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2008.07.01 (Tue)

7. 空気と言うには濃いけれど、 (中編)

「どうした?」

 情けない顔で風呂場から戻って来た哲也に声を掛ける。

「ダメだ……パンツ忘れて来た…」
「はぁ?」

 パンツ?
 パンツって……下着のほうの?

「ちょっ…取り行ってくるね?」
「はっ!? 取りにって……どこまで行く気!?」
「店! 荷物ん中にしまったままだった!」
「店て…」

 ここから結構距離あるだろ?
 パンツ1枚のために、そこまで戻るんかい。
 ホントおもしろいヤツ…。

「……何笑ってんの? 俺、すっげぇ困ってんのに…」
「いや……パンツくらい、貸すよ? 新品のあるし」
「え……でも…」
「あ、何? パンツにそんなこだわりあんの? 俺の、普通のだけど、ダメ?」
「いや、こだわりはないけど! ホントにいいの? あぁー……俺、もうホント、何から何までお世話になってる……ホントにゴメンな…」

 哲也は、まさに"シュン…"って言葉がピッタリくるぐらい、しょんぼりと項垂れてしまった。

「別にパンツくらいいいって。てか、極端なヤツだなぁ」
「何が?」
「今からそこのコンビニ行って買ってくるって言うならまだしも、店までパンツ取り行ってくるって……どんだけパンツに思い入れあるんだ! って思うじゃん」
「思い入れはないけど! だってノーパンってわけにいかないじゃんか!」
「そりゃそうだ」

 いくら男同士だって言っても、すっぽんぽんで家ん中ウロウロされても困るしな。
 ホント、風呂入るだけなのに、何でこんな爆笑しなきゃなんないんだろ。

 タンスから新しいパンツと、ついでにタオルも出して哲也に放る。

「ありがとう。後で洗って返すね!」
「返さなくていいわ、そんなもん!」

 何で人が1回穿いたパンツ、洗って返されないといけないんだよ。
 ダメだ、おもろすぎる。アイツの思考回路、どうなってんだ…。



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