。
 ビックリしすぎて、俺、ベッドの上で正座だからね。

『じゃあ、これから出れる? どっかで待ち合わせて、ご飯食べに行こうよ』
「はいっ!」

 電話を切った俺は、転がるようにベッドを降りた。
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04. 卑怯な不意打ち (中編) -2


 急いで待ち合わせの場所に行くと、そこにはもう和哉がベンチに座ってて、足をプラプラさせてる。かわいー。

「お待たせ」

 後ろから肩をポンって叩くと、ビックリして和哉は肩を跳ね上げた。

「あ、大樹」
「ゴメンね、遅くなって」
「ううん」

 和哉は首を振りながら、ベンチから立ち上がった。

「ねぇ、大樹、何食べたい?」

 小首を傾げるようにして、和哉が顔を覗き込んでくる。そのたびに心拍数を跳ね上げてる俺。まずいよなー、マジで。

「大樹?」
「あー……いや、和哉の食べたいのでいいよ?」

 いつも女に言ってたようなことを言ったら、なぜか和哉が頬を膨らませた。
 あれ? 何で?

「大樹の誕生日なんだから、俺の食べたいのじゃダメだろ! もぉー」

 あぁー……何でこの子は、やることなすこと、言うこと全部がいちいちかわいいの? 何でこんなに俺のこと、メロメロにしちゃうの?

「じゃあ、パスタとかにする?」
「大樹、パスタ好きなの?」
「あぁ、うん」
「じゃあ、それにしよ!」

 フワリ笑う、和哉。
 もし和哉が彼女だったら、手とか繋いじゃうんだろうな、こういうとき。
 でも俺たちお友達だし。
 っていうか、男の子同士だし(何回も仲村に言われて、俺はやっと、自分が男が好きなホモだってことに気が付いた)。

 でもホモって、世の中じゃマイノリティらしいんですよ。
 だからいくら好きでも、外で手を繋ぐなんてもってのほかなんです!(っていうか、その前にまだ俺たち、お付き合いもしてないんですけどね!)

「どこのお店にするの?」
「え、あ…そうだなぁ」

 とりあえず、最近のお気に入りの店でいっか。あそこは味もいいし、雰囲気もいい。
 あーそういえば、仲村抜きで和哉とメシに行くなんて、もしかして初めてなんじゃねぇの?
 これって、もしかして初デート!?
 やべぇ、やべぇ、超舞い上がっちゃう!
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04. 卑怯な不意打ち (後編)


「大樹、何かすごい嬉しそうだね」
「へ?」

 パスタ屋で席に通されて、オーダーを終えたら、いきなりそんなことを言われた。いや、だってすごい嬉しいし。ってか、そんなに顔に出てたか? 俺。

「そりゃ嬉しいよ。誕生日祝ってもらってんだし」
「でも、俺だよ?」
「和哉だから嬉しいんじゃん」
「何それ。そういうの、彼女の言ってやりなよ。ってか、散々女の子に言ってきただろー」

 俺は本心で言ったのに、あっさりと躱されてしまった。
 しかも、今までの俺のことを見てきたような、そんなことまで言われて。
 やっぱ俺って、そうやって遊んでるような男に見えるのかな。いや、間違ってはいないんだけど。でももうそういう遊びはやらないって決めたし。

「いや、ホントに嬉しいよ、ありがとう」
「……いや、別に…。それよりえっと、大樹もこれで23歳だよね?」
「え? いや、22だよ?」
「えっ、嘘!?」
「ホントだって。何で疑うの?」

 マンガじゃないけど、ホントに目を真ん丸くして驚いてる和哉に、ちょっと吹き出してしまう。

「大樹って年下なの!?」
「えっ!?」

 誰より!? って、和哉より、ってことだよね? この驚き方は。

「えっと……深沢さんはいくつになるんでしょうか…?」
「……10月で23歳…」
「年上!?」

 見えねぇ!!
 1つとはいえ、とても年上には見えない!
 良くてタメ。でも絶対年下だって思ってた!!

「章ちゃんと同い年だと思ってたから、俺とも同じだって思ってた…」
「いや、俺も……」

 年下だと思ってました―――とは、何となく失礼な気がして、言えないけれど。

「そっかー。でも10月が来るまでは、おんなじ22歳だね」
「え? あ、そうだね」

 何そのかわいい発想!
 もー、いちいち俺のツボを押さえてるよね、ホント!

「あ、そうだ。これ」
「え?」

 ごそごそとカバンの中から何か取り出した和哉が、それを俺のほうに差し出してきた。

「え?」
「プレゼント、誕生日の」
「―――ッ…!!」

 神様っ…!!
 俺は夢でも見てるんじゃなかろうか…。
 何この卑怯な不意打ち。ますます好きになっちゃうじゃん!

「あ、開けちゃってもいい?」
「うん。…………どう? 何か、そういうの、似合うかなぁ……って思って」

 和哉からのプレゼント。
 上品な感じのシルバーアクセ。

「大樹?」
「俺……幸せすぎて死んじゃいそう…」
「大袈裟なヤツ。自分の誕生日に死んじゃうなよ?」

 だって、だって、誕生日に、まさか声が聞けるとも思っていなかった和哉から『おめでとう』って言ってもらって、一緒にメシ食いに行って、しかもプレゼントまで貰って……これでどうにかならなかったら、どうかしてる。

「そんなに喜んでもらえたら、俺も嬉しいけど」

 あぁ……水沼大樹、22年間生きてきて、本当に良かった!
 お母さん、産んでくれてありがとう!!
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05. 意外


「なぁ、今日どうする?」

 お客が一段落したところで、棚におにぎりを並べていた仲村が声を掛けてきた。

「は? 今日って?」
「あれ? 雅人からメール来なかった? 今日ホラ、ナースと合コン」

 あー……そういえばそんなメール来てたっけ。

「なぁ、行くだろ?」
「行かない」
「はっ!?」

 ものすごい勢いで仲村が俺のほうを向いて、何か信じられないようなものを見るかのような目で、俺のことを見てる。

「何だよ、行かねぇよ、合コンなんて」
「だって……ナースだぜ? お前、そういうの、好きじゃん」
「好きじゃねぇよ。つーか合コンなんか行くわけねぇじゃん」

 両手におにぎりを持ったまま、呆然と俺を見てる仲村。バカなこと言ってねぇで、さっさと陳列しろよ。

「お前、まさか……」
「何だよ」
「もしかしてそれって、和哉の影響…?」

 そういえば、最近、仲村なしでも和哉とメシとか行けるようになったから、あんまりコイツとの会話に和哉の話題が上らなかったよな。
 和哉がどのくらい仲村に俺と出掛けてること話してんのか知らないけど、この様子じゃ、全然話してないと見た。

「マジかよ…」

 まだ、"信じられない"って顔しながら、仲村は陳列を再開する。

「そういや、雅人が言ってた。最近、お前全然ノッてこないって。女の子の誘いも全部断わってるって」
「だって俺、一途だもん。そういうことはしないの」
「へ、へぇ……一途、ねぇ…」

 おにぎりの陳列を終えた仲村が、レジカウンターのほうにやって来る。

「な、なぁ……もうお付き合いとか、しちゃってるわけ?」
「バッ……こんなとこで聞いてくんなよ」

 いくら客がいないっつったって、店の中なのに。

「どうなんだよ」
「してねぇよ、まだお友達です。たまに一緒に出掛けたりはするけど」
「お友達の間柄なのに、合コンに行くの、差し障るわけ?」
「だって、そんなとこ行って、軽いヤツだとか思われたくないし」
「…………」

 俺の言葉がよっぽど意外だったのか、仲村は口を半開きにした間抜けな顔で俺の顔を見てる。

「俺は一途な男なんだよ」
「まさかお前の口から、そんな言葉を聞く日が来るなんて……」
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06. 仲良くなるたびに (前編)


 日増しに和哉と仲良くなってく俺だけど、出会って3か月。いまだ告白も出来ずに、とってもいいお友達関係を築いてます。
 でも今日も2人で買い物とかに来て、俺にとってはデート気分。

「ゴメンね、せっかくの休みなのに、買い物付き合わせて」

 一頻り店を見て回って、ようやく和哉の目的のものが購入できたんで、カフェに入ると、和哉が申し訳なさそうに両手を合わせた。

「別にいいって。俺は和哉に会えただけで嬉しいし」
「またそういうこと言うー」
「いや、ホントだって。嫌だったら買い物とか付き合わないから」
「ホント?」

 メニューから目線だけ上げて、和哉が俺のほうを見た。いわゆる、上目遣い。やばい、鼻血出そう。

「でもさ、それにしたって大樹、最近、休みのたびに俺と一緒にいない?」
「え? そう? あ…もしかして、迷惑だった?」
「そうじゃないけど! だってさ、休みの日に俺とばっかいたら、大樹、女の子と遊びに行ったり出来ないじゃん?」
「はい?」

 えっと……それはどういう気遣い?

「だって女の子とよく出掛けたりするんでしょ?」
「え?」
「合コン行ったりとか」
「え? え?」

 えー……っと。
 あ、その小首傾げてる姿、かわいいねー……って、そうじゃなくて!

「あの……和哉、俺のこと、そういうヤツだと、思ってた?」
「え?」

 出来るだけ和哉には、軽いヤツだって思われたくなくて、今までの生活を悔い改めたんだけど……もしかして、全部水の泡?

「あの……何か、そういうふうな、遊んでるヤツっぽい?」
「あ、そうじゃなくて! だって大樹、女の子にもてるでしょ? 彼女とか、作らないのかなって……その、あの……ゴメン…」

 焦ったように弁解したあと、和哉は視線を落とした。俺も何て言っていいか分かんなくて、黙っちゃって、何となく気まずいような空気。
 そしたら、

「ご注文はお決まりですかー?」

 って、ムダに明るいウェイトレスの声が響いて、和哉がビックリしたように顔を上げた。

「あ、えっと……」
「コーヒー2つと、このホワイトシフォンケーキ1つ」

 和哉の手からメニューを奪い取って、俺はさっさと注文した。もちろんシフォンケーキは和哉用。こういう甘いものが好きなの、ちゃんと知ってるから。
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06. 仲良くなるたびに (後編)


「……ゴメン」

 ウェイトレスが立ち去ると、和哉がもう1回謝ってきた。

「別に謝んなくても、」
「だって大樹、嫌な思いしたでしょ? ホントにゴメン」
「いいってば。平気」

 だって今までずっとそうだったんだもん。この3か月だけが、今までと違うだけ。和哉と会ってからの、3か月。

「別に大樹のこと、そういうふうには思ってないよ。ホラ、普通はさ、男と遊びに行くより女の子のほうがいいのかなって。合コンとかも……章ちゃんがたまに行くから、その…」

 気にしてないって言ってるのに、必死に捲くし立てる和哉が、何かかわいいな。

「気にしてないから。つーかあのハゲ、合コン行ったとか、そういうの和哉に話すの?」
「んー……ご飯食べに行こーって誘うと、時々合コンだからって断わられる」
「へぇ…和哉、一緒に行かないんだ?」
「……俺、そういうの、苦手だから。人見知りするし」

 和哉グラスの水を氷ごと口に含んで、子供みたいに氷をガリガリと噛み砕いた。

「大樹は行ったことある?」
「え……あ、あー…」

 まさかそういうふうに話を振って来られるとは思ってなくて、ちょっと言葉に詰まる。
 今はもう行かないけど、"行ったことがある"かどうかを聞かれれば、"yes"と答えるほかない。でも合コンなんか行く男、軽いって思われちゃうかな?

「大樹?」
「あ、その……ないことも、ない」

 って、何言ってんだ?
 和哉もちょっとキョトンってなってる。それから小さく吹き出して。

「ないこともない、って、あるってことじゃないの?」
「……そうです」

 嘘ついたって、どうせいつかはバレるんだ。しょうがないけど、ここは認めるしかない。

「でも最近はもう行かないから! そういうのはやめたの!」
「そうなの? あぁ、大樹、そういうの行かなくても、モテそうだもんね」

 いやいやいやいや、そうじゃなくて!
 和哉、お前のことを好きになったから、やめたんです!! …………言えないけど。

「…………どうでもいいヤツにモテたってしょうがないよ、ホントに好きなヤツに振り向いてもらえないなら」
「大樹、好きな子……いるの?」
「あー……まぁ。…………和哉は?」
「………………俺は……」
「お待たせしましたー」

 和哉が口を開き掛けたところで、オーダーしてたコーヒーとシフォンケーキがやって来て、話が中断してしまう。ウエイトレスが完全に離れて行ったところで和哉に視線を向けると、困ったように肩を竦めてから、コーヒーに口を付けた―――途端。

「うぇっ…」

 ものすごく嫌そうに顔を顰めた。え? まずい?

「苦い…」
「あぁ、」

 砂糖もミルクも、何にも入れてないもんね。
 自分が悪いくせに、むぅっとしてる和哉に、スティックシュガーとミルクのポーションを渡す。

「ありがと」

 よほど苦いのが嫌だったんだろう、わざわざ和哉は水を飲んでから、砂糖とミルクをカップに入れた。

「ねぇ、和哉」
「ん?」

 口直しとばかりに、クリームがたっぷり乗ったシフォンケーキを頬張る和哉に声を掛けると、フォークを口に銜えたまま顔を上げた。

「さっきの話、さぁ……」
「え?」
「好きなヤツの、話」
「俺のそんな話…………聞いてどうすんの?」

 少し困ったように、和哉は目を伏せる。

「いや、その…」
「……俺は………………きっともう、誰も好きにならない」
「えっ?」

 思い掛けない言葉に、ドキッとする。

「何で、って…………聞いてもいいの?」
「…………何でっていうか、大した理由じゃないよ。昔ちょっと嫌なことがあって。だからもう…………誰も、好きにはならない」

 はっきりとそう言って、和哉はシフォンケーキにぶすりとフォークを突き立てた。
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07. こらえきれない想い


『もう、誰も好きにならない』

 それ一体どういう意味なのか、バカな俺は、3日考えても、まだ分からないでいた。





 何となく、和哉に連絡を取れないでいる。
 別に恋人同士になったわけでもないし、メール好きな女の子じゃあるまいし、男同士でそう頻繁にメールのやり取りなんかするもんじゃないけれど、おそらく頻度としては、今までの半分以下。
 今までだって、変に思われたら困るから、メールしたいって思っても、半分くらいは我慢してた。だから気持ち的には、半分の半分もメールしてないわけ。

 意味はないです。
 メールしないことに。
 何となく。

 和哉と話とかしたら、絶対にあの言葉の続きを聞きたくなるから。




 何で、もう誰も好きにならないわけ?
 何で?
 何で?
 何で?

 俺の知らない、昔のこと、今も引き摺ってるの?




 でも聞けない。
 聞かない。





「好きだ…」

 なのに。

『もう、誰も好きにならない』





 もしかして俺、告白する前に、振られちゃったのかなぁ……俺。







 でも。
 それでも好きだなんて…………やっぱり俺、バカだなぁ。
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08. 特別な日 (前編)


 あの日の和哉の言葉をまったく意識してないって言ったら嘘だけど、でもだからって、それが和哉と会わなくなる理由にはならない。
 別にお付き合いをしてるわけでもないし。

 現に今日も、和哉とご飯を食べに行く約束をしています。
 きっと、あのときの言葉は、和哉にとっては聞き流されてもいいような、むしろ聞き流してくれたほうがいいような、そんな言葉だったんだろう。
 今日までにも何度か会ってるし、メールもやり取りしてるけど、そのことが話題に上ることもない。

 意識してるのは、俺だけか…。
 そりゃそうだよな。
 俺は和哉のことを恋愛対象で見てるけど、向こうは別にそんなわけでもないんだし。

「切ないよなぁ…」

 今まで何人も女の子とは付き合ってきたけど、こんな気持ち、初めてだよ。




***

 バイトが終わる時刻が近付いて、何となく時計を気にしてると、自動ドアの開く音。
 俺は反射的に、「いらっしゃいませ」と言いかけて、入ってきたのが和哉と気付き、一瞬口篭ってしまった。

「ゴメン、来ちゃった」

 和哉は笑いながら肩を竦めた。

「もうすぐ終わるよ。あと10分ぐらい」
「待ってる。あ、今日章ちゃんは? いないの?」
「今日は休み。何か用があった?」
「ううん、聞いただけ。本、読んでてもいい?」

 本?
 あぁ、立ち読みしたいってことね。店的にはあんまり嬉しくないけど、まぁいっか。
 でも俺が『いいよ』って言うより先に、

「あ、でもアイス買おー」

 言うが早いか、和哉はアイスのショーケースに張り付いていた。

「え? このあとメシ食うのに、先にアイス食うの?」

 思わず苦笑い。
 でも和哉はショーケースを覗き込みながら、迷ってウンウン唸ってる。
 決まった? 俺、もう上がっちゃうよ? 交替のバイトさん来たし。おーい、和哉。

「これ!」

 お気に召したアイスが見つかったのか、和哉が1つ取り出してレジのほうにやって来た。いつもどおりの手順で俺がレジをしてると、なぜか和哉がクスクス笑ってる。

「ん? 何?」

 思わず俺も笑っちゃう。
 だって、レジしてるだけなのに、何で俺、笑われてんの?

「何か、大樹が仕事してるーって思って。変なのー」
「何でだよ。はい、100円になりまーす」
「クフフ…はい」

 まだ笑いながら、和哉が100円玉を差し出してきた。

「ッ、」

 それを受け取ろうとした瞬間、和哉と手が触れて、思わずドキッとなった。
 別に、手くらい。
 手を繋いで歩いたことがあるわけじゃないけど、何気なく手とか、体とかに触れたこと、何度もある。なのに、何で今さらドキ?
 乙女か、俺は。

「じゃあ、外で待ってるね」

 アイスとレシートを受け取った和哉が店を出て行って、俺はホッと息をつく。
 今さら、緊張することじゃないのに。
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08. 特別な日 (中編)


 昼に食いに行くと、だいたいパスタが中心だから、今日は和食系。
 別に飲みたい気分ってわけでもなかったけど、何となくビールを頼もうとしたら、向かいの席で和哉がものすごいぶすくれた顔をしてた。

「何でそんな顔?」
「俺も飲みたい」

 始まった…。
 和哉は、自分でも弱いって自覚してるくせに、人がアルコール類を頼むと、どうしても自分も飲みたくなるらしい。

「ダメだって。また潰れちゃうだろ? 今日は仲村もいないし、和哉が潰れたら、誰が家まで連れてくの?」
「大樹」
「和哉の家、知らないし」
「むぅ…」
「じゃあ、俺もウーロン茶にするから」

 まだ納得してないって顔の和哉を無視して、さっさとウーロン茶を2つ頼む。
 いや、前のときみたいに、ふにゃふにゃになった和哉もかわいいけど、仲村もいないこの状況で潰れられても、マジで困るから。

「何か最近、大樹、章ちゃんに似てきた」

 運ばれてきたウーロン茶と引き換えに、軽く料理を注文したあと、店員が下がったのを見届けて、和哉がそう言ってきた。

「仲村と~? 勘弁してよ。どこが?」
「何か、お母さんみたいだもん」
「おかあ…」

 あぁ、確かに仲村って、ちょっと保護者的なとこあるよな。面倒見いいし。
 だからって、その仲村のお母さん的な部分と俺が似てるだなんて…………冗談でも勘弁してほしい。

「あのね、和哉くん」
「何でしょう」
「俺としては、君のお母さん的立場を目指してるわけじゃないんですが…」
「そうだよね。お母さんは章ちゃん1人で十分だよね」

 いや……仲村も除いて、ホントのお母さん1人で十分なんじゃないでしょうか?

「お母さんじゃないなら……んー…お兄ちゃん?」
「和哉のほうが、年上でしょ」
「あ、そっか」

 仲良くなるにつれて気が付いた、和哉の『天然』な部分。嫌いじゃなくて、むしろかわいいとか思っちゃってますが。計算高い女のそれとは違う。
 でも、家族内のポジションにたとえられるのが、ちょっと悲しい。

「んー……でも、お父さんって感じじゃないし」
「だから、家族の一員にすんなって」
「じゃあ、やっぱ友達かなぁ」
「……………………」
「大樹?」

 軽くショックです。
 いや、"友達"ってポジション、別に間違っちゃいないけど。改めて和哉に言われると、結構ショック。
 片思いって、切ないね。
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08. 特別な日 (後編)


「でも、友達にしちゃ会いすぎかな? 俺最近、絶対章ちゃんより大樹にいっぱい会ってると思う」
「……そう?」
「うん。だってさ、たまにメールの着信、大樹しかない日とかある」
「俺、そんなにメールしてる?」

 一応、思ってるのの半分くらいしかしてないつもりなんだけどな。

「してるよ。だって、履歴とか見ると、ずーっと大樹の名前だもん。大樹ばっか」

 言いながら和哉はクスクス笑ってるけど、それって、1歩間違えたらストーカーだよな、俺。

「……でも、嬉しいけどね」
「え?」
「あ、いや…」

 和哉はパッと目を逸らして、ウーロン茶に口を付けた。

「和哉、」
「え? あ、えっと、」
「俺は、友達ってポジション、ヤダ」
「は? え?」
「ヤダ……」

 やべぇ……何か頭の中、いっぱいいっぱいだ。好き過ぎて、駆け引きも出来ない。
 思わず頭を抱えた。

「大樹、どうしたの? ウーロン茶で酔っ払っちゃった?」

 和哉がわざと明るい声を出してるのが分かる。
 マジでウーロン茶で酔っ払ったか?

「あのね、和哉」

 重い頭を起こす。

「好き、なんだ」
「え?」
「和哉のこと」
「え?」

 目の前で、和哉が固まってる。
 そりゃそうだよな。男が男に告ってんだから。
 つーか、ここ、居酒屋だぜ? ムードないにもほどがあるよ。

「じ、ん…?」
「あ……ワリィ」
「え?」
「そんな顔すんなよ、冗談だって」

 そんな顔って……俺のほうこそ、どんな顔してんだろう。
 ちゃんとうまく笑えてんのか?

「…………あ、うん…」

 和哉は頷いて、そのまま視線を落とした。
 …………バカだ、俺。
 何勢いに任せて、告っちゃってんだ? しかもそれを、冗談ってことで済ませようとしてる。
 いいのか? このままで。

「冗談、なんだよね?」

 和哉と目が合う。
 ジワリ。
 胸の奥が、焼け付くような、嫌な感じ。

「―――あぁ、冗談だよ」



 …………和哉と出会って、一番の最悪な日。
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09. ようやく笑った (前編)


「お前……どうしたの? その顔…」

 翌日、バイト先で仲村と会って、開口一番、このセリフ。

「何が?」
「ひでぇ顔してる。鏡見てねぇの? つーか、そんなんでよく接客業やってられるよな」
「…………」

 普段穏やかな仲村が、ここまで言ってくるって、相当珍しい。
 そんなにひどい顔、してるかな。

「お前―――和哉に何言ったの?」
「―――え?」
「何言ったって聞いてんだよっ!!」

 ガタンッ!!

 一瞬、何が起こったのか、分からなかった。

 うるさい音がスタッフルームに響いて、背中に感じる痛み。首元がやけに苦しくて。
 ようやく俺は、仲村に胸倉を掴み上げられ、背中をロッカーにぶつけたことに気が付いた。
 苦しいのと痛いのとわけ分かんないので、俺はその手を振り解くことも出来ない。

「なかむ…」
「このまま……和哉のこと傷付けたままにしたら、絶対許さないからなっ…!!」

 ……………………。
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09. ようやく笑った (中編) -1


 勢いに任せた俺の告白は、冗談ってことで無理やり片を付けて。
『だって俺たち、男同士じゃん』
 とか、今さらなことを言ったら、和哉は視線を落としたまま、小さく頷いた。
 最悪な日。



「……何で、冗談、とか言ったんだよ」

 バイトが終わって、無理やり仲村の家に連れて来られて。静まり返った室内。1人暮らし用の小さいテーブルを挟んで、向かいの仲村が口火を切った。
 仲村の言葉は、どう考えても、昨日の俺と和哉の話の延長。昨日、店を出て別れた後、きっと和哉は仲村のところへ行ったんだろう。

「お前、和哉のこと、好きじゃなかったのかよ?」
「好きだよ!」
「じゃあ何で!?」
「あんな形で言うつもりじゃなかったし! あんな場所で、あんなふうに言ったって、本気にされねぇじゃん! それに…………男、だし」

 俺も仲村に言われるまで分かってなかったけど、俺も和哉も男なんだ。男が男を好きになっちゃったんだ。それって、世間じゃやっぱ普通じゃないっぽい。キモイとか言われちゃうんだ。

「やっぱ水沼、女のほうがいいんだろ?」

 少しの沈黙の後、仲村がそう言った。

「別にそういうわけじゃ…」
「もう和哉には会うなよ」
「ヤダ!」

 嫌だ。
 昨日和哉を傷付けたのは、バカな俺だって分かる。
 でも"もう会うな"なんて、いくら幼馴染みだからって、仲村に指図されたくない。

「お前は、和哉のこと好きだとか何とか抜かしておいて、全然あいつの気持ち、分かってねぇじゃん」
「昨日のことは謝るよ、ちゃんと!」
「そうじゃねぇよ! あいつはお前のことっ…………」


 ガチャリ。



 まるで出来の悪いドラマみたいだ。
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09. ようやく笑った (中編) -2


 仲村が言い掛けたその瞬間、玄関のドアが開いて。

 小さなボロアパート。
 ドアを開ければ、中まで丸見えだ。
 玄関のほうを向いた俺の目に飛び込んできたのは、昨日、最悪な別れ方をしたばかりの和哉の姿。

「あ…」

 ドアノブを掴んだまま、和哉は固まっていた。

「かず…」

 俺の姿を認識した和哉は、手に提げていたコンビニの袋をドサリと落として、一目散に駆け出していた。

「待っ……和哉!」

 俺は、自分でもビックリするぐらいの俊敏さで、和哉を追い掛けていた。背後で仲村が何か言ってる。分かんない。

「待てよっ!!」

 外の階段を下りようとしたそれより早く、和哉の腕を掴んで引き寄せる。

「離せっ! バカ!! 離せよっ!!」

 会ってから1度も聞いたことのない、乱暴な口調。掴んだ腕を振り解こうとする力は、男のそれだ。

「離せよっ!」
「ヤダ!」

 俺は力任せに和哉の腕を引っ張る。いっそこのまま抱き締めてしまいたかった。
 どのくらいそんなやり取りをしていたのか、

「おい、和哉、水沼!」

 俺たちの攻防を止めたのは、仲村だった。

「……近所迷惑になるだろ。部屋に戻れよ」
「ヤダ…」

 和哉は目を潤ませながら俯いた。

「いいから、おいで。それに水沼、お前、靴履いてないから」
「え?」

 言われて俺は、自分が靴下のまま外に出てきてしまっていることを知った。

「和哉、おいで」
「ヤ、ダ…」

 仲村に俺が掴んでるのと反対側の腕を掴まれて、和哉は戸惑ったように仲村を見たが、結局部屋へと歩き出した。
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09. ようやく笑った (中編) -3


 玄関のところに落ちたままのコンビニの袋を仲村が拾って、先に中に入る。和哉は俺を見ないまま、仲村の後に続いた。

 俺は中に入ったほうがいいのかどうか迷ったけれど、出て行くにしたって、靴を履かないわけにはいかないから、とりあえず玄関に入った。

 当たり前だけど、気まずい空気だ。

「―――…………大樹、来てるって知らなかったから、2個しか買ってこなかったよ……プリン」

 仲村の手からコンビニの袋を取って、和哉が中を広げて見せた。

「食べる? あ…落としちゃったから、崩れてるかな?」

 分かっていて、その話題から避けるように、和哉はいつもよりも饒舌になってる。

「和哉、」
「あ、いる?」
「プリンはいいから」
「………何か……怖いよ、2人とも。すごい顔してる…」

 困ったように眉を下げ、和哉は俺と仲村に交互に視線を向けた。

「和哉、昨日は…」

 仲村がいたって、構わない。
 とにかく一言、謝りたくて。
 でも。

「……あれは、冗談、なんでしょ? もういいじゃん、それで」
「冗談なんかじゃ、」
「やめてよ、もうっ! もうヤダよっ!!」

 叫ぶようにそう言って、和哉はボロボロと泣き出してしまった。俺は慌てて和哉のほうに腕を伸ばしたけれど、それより先に仲村が手を差し出した。

「も…ヤダ……」

 和哉はゴシゴシと涙を拭って、仲村の手から離れた。

「お願い、だから……もう俺のこと、ほっといて……」
「………………」
「ゴメ……もう帰る…」

 伸ばし掛けてた俺の手も振り払って、和哉は部屋を出ていった。追い掛けようとして、仲村に止められる。

「何す…」
「お前が追い掛けたって、」
「…………」

 何でこうなるんだ。
 やっぱり、愛だの恋だの、そんなの面倒臭いだけのものだったのか?
 ダメだ、わけ分かんねぇ。

「和哉は、」
「何だよ」




「和哉は、お前のこと、好きだったんだよ」





「え?」
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09. ようやく笑った (中編) -4


「和哉は、お前のこと、好きだったんだよ」

 忌々しく、閉じた玄関のドアを見ていた俺に届いた、思い掛けない仲村の言葉。振り返れば、俺よりもさらに苛立たしげな表情の、仲村。

「…………俺、バイトでお前と一緒にいて、一応お前の性格っつーか、女の子好きなこととか、わりと遊んでるのとか知ってたから言わなかったけど、」
「ちょっと待てよ、和哉がって、だって…」
「……和哉、ゲイなんだ」
「え? は?」

 ゲイって……えっと、だから、男だけど男のことが好きだってことだろ?
 え? 和哉がゲイ?

「でもお前はノン気じゃん? 和哉、昔、ノン気の男と付き合ってツライ思いしてるから…」

 あ。
 ふと、思い出した、あの日の和哉の言葉。
 もう誰も好きにならないって言ったのは、それが原因?

 俺も最初からゲイだったわけじゃない、どっちかっていうとタチ悪いくらい女好きだったわけで。
 和哉にしたら、そのときの二の舞になるかもって、思った?

「だから俺も言えなかったんだよ。お前にも、和哉にも」

 あぁ……何て俺は愚かなんだろう。
 仲村の言うとおり、俺は全然和哉の気持ちを分かってやろうとしてなかった。自分のこの感情を持て余すばかりで。

 俺が和哉のちょっとした一言に一喜一憂してたみたいに、和哉も心を動かされてた? 嬉しかった? 悲しかった? 切なかった?



「…………もう俺に、望みはないのかな?」
「知るかよ。お前次第だろ? でもこれ以上和哉のこと傷付けるんだったら、お前のことぶっ飛ばしたって、会いに行かせない」
「仲村……ゴメン」
「俺に謝ってどうすんだよ。早く行けよ、もう!」

 仲村が和哉の家の場所を教えてくれて、俺はもう1回だけ謝ると、仲村の家を出て、とりあえず駅のほうへと向かう。
 和哉が出て行ってからそんなに経ってないから、まだ遠くには行ってないと思うけど、でもこれで向かった方向が逆なら見つけられないよな…。

 和哉は帰るって言ったけど、ホントにもう家に帰ったかどうかなんて、分かんないし。
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