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2008.07.05 (Sat)

8. 結局、ただの、(あるものねだりだ。) (後編)

「…………」

 哲也がポカンと、でもどっちかって言うと、呆れたような顔で俺のことを見てる。
 何て言うかな……俺、一緒にいるヤツが何かしてても、あんまりそういうの気にならないんだよね。
 たとえば寝ようとしてんのに、テレビ点けっ放しにされてても、平気で寝れるし。
 あ、でもメシ食うの邪魔されると、嫌かも。

「貴久って、めっちゃマイペースなんだね」
「そうか?」
「自覚ないの?」

 哲也はますます呆れ顔になる。

「目の前で今まさにホームレスになろうかとしてるヤツ、ほっとけるほど薄情なヤツじゃないけど、俺」
「ホームッ……ホームレスじゃないよ!」
「じゃないことないだろ、宿なしなんだから」
「ッ…!」

 その先の言葉が思い付かないのか、哲也は金魚みたいに口をパクパクさせてる。

「まぁいいや。好きにしろよ」

 そんな哲也を放って、俺はメシの続き。
 だって早くしないと、仕事に遅れる。

「貴久…………ホントにいいの…?」
「あ?」
「今日も……泊まっていいの?」
「ちゃんと自分のパンツ持って来いよ?」
「持って来るわ!」
「てか、めんどいから、荷物みんな持って来いよ」
「え?」
「もうめんどいんだよ。次の宿が見っかるまで、ここにいたらいいじゃん」

 面倒臭いのは嫌い。
 物事を深く考えるのも。
 それでも今まで無事に生きて来れたんだから、俺の直感も、行動も捨てたもんじゃない。

 …………たぶんきっと。



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09:26  |  アスファルトで溺死。  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
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