恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

2008年10月

DATE

  • 2008.10.04(土)
  • lips
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愛すことよりずっとカンタン (突き放してしまえば楽なのに)


 もしかしたら、離れられなくなったのは、俺のほうなのかもしれない。








 …………あぁ、神様。








愛 す こ と よ り ず っ と カ ン タ ン

 ( 突 き 放 し て し ま え ば 楽 な の に )









 シンからその想いを告げられたとき、ただ漠然と、(あぁ、やっぱり…)と思った。
 不思議と、驚きも嫌悪感もなかった。

 長い付き合い。
 彼が俺のことをどんなふうに見ているのかは、何となく分かっていたから。
 それでも敢えてそのことに触れずに来たのは、やはりシンとのこの関係、この距離を失いたくなかったからだと思う。

 けれどその微妙すぎる距離感も、そうすれば今までのようにはいられないことを知っていながら、シンは俺に自分の思いを告げてきた。
 俺に、好きだと言った。
 友達とか、そういうことでなくて、と付け加えた。要するに、LIKEではなく、LOVEなのだと。

 シンが、どんな気持ちで俺に告白したのかは分からない。俺から、どんな言葉が欲しかったのか。
 俺に彼女がいることは、だって知っていたはずだから。
 それでも。男同士という、ただでさえ危うい想いであるにもかかわらず、それでもシンは俺に、想いを告げてきたのだ。

『俺、彼女いるけど、それで良ければ』

 我ながら、何てひどい言葉だと思った。
 何て残酷。

 彼女がいるから、付き合えない。
 シンのことを、そういうふうには見れない。

 いくらでも断る口実はあったのに。

 けれど、ずるくて弱い俺は、シンとの距離が離れるのを怖がって、そんな言葉を吐き出した。








*****


 仕事が終わって、飯を食って、そのままホテルに直行。
 即物的。
 でもそれでいい。
 俺とシンの関係は、それでいい。

「…ん、分かったって。今度、付き合ってやるから」

 汗ばんだ体を離して、息を整えて。
 シャワーでも浴びるか? なんて話してたら、俺の携帯電話が音を立てた。
 出るのも面倒臭くてほっとこうと思ったら、電話にまめなシンが出たほうがいいとか言い出すから、渋々携帯電話に手を伸ばしたら、彼女。
 先日、仕事のせいでドタキャンしたデートの埋め合わせをしろと言うのだ。彼女の言い分も分かるから、一応OKして、電話を切る。今は忙しいから、いつになるか分かんないけど。
 あ、でも、シンとセックスする時間はあるのか。

 携帯電話をカバンのほうへ放ると、シンがモゾモゾ動いて体を寄せて来るから、俺はその筋肉質な体を抱き寄せた。
 小さいけど、決して華奢ではない。肩幅はあるし、胸板とかも結構厚いし。女の子の、彼女の体とは、全然違う。
 でも、抱き心地は悪くない。

「……彼女と、出掛けんの?」

 腕の中のシンが問い掛けて来た。
 さっきの電話の内容を聞いてのことだろう。別に聞かれて困るもんでもないから、いいんだけど。

「あぁ、今度な」
「ラブラブじゃん」

 今、シンはどんな顔してんだろ。
 好きだと想いを告げた相手と体を重ねた後、俺と彼女の電話を聞いて、そしてそんなセリフを吐くなんて。

「んー? もうそんな雰囲気じゃないけど。腐れ縁っていうか…………別にそれほど深い愛情があるってわけじゃないんだけど、」

 いったん、言葉を切る。
 シンの柔らかな金髪を混ぜるように撫でて。

「でも、離れられんないの。これってやっぱ、好きってことなんだろうなぁ」

 たぶん、そういうことなんだと思う。

 離れられないんだ。
 シンの気持ちを、痛いほど感じているのに。

 …………ひどい男、本当に。

「なぁタケル」
「ん?」
「もっかいしよ?」

 シンは俺の腕を解くと、俺の体をベッドに押し倒した。何かのスイッチが入ったのか、妙にやらしい顔をしながら、シンは俺の腹を跨ぐ。
 思わず口の端が上がってしまった。

「シンが上になってくれんの?」

 シンの腰を支えながら、その滑らかな肌を撫でると、甘い吐息が漏れる。

「ん…いいよ……」

 煽るような仕草で、腰を押し付けてくるシンに、溺れた。

 きっと、好きなんだ。
 体だけの関係だとしても、ひどい男だと思われたとしても、いつか愛想を尽かされてしまうとしても。
 手放すのが怖い。離れてしまうのが怖い。

 最後までひどい男を演じ続けなければならない。
 好きだと告げれば、きっとどこまでも堕ちていくから。





 楽になる術は知っているのに―――――突き放すことも、繋ぎとめることも出来ない。









← 叶わないと知っている (だから、だからきっと)
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おはようのキス


 あー、ありえねぇ、ありえねぇ。
 別に俺たち童貞ってわけでもないし、それなりに女の子とは経験してっけどさ、男同士は初めてなわけじゃん? 仮にも恋人同士になって、初めてのエッチして迎えた朝でしょ?
 なのに、なーんだって、こんなにグースカ寝てられるんでしょうねぇ、夏衣(カイ)くんは。
 俺的にはさぁ、もっとこうロマンチックな感じの朝を期待してたんですが。

(口、開いてるよ)

 ふにふにと、夏衣のホッペを突付いてみる。
 寝起きの悪さは天下一品の夏衣くん。こんなことくらいじゃ起きません。

「夏衣くーん、朝だよー」

 むにー。
 両方の頬を引っ張ってみる。あんま強く引っ張って、せっかくのキレイな顔を台無しにしてもいけないんで、そこそこ手加減はしてますが。

「ん…んんー……」

 起きるかな?

「おーい、かーい」
「んぁ……いらい…」

 俺が頬を引っ張っちゃってるせいで、「痛い」って言えてない。
 舌足らずな言い方が、うん、かわいい。

「リキ…?」
「おはよ」
「…………なんれ、ほっぺ…」

 段々と意識がハッキリして来たのか、俺がホッペをムニッてしてるのが、やっと分かったみたい。
 でも、何でってことが分かんないのか(当たり前だけど)、すっごいきょとんとした顔してる。

「だって夏衣が起きないんだもん」
「もぉ起きらー」
「はいはい」

 俺はようやく夏衣のホッペから手を放してあげる。
 たいして強く抓んでたわけでもないのに、夏衣は両手で自分のホッペをさすって、むくれたように唇を突き出してる。

「リキ、ひどい。寝てる人間に意地悪するなんて」
「夏衣がいつまでも寝てるからでしょ?」
「まだ起きなくてもいい時間なのに」
「ダメ、もう起きるの」
「いやぁ。まだ寝る」

 もそもそと毛布の中に戻ろうとする夏衣の脇に手を入れ、グイと自分のほうに引き寄せる。

「やぁだ、リキぃ…」

 眠いのか、子供みたいにぐずってる夏衣が、何かかわいい。

「もう起きよ? ご飯作ったげるから」
「ん゛ー……」

 お、ちょっと考えてる。
 現金な子。まぁいっか。

「そうだなぁ、あと…………今起きるなら、おはようのチュウもしたげるよ?」
「…………ホント?」
「だからもう起きて?」

 ちょこんと毛布から顔を出す夏衣。
 あーホント、どこまで俺をメロメロにすれば気が済むの?

「起きた。リキ、チュウ」
「はいはい」

 かわいいかわいい夏衣をキュウって抱き締めて、約束どおり、おはようのチュウ。
 あぁホント、これだから夏衣のことますます好きになっちゃうんだよね。
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きみはまぶしいひかり


「ねぇー」

 ドカッ。
 テーブルに向かってる俺の背中に、柚希(ユズキ)の足の裏攻撃。

「ねーってばぁー」

 ドンッ。
 ドタンッ。

「だー!! やめろ柚希!」

 我慢できずに振り返れば、俺の背中に両足を預けてた柚希が、そのまま床に転がった。

「……痛い…」

 床にペタンと突っ伏したまま、柚希が恨めしげな視線を向けてくる。

「柚希、お願いだから邪魔しないで。ね?」
「だーって暇なんだもん、尚哉(ナオヤ)が勉強ばっかしてるから」
「しょうがねぇだろ、俺だって好きでしてんじゃねぇや!」

 まだウダウダ言ってる柚希を無視して、俺はまたテーブルに向かう。
 ノートとテキスト……頭痛くなりそう。

「尚哉のバカー。追試と俺と、どっちが大事なの!?」
「はいー!? それって比べるもんじゃなくね!?」

 だいたいいっつも柚希が甘えてくるから、ついついそれに乗っかっちゃって、勉強が疎かになっちゃってんだよね。
 その結果がこの追試。
 点数悪けりゃ、留年もありだって。オーマイガ!

「いーじゃん、留年すれば」
「何でだよ!」
「そうすりゃ同級生になれるのに」
「冗談じゃねぇ」

 他人事みたいにそう言って、柚希が俺の背中に張り付いてくる。

「ゆーずーき、お願いだから」
「んー」
「なぁ、邪魔しないでくれよ、頼むから」
「邪魔!? 俺、邪魔なの!?」

 ものすごい勢いで俺から離れた柚希が、今度は前に回って俺の顔を覗き込んでくる。
 う…かわいい…。

「なおや?」
「邪魔じゃない、邪魔じゃないって。よしよし」

 思わずキュウッと柚希を抱き締めてしまって。

「なおやー! 好き好き!!」
「俺もー!」

 …て、こんなことしてる場合じゃっ…。
 あーあ、こりゃホントに、柚希の同級生になることも覚悟しとかなきゃ、か?
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lips


 見た目麗しく、陰で女の子に「王子様」なんて呼ばれているのを、本人は知っているのかいないのか、けれど風呂上りに氷いっぱいのコーラを飲んでは、「はぁ~」とか言って息をついている圭祐の姿は、どう見ても王子様ではない、ただのオッサンだ。
 充はペタンと床に座った状態で、ローテーブルに置いた両腕に頭を乗せたまま、ジッとそんな圭祐を見つめている。

「ん?」

 その視線に気付いたのか、圭祐はグラスから口を離し、チラッと充を見た。

「氷、多くね?」
「これ? ちょうどいいって」
「薄まるじゃん。うまいの?」
「うまい。充も飲む?」
「今はいい」

 そう断わると、充は目を閉じた。眠いのだろうか。静かにグラスを置いた圭祐は、柔らかい髪に指を滑らせる。

「…ん、くすぐっ…」

 くすぐったさから、充は目を閉じたまま首を竦めた。けれど圭祐のいたずらは止まない。そのまま顎のラインを辿り、耳元へと行く。

「やめろって、くすぐってぇよ」
「何が?」
「惚けやがって」

 薄く目を開けた充が圭祐を睨んだが、いつもの鋭い視線と違って、眠気を含んだそれは、少しも怖くはない。

「かわいいな、お前」
「寝ぼけたこと言ってんじゃねぇ」

 充は、かわいいと言われるのを、結構嫌がる。目指してるのは"かわいさ"ではなく、"かっこよさ"なのだ。
 けれど圭祐にしてみれば、そんなふうに言ってること自体が、かわいくてかわいくて仕方がないのだけれど。
 圭祐はグラスの中の氷を1つ口に含むと、ガリガリと噛み砕いていく。

「ガキ」

 その様子に、ポツリと充が言った。

「さっきはオッサンみてぇだったのにな」

 風呂から上がった直後のことを言っているのだろう、充はニヤニヤしている。

「そういうギャップがいいんじゃん」
「自分で言うなよ」

 べたなボケが案外、充のツボだ。うひゃひゃひゃと、独特の笑い声を響かせる。圭祐はテーブルに突っ伏している充の体を引き寄せ、腕の中に収めてキスをする。

「冷て」
「ん? 何、充」
「お前の唇、冷てぇよ」

 氷のせいで冷たくなった圭祐の唇。充は自分からそれに自分の唇を重ねた。

「あっためてやろっか?」
「―――――、」

 思い掛けない充からのお誘いにキョトンとしていた圭祐だったが、その意味を悟ると、すぐに口元を緩ませた。

「お願いします」

 グラスを置いた手を、今度は充の背中に回す。
 うん、やっぱりコーラは、氷たっぷりが一番だなとか、充にまたオッサンとか言われそうなことを思いながら、今度は充を堪能するのだった。
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stray love


「んー……ぅうん…」

 猫が喉を鳴らすような甘ったるい声を出して、郁哉が丸くなったのは和沙のベッドの上。
 その声にギョッとして、ソファのところにいた和沙が視線を向けると、郁哉はブランケットに抱き付きながら、ベッドの上をゴロゴロしていた。

「どうしたの、郁哉。もう帰りたくなった?」
「……違う」

 和沙のほうを見ないまま、郁哉は小さく答えた。

『涼介とケンカした』

 そう言って郁哉が和沙のところを訪れたのは、1時間ほど前。そのまま上がり込んだ郁哉は、それからずっとこんな調子だ。ケンカの根は、どうやらいつもより深いらしい。

「向こうが謝るまで、絶対に帰らない」

 ……いや、別にいいんだけど、ちなみにそのベッド、俺のね。

「郁哉」

 郁哉のほうにやって来た和沙が、ベッドの端に手を突く。

「……俺来たの、迷惑だった?」

 ブランケットに包まった状態で、郁哉はチラリと和沙を見た。
 正直、かわいいと思う。涼介が夢中になるのも無理はない。
 けれど、根本的に世界が違うから、ケンカはしょっちゅう。そのたびに郁哉は和沙のところにやって来るわけで。

 郁哉にはよく"クール"というイメージが付いてまわるが、その実、案外気性は激しいし、カッとなりやすいから、ケンカまでいかなくとも、イライラが高じて和沙のところへ癒されに来ることはしょっちゅうだ。

「…カズちゃん」
「ん?」
「慰めて」
「どうしてほしい? 今なら、抱っこ、ハグ、チュウ、何でもありだけど?」
「チュウがいい」

 その答えに、郁哉の顔の両脇に手を突いて、距離を詰める。

「目、閉じないの?」

 唇が触れる寸前、視線は交わったままで。吐息が唇に掛かる。

「カズちゃんの顔、好きだから見てたいなって思って」
「顔だけ?」
「あとは…………教えない、―――ん…」

 唇が触れたかと思うと、すぐに和沙の舌が滑り込んでくる。キュッと、郁哉は和沙のシャツを掴んだ。逃げる舌を追い駆けられて、絡められて、蹂躙される。

「ふっ……ん、」

 角度を変えては追い詰めてくる和沙の舌に、郁哉の体は熱を帯びる。

「カズ…っ……はぁっ……」

 ようやく唇が離れたときには、郁哉は肩で息をしながら、くったりとなっていた。互いの唾液で濡れた郁哉の唇を、和沙の舌が舐め上げる。

「ん…、カズちゃ…」
「なぁに?」
「慰めてって言ったのに」
「オプションとして強引さをプラスしてみたんだけど、ヤだった?」
「……イヤじゃない、かな」

 少し間を置いてから答えると、和沙は、「でしょ?」 笑顔。

「で、どうする、郁哉。さっきからケータイ鳴ってるっぽいけど?」

 ローテーブルの上で震えている郁哉の携帯電話。切れては震えるの繰り返し。確認しなくても、誰からなんて、すぐに分かる。

「……もうちょっと癒されてから、帰ることにする」
「りょーかい」
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ナビゲーション


 大学生はモラトリアム時代なんて言うけど、実はレポートだ、試験だ、て結構忙しい。
 俺は俺で、不規則な勤務体系だから、必ずしも休みの日が重なるわけじゃない。

 だから今日みたいに2人揃ってオフになると、つい、いつもなら出来ないようなこととかしちゃう。
 たとえば遠出、とか。

 本来出不精のはずの蒼大が、季節外れにもかかわらず、『海見たい』なんて言い出すもんだから、つい張り切って、車とか出しちゃう。
 つい。

(俺も甘いよなぁ、実際)

 タバコの煙の向こう、裸足になった蒼大が、打ち寄せる波にはしゃいでる。まぁ、ここまで喜んでもらえるなら、張り切った甲斐があるけど。
 そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、蒼大は脱ぎ捨てた靴をそのままに、岩場のほうへ駆けていく。
 波にさらわれそうになっている蒼大の靴を拾い、俺も岩場のほうへと向かった。

「ウヒャヒャ、カニだ、カニ!」

 岩場の陰で身を屈めていた蒼大が、嬉しそうに笑い声を上げて起き上がった。そばに俺の姿を発見した蒼大は、見せ付けるように右手を差し出してくる。

「ホラ! カニ!」

 無邪気に笑う蒼大の右手には、甲羅をつままれた小さなカニが1匹、もがくように足を動かしている。

「すげぇ~、ちゃんといるんだね、こういうの」

 感心しながら蒼大は、捕まえたカニを、元いた場所に放してやった。

「お前、尻、砂だらけ」

 きっと砂浜に座ったきり、そのままにしていたんだろう。蒼大のジーンズは砂だらけになっていて、言っても払おうとしないから、仕方なく俺がその砂を払ってやる。
 その間、蒼大は大人しくされるがままになってるけど……何て言うか、こういうことしてると、ホントに父親になった気分がして、結構微妙だったりする。

「帰るのも時間掛かるから……そろそろ行くか」
「ん、」

 明らかに名残惜しそうに蒼大が返事をするから、『じゃあ、もうちょっと』とか言ってしまいそうになる。
 でも明日も朝から仕事がだから、帰るのがあんまり遅くなるわけにもいかない。

「また来ればいいだろ?」
「いつ?」
「いつって…」
「また、休みが重なったら、来る?」
「そうだな。お前が行きたいっつうなら、連れてくよ?」
「マジ?」
「マジです」

 そう答えると、蒼大は満面の笑みを零す。

「じゃ、帰ろ?」

 誰もいない、季節外れの海。
 そっと指を絡ませる。




*****

 車が動き出して数分後、タバコに火を点けようとしたとき、蒼大の頭が時折、船を漕いでいることに気が付いた。
 でも本人は起きていたいらしくて、ガクリと首が傾いた後、体勢を立て直して、目をこすってる。

「眠いなら、寝てていいぞ?」
「でも…」

 俺に気を遣っているのか、蒼大はあくびを噛み潰し、緩く首を振った。

「いいから。そのかわりお前んちの場所知らねぇから、近くなったら起こすぞ? ちゃんとナビしろよ?」
「…ん、」

 返事とほぼ同時、蒼大は窓ガラスに頭を預けて目を閉じた。
 俺は一抹の不安を残しつつ、蒼大の家に向かって車を走らせた。




「蒼大、蒼大、この道、真っ直ぐでいいのか?」
「―――ぅん…」

 信号待ちで車を停めると、肩を揺すって蒼大を起こしに掛かる。
 方向的には間違っていないはずだが、細かい道筋までは知らないから、後は蒼大のナビに任せるしかない。

 ……しかないのに。

「蒼大、おい」

 何となく反応はあるものの、どんなに声を掛けても肩を揺すってみても、蒼大の瞳は開かない。
 後続車のクラクションに急かされて、俺はとりあえずアクセルをふかす。

「蒼大、次の信号どっち?」
「……んー…左…」
「左? 左だな?」

 念を押してから、方向指示器を左に点滅させる。
 しかし、曲がってみてふと気付く――――この道じゃない。
 さっきの交差点も左に曲がったのだ。これではまた来た方向へと戻ってしまう。
 仕方ないので、左折を2回繰り返して方向修正をすした。

「おい、蒼大!」

 しかし聞こえるのは寝息ばかり。
 やはり、はしゃぎ過ぎたか。
 蒼大のナビが当てにならないかも…という嫌な予感は的中し、俺の車は見事道に迷う始末。
 前回も、前々回も、その前も、蒼大は車の中で寝てしまって、何回来ても蒼大の家に到着するまでには、相当な時間と労力を要してしまうのだ。
 分かっていて寝かせてしまったのだから、隣で寝ている蒼大を責めてみても仕方がないので、とりあえず"頼りになる"ナビを起動させて。

「行き先は…」





*****

「蒼大、着いたぞ」

 駐車スペースに車を入れて、荷物を出すと、今度こそ本格的に蒼大を起こす。

「蒼大!」
「んん…ん…?」
「着いたって」
「……着いた…?」

 ようやく意識が戻ってきたのか、蒼大は目をこすりながらキョロキョロと辺りを見回す。

「ゴメ…、俺、寝ちゃった」
「ホンット、すげぇ爆睡だった」
「だって!」

 赤くなる蒼大が、何かかわいい。蒼大は慌てたように車から降りた。
 ―――と、そこで初めて俺まで車から降りているのに気が付き、不思議そうに視線を向けてきた。
 蒼大の家まで送っていったときは、蒼大を降ろして、そこで別れるというパターンが常だったから。

「北見さん?」
「ホラ、行くぞ?」
「へ?」

 そう言って腕を引かれて、蒼大はやっと気が付いたようだった。

「こっ…ここ、俺んちじゃない!」

 地下の駐車場に、蒼大の声が響く。
 さっきキョロキョロしてたときに、気が付いたと思ってたんだけど。だいたい、いつお前の家に地下駐車場が出来たんだっつーの。

「え? えっ? 何で!? 北見さんち!?」

 そう、ここは俺のマンションの地下駐車場。
 蒼大はまだ、驚きを隠せないでいる。

「しょうがないだろ、ナビのとおり走ったら、ここに着いちまったんだから」
「そのナビって、俺のことじゃないよね!? え、無意識にここ案内したとか…?」
「さぁな」

 慌てふためく蒼大の手を取ったまま、ちょうどよく地階にいたエレベータに乗り込んだ。
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好き。だから、好き。


 何か、変な感じがする。
 俺たち別に恋人同士じゃないのに。
 でも手を繋いで、キスして、抱き合って、セックスする。

 変な関係。





「怜、今日どうする? もう帰る?」

 授業が終わって後、先に帰り支度をしたアツキが、顔を覗き込んできた。

「ウチ、来るよね?」
「……」
「ね?」
「…ん」

 ちょっとだけ考える振りをしてから答える。でもアツキは初めから答えが分かってたみたいにニコッと笑って、「じゃあ行こ」って、手を取る。
 2人とも料理なんて出来ないから、途中でコンビニに寄って、後はアツキの家に直行だ。

「怜」

 アパートの中に入った途端、アツキが指先を絡めてきた。

「さっき、コンビニのバイト、俺たちが手繋いでたの、気が付いてたね」
「バッカじゃねぇの」
「別に平気なのに」

 防犯カメラとか、手ェ繋いでるトコ映ってたら、すげぇカッコ悪い。
 だから繋がれた手を解いたのに。

「平気だよ」

 そう言ってアツキはまた俺の手を取った。

「痛い、アツキ」

 ギュッて指先に力を入れられて、痛みに顔を顰めつつ、アツキを睨んだ。

「だって怜、手ぇ離しちゃうじゃん」
「痛い」
「もぉ」

 ちょっとだけ手の力を緩めて、でも手を繋いだまま、俺たちはアツキの部屋に向かう。
 ここにに来るのは1週間ぶり。
 1週間前もコンビニで弁当買って、アツキの家でメシ食った後、抱き合って、キスして、セックスした。

「はい、怜」

 コンビニ弁当を差し出されて、でも何か受け取れずにいた。

「怜? どうしたの? お腹痛い?」
「違うよ」
「じゃあどうしたの? 食べないの?」
「食べたくない」
「じゃあこっち食べる?」

 そう言ってアツキは、自分が選んだほうの弁当を俺に差し出してくる。バカ、そんなんじゃないのに。

「どうしたの?」
「何でもない」

 弁当を置いて、アツキが俺の隣にずり寄ってきた。

「…怜、何考えてる?」
「何も」
「ウソばっか」
「アツキには教えない」

 教えてやんない。
 お前になんか、絶対教えてやんない。

「ねぇ怜、ギュってしていい?」
「ダメ」
「じゃあキスは?」
「ダメ」
「今日はダメばっかなんだね」

 アツキが小さく溜め息をついた。
 俺は大きく息を吸って、思いを込めた言葉と一緒に、それを吐き出す。

「今日だけじゃないよ。明日も。あさっても」
「ずっとなの?」
「そうだよ、ずっとだよ。ずっとダメ」
「ずっと怜に触っちゃダメなの?」
「うん、もう触んないで」

 もうやんない。
 アツキとはもう手だって繋がないし、キスもしない。セックスも。もうやんないよ。

「じゃあ、泣かないでよ。触んなきゃ、涙拭ってあげれないんだからさ」
「泣かないよ」
「泣いてるじゃん」

 ホラって、アツキの指先が頬に触れる。バカアツキ。触んなって言ったのに。
 アツキが触ったとこから、じわって熱が広がってって、体中に広がってく。
 もうダメだ。

「怜、」
「バカ」
「怜、好きだよ」
「バカアツキ」
「好き」
「言うな」
「ヤダ、言う。好きなんだもん、怜のこと」
「何も分かってないくせに」
「分かってるよ。怜が何ぐぢぐぢ悩んでるかだって。ねぇ怜、ギュッとしていい?」
「分かってんなら、聞くなよ!」
「そうだね」

 アツキの腕が背中に回ってきて、俺はアツキの肩口に顔をうずめる。

「ねぇ怜、俺が好きでもない相手に、こんなことするだなんて思わないでよね。キスもセックスも、怜じゃなきゃ、しないんだよ?」
「そんなの、今知った」
「遅いよ、気付くの」
「だってアツキ、何も言わないし」
「怜だって何も言わないじゃん。ねぇ、俺は『好き』って言ったよ。怜は何も言わないままなの?」
「だってお前、分かるってさっき言ったじゃん」
「怜の口から聞きたいの。怜の気持ち、怜の口から聞きたい」

 俺はゆっくり顔を上げた。ぐずって鼻を啜って、手の甲でゴシゴシ目を擦る。

「俺だって…ヒック、アツキのこと、好きだよバカ!」

 だからずっと苦しかった。寂しかった。つらかった。ずっとずっと我慢してた。
 2人の変な関係。
 手を繋いで、キスして、抱き合って、セックスして。

「好き」

 だから。
 だから、ね。






中身がないね(いつものこと)。ゴメン。
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赤色の嘘


 俺の恋人、嘘つきなの。



 ずっと側にいるよって、囁くの。







色 の 嘘









 雨の日が続いてるのを理由に洗濯をサボっていたら、洗濯物がカゴから溢れてしまって、仕方ないから全部洗濯機に突っ込んだら収まりきらなくて、結局2回に分けてやるはめに。

 ゴトゴト。

 適当に入れたから、中で洗濯物が偏ってるのかも。
 ガタガタ、ゴトゴト、変に揺れてる洗濯機に体を預けて、目を閉じる。
 体の力抜いて、洗濯機の揺れに身を任せてたら、どんどん体が傾いてきて、結局2回目に洗濯するはずの衣服の中に倒れてしまった。

 あ、夏生のシャツ。

 ちょうど目の前に見つけたシャツに、不覚にも目頭が熱くなってしまう。
 もう10日だ。
 10日も会ってない。声も聞いてない。メールも来ない。

「バカ…」

 あいつは嘘つきだ。
 こんなに長い間、俺のことをほっとくなんて。


















 ―――――…………くん、明弘くん、

「…………は…?」

 あれ?

「なつ、お…?」
「こんな、とこで……洗濯物に埋もれて、何してんの…?」

 洗濯機、止まってる。
 俺、寝ちゃってたのか。

 ゆっくりと首を動かせば、夏生が相変わらずの胡散臭い笑顔で立ってた。

「夏生……お帰り」

 腕を伸ばせば夏生が引き起こしてくれる。
 夏生は洗濯機に凭れて、一緒に洗濯物の中に座り込む。

 10日ぶりの温もり。

「バカ夏生…」
「ゴメン……ちょっと、厄介な仕事だったから…」
「でも、成功したんだろ?」

 背中に回した腕を、夏生の胸へと滑らす。
 カツッ…と、指先に硬い感触。
 胸のホルスターの上から、その拳銃をなぞる。

「成功は、したよ…」
「夏生?」

 顔を上げれば、いつもより白い夏生の顔。

「夏生? え!?」

 脇腹を滑る手に、濡れた感触。
 慌てて体を離せば、指先に絡まる、赤。

「なつ…」
「ハハ……ちょーっと、しくじっちゃって…」
「て、手当しなきゃ! きゅ、きゅ、救急車…!」
「待って……」

 電話しに行こうとする俺の手を引っ張って、夏生がまた腕の中に俺を引き戻した。

「何すん…」
「側に、いてよ…」
「…………うん、」
「ありがと…」

 夏生の胸に頬を預ける。
 心臓の鼓動。
 何だ……生きてるじゃん、バカ夏生…。

「夏生、好き…」
「うん……俺も、だよ…」
「……嘘つき」
「ひどい、な……明弘くん…」

 お前はいつだって、嘘しかつかないじゃんか。
 嘘つき夏生。

「ねぇ、明弘くん……愛してるよ、世界で、一番…。君を1人になんか、しない…………いつも、そう言ってる…」
「嘘つき…」
「嘘、じゃない……愛してる……。ね…キス、して…」
「……ん、」

 触れた唇は、まだ温かいよ。
 ねぇ、どうして目を開けないの?

「なつ、お……夏生……なつ……」













 ホラ、やっぱりお前は嘘つきだ。
 お前の言うこと、嘘ばっかり。

 俺のこと愛してるって言ったのに。
 ずっと側にいるって言ったのに。

 1人にはさせないって、言ったのに。




 俺を置いて、どこに行くつもり…?






 グロテスクな拳銃。夏生の銃。
 冷たい感触。

 どこに行く?




 こめかみに、銃口。
 押し当てたまま、洗濯物の中に転がる。

 なぁ、1人にはさせないんだろ?






 瞳を閉じて。




 人差し指、力を込めて。






 カチンッ…。






 おもちゃみたいな、音だった。
 弾丸は、俺のこめかみを、撃ち抜かなかった。





「バーカ…」






 あぁ、もう1回、洗濯機を回さなきゃいけないんだ。
 お前のシャツ、洗わなきゃだ。





「嘘つき…」








 1人になんかさせないって、言ったのに。




















 趣味です。すいません。
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今日は雨の日


「んー……あ゛ー…!!」

 何とも言えない、色気の欠けらもないような変な声を出して、和希がベッドの上で暴れた。

「…………何変な声出してんの?」

 そんな和希に冷静な声で突っ込んだのは、雑誌を広げていた弘人。

「……弘人、ゲームしてないの?」
「俺、そんなにしょっちゅうゲームばっかしてないよ?」

(嘘ばっか)

「俺、弘人って、ゲームかビリヤードしかしないのかと思ってたー」

 休みに2人で会ったって、家に帰ってくればすぐにゲームを始めるくせに。
 仕事が終わったと思って電話してみれば、ビリヤードしてるって言うし。

「そんなことないでしょ? 和希と色んなことしてるじゃない」
「……ッ! バカッ!」

 "色んなこと"の意味を悟った和希が、頬を赤くして、枕を弘人に向かって投げ付けた。

「今さら何恥ずかしがってんの?」
「バカ! バカ弘人!!」
「ひどいなぁ」

 弘人はキャッチした枕をベッドの上に戻した。

「で、和希は、さっきから何でそんなに暴れてるわけ?」
「だって外、雨がひどい…」
「そうだね」
「こんなんじゃ出かけられないじゃん」
「え!? 出かけるつもりだったの?」

 さも驚いたような声を出す弘人に、和希はムッとしたように唇を突き出した。

「何だよー、こんなとこいたって、つまんないじゃん」
「こんなとこって……ここ、俺んちなんですけど」
「あー暇」

 クテン、と和希はベッドに身を沈めた。

「じゃあ、和希。暇つぶしでもする?」
「何!? 出かけんの!?」

 嬉々とした表情でベッドから飛び起きる和希に、弘人は笑顔で首を振る。

「じゃあ……何?」

 小首を傾げる和希に手招きすると、素直に自分のほうにずり寄ってくる。弘人はベッドの片手を突いて身を乗り出すと、チュッとその唇を奪った。

「…………。ギャッ!」

 弘人に何をされたのか気付いた瞬間、和希は顔を真っ赤にしてベッドの端まで逃げた。

「なっなっ何すんだよ!?」
「何って……キスだけど? っていうか、今さらキスくらいでそんなに照れないでよ」
「だっ……バッカじゃねぇの!?」
「さっきからバカバカってひどいなぁ」

 しれっとした顔で笑っている弘人に、和希は恨めしげに視線を向ける。

「ッ、てか何でキスなんかしたんだよ!!」
「え? 嫌だった?」
「嫌とかそういうことじゃなくて!」
「だって暇なんでしょ? いいじゃない、時間を有効に使って、愛を確かめ合うって、どう?」
「…………」

 あ、とか、う、みたいに口がパクパク動いているけれど、和希は何も言葉を発せられないまま、弘人の笑顔を凝視している。

「どうしたの? 和希」

「バカ弘人!」

 かわいくないセリフを吐きながら、和希は弘人に抱き付いて、その唇を奪った。





 再び登場。また同じようなことしてる…。

こちらの彼らです ↓
 おれの恋人はとてもかわいくない
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信頼関係


 安いビジネスホテルのツインルーム。
 健はベッドの上でただ、静かに吐き出されるその紫煙を眺めていた。

「ん? 煙い?」

 灰皿代わりの空き缶に灰を落とした誠次は、その視線に気が付いてふと尋ねた。

「平気」
「そう? またタバコのにおいが付いちゃまずいかと思ったんだけど」

 誠次は口の端を歪めた。

「ハルキだってタバコ吸うし、平気だもん。そんなこと言うくらいだったら、わざとらしく吸わないでよ。それとも……俺に困った顔、させたかった?」
「させたかった」

 笑顔でそう返すと、タバコを消した誠次が近付いてきて、健にキスをした。

「タバコ味のキス」
「まずい」

 健は眉間にシワを寄せ、ダルイ体を起こした。

「誠次、今何時?」
「もうすぐ11時」
「ゲッ、ハルキ、11時ぐらいに帰ってくるっつってたんだ! ヤッベー、もう帰ってきてるかなぁ」

 使っていないほうのベッドに投げ出されていた携帯電話に伸ばした手を、誠次に掴まれる。ひどく真剣な表情に、健はそれを振り払うタイミングをなくした。

「今夜は帰さない」
「……えっ…?」
「―――なーんちゃって。ドキッとした?」

 ニヤリと笑って、誠次は健の手を放した。

「そういうの、克己に言ったら? アイツ好きそうじゃん、そういうの」

 多少の嫌味も込めて、健は誠次の恋人、克己を引き合いに出した。

「そうなんだよねぇ~、克己ってば、あぁ見えてロマンチストだからさぁ~」
「何のろけてんの?」
「だって俺、克己のこと大好きだしさぁ~」
「それがさっきまで他の男抱いてたヤツのセリフかよ」
「信頼されてんだよ、これでも」
「あっそ」

 呆れながら健は、脱ぎ散らかしてあったシャツに手を掛けた。

「ホントに帰んの?」
「帰るよ? ハルキも帰ってきてるだろうし」
「尽くすねぇ~、健ちゃんも」
「ちょっ…」

 ジーンズを穿こうとしたところで、誠次に背後から抱き締められた。

「さっきもあーんなにヤッたってのに、お家でまたハルキにかわいがってもらうの?」
「ヤんないよ! 誠次みたいな絶倫野郎じゃないからね、ハルキは……アッ…」

 誠次の手がシャツの中に侵入してきて、健の感じる場所を撫でていく。

「ちょっと、誠次…―――んっ…」

 うなじ、というよりはもう少し背中のほう、きっとシャツを着てしまえば見えないような位置に、小さな痛みを感じる。

「誠次!」

 誠次の腕を無理やりほどいて、健は着ていたシャツを脱ぐ。すぐにデスク前の大きな鏡に背中を映すと、そこにはしっかりと誠次の残した赤い痕が。

「何すんだよー! これじゃ帰れないじゃんか!」
「何で? いいじゃん、今日はハルキとヤんないんでしょ? バレないじゃん」
「そういう問題じゃ…」

 健は溜め息まじりに眉を下げた。

「何でこんなことしたんだよー」
「さっきも言ったでしょ? 健に困った顔させたいって」

 あまりにも誠次が邪気のなさそうな笑顔で言うものだから、健ももう怒りを通り越して呆れに変わってしまっていた。健は脱いだシャツをもう1度ベッドに放ると、携帯電話を手にした。

「もしもし、ハルキ? もう仕事終わった? 俺のほうさぁ、何かちょっとトラブっちゃって、今日中帰れそうにないんだよね。ゴメン。うん、じゃあまた今度ね、バイバーイ」

 電話を切ると、健はチラリと誠次を見た。

「健ちゃん、演技がうまくなったねぇー」
「誠次ほどじゃないけどね」

 健はベッドに身を投げた。

「それって褒めてくれてんの?」
「克己がかわいそうだって言ってんの」

 健がスペースを空けると、誠次が隣に滑り込んできた。

「ハルキはかわいそうじゃないわけ?」
「だって俺、ハルキに信用されてるし」

 ニッコリと笑う健の笑顔はまさに天使の微笑みそのもの。ハルキもこれに騙されてるってわけか。

「―――ってか、もうバレてるかもだけどね」

 ギクリとするようなことを、健は平気な顔して言ってのける。

「それだけ信頼されてるってわけですか」
「そういうこと」

 誠次の逞しい腕が健を組み敷き、その唇を塞いだ。
 分かっているのに分からない振りをして。
 微妙なバランスを保つ紙一重の信頼関係。

「んっ…」

 交わす口付けは次第に深くなって、

「……せいじっ…」

 今はただ、気付かない振りして、互いのぬくもりを感じてる。
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世界の果てまで行こう R15


 2人して頂点まで上り詰めて、精液出して、抱き合うの。
 ハァハァ。
 荒い息吐いて、盛って。犬みたいに。





世 界 の 果 て ま で 行 こ う





 体中、ベッタベタ。
 中出しヤダッつったら、顔に掛けられた。
 別にいいけど、目に入りそうで怖いから、その辺にあったのタオルと思って顔拭いたら、俺のTシャツだった。最悪!

「何むくれてんだよ」
「俺のナンバーナイン…」

 生産性のないセックス。
 精液の出し損。

 気持ち良けりゃ、そんなのどうでもいいけどね!

「俺にもタバコ…」

 カチッ…てライターの音がして、そっちに手を伸ばせば、由貴の放ったタバコのボックスが頭に当たって、床に落ちた。
 拾うのめんどくさくて、タバコは諦めた。

 ダリィ、ダリィ、ダリィ。

 由貴はいいよね、突っ込むほうだから。
 俺は気持ち良くなる代わりに、腰は痛いし、ケツも痛い。
 そりゃそうだ。
 だってアッコに由貴の突っ込まれんだもん。
 正気じゃない!

「おーい」

 タバコを消した由貴の手が、俺の腰とか脇腹、撫でて来る。
 え? ヤルの? もう1回?

「何? ヤダ?」
「明日、早いんじゃなかったっけ?」
「さぁな」

 ヤダよ、ホントに。
 由貴とセックスしてて遅刻しましたー、なんて言うのだけは。

 でも由貴の手は、的確に俺の快感を導き出す。
 俺は、アンアン、女みたいに喘いじゃう。だって気持ちいーもん。
 あーあ、もうダメ。きっともう、女じゃ勃たないよ、俺。
 どうしてくれんの、この体。

 例えばさ、すっげーキレエなおネエさんに誘われたとすんじゃん? そうすりゃやっぱ乗っかっちゃうじゃん?
 でも、いざってときに俺のは役立たず。
 格好の噂だね、『20歳でインポ』とか。
 ハハ、くだらねぇ。

「何考えてんの? 集中しろよ」
「アンッ…!」

 グイって突き上げられて、思わず背中がしなる。
 お腹の中、由貴のでいっぱいになって、すっごいの。

「ゆき、ゆきっ…!」

 名前呼びながら、ギュウって抱き付いて。
 だってもう、頭ん中、スパークしちゃいそう。

 グチャグチャ。
 俺ん中、由貴のが出たり入ったりして、キスされて、全身で繋がってんの。
 1つになってる?
 ううん、そんなの無理だよ!
 まだまだ僕ら、1つになんかなれない。

 でも、いつか、



「あ、あぁんっ…!!」
















 あーあ、由貴のバカ。
 中に出すなっつったのに!
 これじゃあ、さっき顔に掛けられたの、何だったの?
 あぁ! ベッチャベチャになった、俺のナンバーナインのTシャツよ! 君の立場は?

「ごめんなさい…」

 ドロドロ、内ももの間を流れて落ちる、由貴の精子たち。
 かわいそうに。今日も、どっかの誰かさんの卵子と結び付けなかったね。

「シャワー浴びてくる…」
「えぇー? もう寝ようよ」
「どっかのバカが中に出すからだよ!」

 注ぎ込まれた精子。
 がんばって溜め込んでたって、赤ちゃんなんか出来っこない。
 それでも僕らは、セックスをするのです。

「じゃ、俺も風呂入ろー」
「ダメ! 由貴来ると、絶対変なことするから!」
「変なことって何だよー。気持ちいいことでしょ?」
「バカ!」

 あぁ、あぁ、神様!
 どうして気持ちいいってだけじゃダメなんでしょう。
 俺と由貴との子だったら、絶対かわいいよ?
 ねぇ、見たくはなぁい?



 僕らの、こんなささやかなお願い、聞いてくれないって言うんなら、







 どうか明日の朝は、遅刻しないように、ちゃんと起こしてね?
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それは幸せ


 悠也が楽しみにしていた映画も、拓海にはそれほど興味がなかったのか、始まって30分もしないうちに悠也の肩に重みがかかった。
 視線をテレビの画面から自分の左肩に視線をずらすと、気持ち良さそうに寝息を立てる拓海の横顔。

 疲れてんのかな?
 それとも映画、つまんなかったかな?
 もうちょっと拓海と話とかすれば良かったかな、とか思っていた悠也だったが、ふと、今日の真琴との会話を思い出し、にんまりと笑った。

 肩に寄り掛かった拓海を起こさないように、そーっとローテーブルに乗った自分の携帯電話に手を伸ばす。
 拓海が起きていないことを確認すると、携帯電話のカメラを起動させた。

(うひっ)

 液晶画面越しに拓海の寝顔を覗く。
 カシャ、と、安っぽいシャッターの擬音がして、その寝顔が携帯電話のカメラの中に収まった。

(撮った!)

 撮影した画像を保存しようと、ボタンに指を掛けた悠也の手が、不意にキュッと掴まれた。

「ひゃっ!?」

 驚きのあまり、悠也は携帯電話を落とし掛けた。

「悠ちゃん、何してんの?」

 悠也の手を掴んだのはもちろん拓海で、しっかり目を開けている。

「あ…、起きた?」

 慌てつつも、撮った画像を保存しようと、空いている手で携帯電話を操作する悠也。

「何撮ったの? おニイさんに見せてごらん?」
「ヤ」

 寝顔の写真を撮ったなんて、絶対に削除しろって言われるに決まってる。悠也は携帯電話を拓海に取られないように、うんと遠くに手を伸ばした。

「ってか、いつから起きてたの?」
「何かウトウトしてたけど、何か悠ちゃんがゴソゴソしてるうちに目ぇ覚めた。で、何撮ったの?」
「寝たふりかよ、悪趣味」
「人の寝顔写真に撮るほうが、よっぽど悪趣味だと思うけど?」

 何撮った? って、それもちゃんと気付いてんじゃん。

「ホラ、早く、ケータイ貸してみ?」
「……貸すけど、撮ったヤツ、消すなよ?」

 ソファの上で拓海に圧し掛かられたままの悠也は、渋々と拓海に携帯電話を渡した。
 それを受け取った拓海は悠也の上から退いて、今しがた撮られた自分の寝顔の写真を開いた。

「……悠ちゃん、こんなもん撮ってどうする気?」
「いいじゃん。もう見ただろ? はい、返して?」
「ダメ、消しなさい」
「あっ! ちょっ…ダメ! 消しちゃダメ!」

 そういう約束で拓海に携帯電話を渡したのだ。そう簡単に削除させるわけにはいかない。
 悠也は拓海の手から携帯電話を奪い取った。

「悠ちゃん…」
「いいじゃん。よく撮れてる」
「……何でこういうことになったのか、ちゃんと説明しなさい」

 携帯電話を取り戻すため、仰向けになった拓海の腹に跨る格好となっていた悠也が、そこから退こうとするより先に、拓海がその腰に腕を回して逃げ出せない状態となっている。

「別に、撮りたかっただけだもん。放せよ」
「誰に唆されたの? 白状してごらん?」

 言葉のキツさのわりに、拓海の顔はどことなく緩んでいる。しかも、悠也の腰に回された手も、何だかワサワサ動いてるし。

「くすぐってぇって」
「言わなかったら、もっとするよ?」
「ひゃっひゃっ、やーめーろよー、ひゃあっ、言う、言うからっ!」

 背中が敏感な悠也は、拓海の上で腰をくねらせる。
 悠也にしてみればもちろん無意識の行動に他ならないが、それを下から眺める拓海はかわいい悠也を堪能して、寝顔の写真がどうとか、そんなことはもう、すっかりどうでもよくなっている。

「拓海のバーカ…」

 腰から手を放された悠也は、クッタリと拓海の上に倒れた。

「バカって何だよ。―――で、何に影響されたって?」
「……だってさぁ、真琴がさぁ、すっげぇ見せてくんだもん」
「何を?」
「え、遥斗さんだっけ? アイツの恋人の写真」
「あ?」
「何かさぁ、ケータイでいっぱい撮ってて。いろんなヤツ。そんで、これ俺の宝物! とか言って俺に見せびらかすんだもん。そんで俺に、悠ちゃんは撮らないの? って聞くんだもん」
「はぁ~…」

 確かに真琴ならやりそうだ、と、拓海は眉を寄せた。
 遥斗も良識ある大人ではあるけれど、こと真琴のことになると、大胆なことをやる人でもあり。

「だからさ、俺も撮りたかったの。拓海の写真撮って、ケータイの中に保存しとくの」
「俺の寝顔を?」
「普通の写真でもいいけど、普通だったら撮らせてくんないじゃん」
「それなら俺は、悠ちゃんが来たときは、うかうか寝てられないってわけ?」
「寝ていいよ。それとも起きてるとき、撮らせてくれる?」

 拓海の胸元に顎を置いて、悠也が上目遣いに聞いてくるものだから、拓海はそのかわいい顔に思わず、「うん」と言ってしまいそうになる。

「ダメ。恥ずかしいじゃん」
「恥ずかしくない。はい、撮るよ?」

 ニコニコしながら、悠也が携帯電話を構えてくる。

「やめろって。さっき寝顔撮ったんだから、それで満足でしょ?」
「ケチィ」

 左手で携帯電話を遮られ、そのまま奪い取られて。

「俺のことケチって言うんだったら、俺にも悠ちゃんのこと撮らせてよ」
「え?」

 きょとん。
 悠也の顔から笑みが消える。

「そうだなぁ、何の写真がいいかな?」
「え? え? ヤダよ」

 自分の携帯電話を手した拓海が、そのレンズを悠也へと向ける。

「俺だって悠ちゃんの写真、宝物にしたいもん。あ、今ちょうどいい体勢だし、悠ちゃんが感じてる顔にしようかな?」

 途端に悠也は暴れ出すが、拓海はその手を放してくれない。そればかりか、シャツの裾から入り込んだその手は、背筋を這い上がっていく。

「や、やだよぉ、ひゃあっ」

 嫌だと言ったところでやめる拓海ではない。
 この後、散々感じさせられまくった悠也は、その顔を写真に撮られまくったのだった。





(もう絶対、拓海の写真撮りたいなんて言わないっ…!)

 その後、悠也が密かに誓ったとか、誓わなかったとか。
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カテゴリー:拓海×悠也
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愛情ぎゅっ。


 台所に立つ遥斗の背後にやって来た真琴は、徐にその背中に抱き付いた。

 ぎゅっ。
 むぎゅ~っ。

「え、マコ、何?」

 慌てる遥斗をよそに、背中にへばりついた真琴の、前に回した腕の力はますます強くなって。

「真琴? どした?」
「いいの」

 いいの、と言われても、こっちは料理中なわけで。とりあえず包丁を置いて、火を止める。

「何、どうしたの?」
「…どうもしない」
「料理できないんだけど」
「しなくていい」
「マコがお腹空いたって言ったんでしょ?」

 ぎゅうっ。
 反論は許さないとでも言うように、真琴は腕に力を込める。

「ねぇ」
「ん?」
「はーちゃーん」
「なぁに?」
「……好き」
「うん、俺も好きだよ」

 遥斗の背中に額をくっ付けて、目を閉じる。

「マコ?」
「……お願い、もうちょっとこうさせてて?」

 もうちょっとだけ。
 はーちゃんのこと、補給したい。ずっと会えなかった分、こうやってはーちゃんのこと、感じてたい。

「いいよ、好きなだけこうしてなさい」

 遥斗は真琴の手に、自分の手を重ねた。

「…ん。好きなだけしてる。ずっとずっとしてる」

 だって俺、はーちゃんのこと、好きだからさ。
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響かせてよメロウラヴ (前編)


「慶太」

 名前を呼ばれて顔を上げれば、テレビを見てた相川さんが、ちょいちょいと指で俺を手招きしてる。

「何ですか?」

 飲んでたミネラルウォーターのペットボトルをテーブルに置くと、俺はズリズリとソファに座ってる相川さんの足元にずり寄っていった。

「相川さん?」
「ちょっと、ここ座って?」
「え、」

 "ここ"と言って相川さんが指したのは、自分のもも。

「な、何すか…急に」
「嫌か?」
「だって恥ずかしいし…」
「なら、こっちでいいから」

 今度は自分の座ってる隣、クッションをどかして、ソファの席を空けてくれる。
 それならばと素直に従えば、座った途端に相川さんが抱き付いてきた。

「相川さん?」
「何?」
「甘えたいの?」

 返事がない代わりに、抱き締めてくる腕に力が籠った。
 首元に顔をうずめられて、吐息が掛かってくすぐったい。

「相川さん、顔上げて」
「いや」
「え、何で」
「甘えさせろよ」

 やっぱ、甘えたいんじゃん。
 何か、ちょっと、かわいいとか思う。

「相川さん」
「んぁ?」
「キス、したい」
「はぁ?」

 ……そんな声、出さなくたって。
 てか、くすぐったいってば。

「キスさせて?」
「慶太からしてくれんの?」

 モゾリ、相川さんが身じろいで、やっと顔を上げてくれた。
 結構近い距離。
 ジッと俺のこと、見てる。
 視線が、ぶつかる。ずっとぶつかってる。
 相川さんの眉間に、しわ。
 え?

「早く、やれよ」
「え? え?」
「キス、してくれんだろ?」
「あ、はい」

 え、目瞑んないの?
 このまま?

「あの…」
「何だよ」
「目、」
「あ?」
「閉じて…」
「嫌」

 そんな、きっぱりと。
 目開けたままキスとか……ちょっと恥ずかしいんですが。

「早く」
「…………」

 言い出したら聞かないことは知ってるし。
 キスしたいのも、事実だし。

 俺はキスを待つ相川さんに、顔を近づける。
 ずっと目が合ったまま。

「…ん」

 ただ、押し当てるだけの。
 こんなのキスだなんて言ったら、笑われちゃうかな?
 でもこういうの、好きだなぁ。

「んー…」

 啄ばむようなキスを何度もして。
 でもまだ足りない気がして。

 相川さんの手のひらが、背中を滑り降りてくる。
 熱い。

「慶太…」

 唇を付けたまま、目を合わせたまま、相川さんが俺の名前を呼ぶ。
 ヤバいくらい、心拍数が上がってく。
 肌が、ゾワゾワ…てなってく。

「お前、キスだけで感じてんの?」
「ちが、う…」

 でも、否定の言葉とともに漏れたのは、熱い吐息で。
 相川さんの言葉は、間違ってはいなかった。

「慶太、続き、したい?」
「…ん」

 素直に返事する。
 相川さんが少し笑ったのが、雰囲気で伝わってくる。

「、相川さんは、したくないの?」

 俺だけが、したいのかな?
 だったらちょっと寂しいし、何か恥ずかしいな。

「したい。てか、してほしい」
「は?」
「キスしてくれたみたいに、続きも、お前からしてよ」
「え、え、ヤ…ですよ」
「何で?」
「何でって…」

 恥ずかしくて相川さんから離れようとしたけど、頭を押さえられて、逃げられない。
 ペロリと唇を舐められた。

「して?」
「ッ…ズルイ、そんな声…」
「ズルくてもいい」
「…」

 ホントに、ズルイよ、この人は。
 そんな顔してそんなこと言えば、俺が断れないこと、知ってるくせに。

「相川さん…」
「何だよ」
「目、閉じてよ…」
「い・や・だ」

 そう言ってにっこり笑うこの人は、本当にSだと思う。
 で、結局逆らえない俺は、相当のMてことか。

 でも。

「……好きですけどね」

 相川さんが、何度か瞬きする。

「お前、この至近距離で、何殺し文句吐いてんだよ…」
「え? 何が?」
「気付いてないのかよ。ホント、タチ悪ぃ」

 そう言って相川さんは、ソファに仰向けに倒れた。
 俺は背中に手を回されたままで、必然的に俺は相川さんの上に重なることになる。

 え、俺、上?
 てか、ソファで?

「あの…」
「してくれんだろ?」
「まだ何も答えてない…」

 答えは、決まってるんだけれど。
 いつも相川さんの思いどおりになるのが、何となく悔しいな。

 トサリと、相川さんの胸に、頭を置いた。
 あ、相川さん、ドキドキしてる…。

「何だよ、このまま生殺しにする気か」

 頭上から、恨めしげな声がする。
 だってこうしてるの、気持ちいいんだもん。

「相川さん、好きですー」
「知ってるっつーの、アホ!」

 ベシッと頭を叩かれる。

「早くしろよ」
「相川さん、ムードない…」
「そんな余裕がないの、察しろよ。このおとぼけ小僧が」
「うはははは」
「笑うな」

 脇の下に手を入れられて、ずると体が上のほうに引き摺り上げられる。
 ソファから落っこちそうになったから、相川さんのお腹を跨いで、片膝をソファ、もう片方の足は床に突く。
 何か、ホントに俺が相川さんを押し倒してるみたいだ…。
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カテゴリー:智紀×慶太
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響かせてよメロウラヴ (後編) R18


*R18です。18歳未満のかた、苦手なかたはご遠慮ください。

「お前、顔赤いけど?」
「言わないでくださいよ…」

 こっちは必死なのに。
 下手したら震えそうになる手で、相川さんのシャツのボタンを外していく。

「いー眺め。お前が上に乗ってんのも、新鮮でいいな」

 相川さんの手が、俺の前髪を掻き上げてく。
 優しい手のひら。

 シャツの前を全部はだけさせて、……でもどうしよう。
 女の子相手じゃないから、すごく困る。
 相川さんがいつも俺にしてくれるみたいにしたらいいのかな、でも彼は胸が感じないのを、知ってる。

「そんな困った顔すんなって」
「あ、ん…」

 髪を撫でてた手が、スルリと首元を滑って来る。
 首筋から、鎖骨、着てるTシャツの襟ぐりを、クイと引っ張る。
 ヤバい……全然俺のほうが感じちゃってる…。

「わっ」

 どうしよう、どうしようて思ってるうち、グイって腰を引き寄せられた。

「相川さ、ん…」
「慶太、好き」

 言った後に、はむ、て耳たぶを食まれた。
 俺は息を詰めるのが精一杯。

「ダメだ、すげぇ興奮してきた」
「え…」
「まだそんな、何もされてないのに…」

 グ、て腰を押し付けられて。
 あ…相川さんのも、熱くなってる…。

「お前とくっ付いてると、ダメだー」
「ッ…」

 俺は堪んなくなって、相川さんの唇を奪った。
 さっきまでみたいな、かわいいキスなんかじゃなくて。
 相川さんの唇を割って、舌を滑り込ませて。
 でも相川さんの舌は、逃げるように動くから、必死でそれを追い掛けて。

「ん、ん…」

 俺がキスに夢中になってる間に、相川さんの手が、ジーンズのウエストから入って来る。
 俺も相川さんの穿いてるののフロントボタンを外したくて、でも互いの体の間だからうまくいかなくて、もどかしい。

「おま…ちゃんとしろって」
「だっ、て…」
「そんなとこでモゾモゾ手ぇ動かされると…」
「だって!」

 そんなの、俺だって、分かってる。
 分かってるけど、焦れば焦るほど、うまくいかない。
 相川さんと体を重ねるときは、全然余裕がない。

「んん…」

 やっとその前を寛げたときには、相川さんの手が俺の下着の中に入ってきてた。

「ふ…、ん、ん…」
「慶太…俺のもちゃんと触れ…」
「ふ、ぅん…」

 膝ぐらいまでズボンを下ろされて、後ろをグジグジと弄られて、体の力が抜けそうになる。
 でも俺の下には相川さんがいて、しかもここは狭いソファだし。
 俺も懸命に手を動かす。

「あー…いい…」
「ふぁ…ん、ん…」
「も、入れてい?」

 返事の代わりにコクコクと頷く。
 え、でも…………このまま?

「ちょっ…相川さん、この体勢…」
「嫌か?」
「……はい」
「ダメ」

 うぅ~~~~。

「下脱いで、跨がってみ?」
「…ん」

 言われるがままにノロノロと体を動かして、下穿きを脱ぐ。
 Tシャツに手を掛けたとき、相川さんに止められた。

「え…?」
「もういいから…」
「…ん」

 相川さんのジーンズを膝まで下ろしてお腹に跨れば、後ろに相川さんの熱いのを感じる。ゆっくりとそれが侵入してきた。

「うぅん…ん」
「慶太…」
「はぁっ…」

 奥のほうまで相川さんが入って来て、息が詰まりそうになる。
 堪え切れずに、肌蹴た相川さんの胸に額を押し付けた。

「んん…ん、あいか、わ、さん…」

 繋がってる部分から、快感がゾワゾワと背中を上がっていく。

「や、や…相川さ…」
「バッ…んな、締め付けんなっ…」
「や、らってぇ…ひぁっ…!」

 いつもと違う場所で、こんな格好になってて。
 いつもより感じてる?
 だとしたら、きっとそのせいだ。

「あぁっ…」

 中に入れたきり動けずにいる俺にじれったくなったのか、急に相川さんが腰を動かしてきた。
 俺が上だし、いつもと違うシチュだし、やっぱいろいろしてあげなきゃな、て、ちょっとは思ってたのに。
 でも結局、最後は相川さんのペースだ。

「やっ…こんな…」
「ぅん? なに…?」
「ッ…」

 俺の腰を支えてた相川さんの手が、スゥッと背中を撫でていく。
 ビクッてなって、思わず中の相川さんを締め付けたら、その形まではっきりと感じ取れてしまって、もっと焦る。

「うぅん…ん、ど…しよ…」
「何が」
「すご…気持ちい、い…」
「ッ、バカッ…」
「あぁんっ」

 思ったままを言ったのに、なぜか相川さんに怒鳴られて、しかもグイて腰を突き上げられて背中が仰け反る。
 汗で張り付くシャツを脱ぐように言われて、でも相川さんの上、すごく不安定な体勢に加えて、全然動くことをやめてくれない相川さんに、そんなことうまく出来ない。
 グズグズしてたら、相川さんに無理やりシャツを剥ぎ取られてしまった。

「はぁっ…ん、」

 素肌が触れ合ったら、その熱さに驚く。
 体重を全部掛けないようにして、それでもキュウと相川さんに抱き付く。
 体勢のせい? すごく深いところまで相川さんがいる。
 いつもよりずっと奥のほうまで相川さんが突き刺さったまま、掴まれた腰を掻き回すみたいに動かされて。

「ッア! あ、深、い…! あぁっ、ア…!!」
「慶太…!」

 ガクガクと下から突かれて、頭の中がスパークしてく。
 相川さんは、いつだって的確に、俺の快楽を導き出してく。
 俺は――――?

「あぁっ、やっ、ダメ…!」
「ッ…」

 中の一番感じる部分(相川さんによって開発されたと言っても過言じゃない)を何度か擦られて、我慢できずに達してしまう。
 相川さんのお腹に俺の精液がいっぱい零れて、あぁ、ここソファなのに…とか、そんなことが一瞬頭をよぎる。
 そんな状況じゃないのに。
 だって相川さんは、イッたばかりの俺の体を抱え直すと、またガンガンと腰を動かしてくるから。

「ヤッ…待っ…!」
「…ん、慶太…慶太…」
「あぁん、ん…」

 熱い。
 中に流れ込んでくる、相川さんの精液。

「うぅん…、や、ぁ…いっぱい…」
「ッ、く…、慶太…」

 奥のほうまで濡らされて、腰が甘く疼くような感覚。
 堪んなくて相川さんにしがみ付けば、ペロリと相川さんに頬を舐められた。生理的な涙が、零れてたらしい。

「やっ…」

 何かまだ全身がゾワゾワしてて、そんな些細なことにも感じてしまう。

「慶太、好き…」
「ん、ん…」

 耳元で、まるで注ぎ込むように言われて、また体が熱くなってくる。

「慶太…また感じてんの…?」
「ちが…」
「嘘つき」

 知ってる、そんなの。
 だって、腰が動いてる、俺。
 すごい恥ずかしいけど、でもすごく気持ちいい。

「…ん、好き、相川さん…」

 キスしてほしくて顔を近づければ、相川さんはすぐにそれに応えてくれる。
 まだ下は繋がったまま、でも啄ばむみたいなキスを繰り返して。

「俺も好きだよ…」
「ぅん…」

 唇を重ねたまま囁かれる。
 何度も「好き」て言われて。

 体から"好き"が溢れてく。

「相川さん…」

 ねぇ、だから。
 響かせてよ、





 あれ…何か後半、エロだけになった…。
 というか、慶タンの性格、変わった?
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メインカプに質問祭り 相川さんのお名前編


 ――――さぁ始まりました! みなさんの待ちかね、メインカプに質問祭り!!

悠也「(テンション高くてうぜぇ…)」


 ――――では第1問! ババン! みなさん、相川智紀さんのことを、何と呼んでいますか?

真琴「(効果音、自分で言った…)」
慶太「(ていうか、何この質問…)」


 ――――まずは同級生のみなさんから。どうぞ!

高遠「え、普通に名前で呼んでるけど? 智紀って」
拓海「トモだな、智紀のトモ」
高遠「じゃあ俺は、トモくん、て」
拓海「じゃあ、て何! じゃあ、て! 呼んでないだろ!」


 ――――え、えっと…次行きますよ? 年上の方々は、いかがですか?

遥斗「え? いや、まだ1回しか会ったことないから、名前、呼んだことないかも…」
悠也「アイカワ? 誰それ」


 ――――えー…………(話が続かない…)では気を取り直して!! 最後に、年下のみなさん、いかがでしょうか!?

歩「俺、智紀と同い年だけど……年下扱い!?」
真琴「それだけ、若く見られてるってことだよ!」
歩「それっていいこと?」
真琴「当たり前じゃん!」
歩「なら、いっかー」
慶太「(よくねぇよ、別に。つーか、質問と関係ない話ばっかしてる…)」

 ――――え、えっと、質問のほうを…

真琴「あ。えっと、俺は智紀さんって呼んでるよー。慶太は?」
慶太「え…相川さん、て」

 ――――「相川さん」と…

慶太「は、はぁ」

 ――――……………………

慶太「え、ダメ?」
真琴「……慶太だけだね、名字で呼んでるの」
慶太「…………」


 ――――えー、これにてメインカプに質問祭り、第1問を終了しますー! じゃね!





 何これ…。そういえば、慶タンだけが、相変わらず名字で呼んでるなー、と思って。彼が恋人なのにね。。。


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勝手にランキング お酒の強い人編


 ――――さぁ、行ってみましょう、勝手にランキング!! 今回のテーマは、「お酒の強い人ランキング」です! では、どーぞ!!


第1位 藤崎真琴 ←ぶっちぎりのダントツ。

第2位 相川智紀 ←普通に強い。飲み会とか合コンもよく出るし。

第3位 春原拓海 ←たぶん平均並み。お酒の失敗もありません。

第4位 小沢遥斗 ←飲めるけど、体が資本なので、あんまり飲まない。

第5位 久住慶太 ←普段飲まないから、よく分かんない。そんなに飲みたいわけでもない。

第6位 橘悠也 ←めっちゃ弱い。ビール1杯もやっと。でもお酒好き。


 ――――まこちゃん、ぶっちぎりの1位ですね!

遥斗「マコ、相当お酒強いよね」
真琴「うん。お酒大好き! 何でも飲めるよ」

 ――――意外な感じもしますが…?

真琴「そうかな? 俺、普通だけど…」
慶太「でもこの間、みんなが酔い潰れても、お前だけ普通だったよな。俺、飲んでなかったから良かったけど…」
真琴「みんなが弱いんだよ! でも慶太、何であのとき飲まなかったの? 慶太だって、飲めないわけじゃないのに」
慶太「え、別に…。だってお前と一緒に飲むと、何か大変だもん。お酒飲まなくたって、いられるし」
真琴「付き合い悪い!」
慶太「最後まで付き合ってやっただろ!!!」


 ――――続いて第2位に智紀さん、第3位に拓海さんですが。智紀さん、いかがですか?

智紀「俺? 俺こそ普通じゃね?」
拓海「多分、1位と2位の差はすごいけど、俺とトモはそんなに違わなくない? 飲む量とか」
智紀「たぶん、申し訳ないくらい普通だよ。普通に飲めるくらい」

 ――――そうなんですか? 飲み会とか、何かいっぱい出てそうですが…。

智紀「……だから? それはどういう振り?」
慶太「そういえばこの間も楽しそうに合コン出かけて行きましたね」
智紀「ッ…!!!」

真琴「えー、智紀さん、慶太がいるのに、合コン行くのー? ひどいー」
智紀「ちょっバッ違うって! 拓海助けろ! …て、おい!」
拓海「トモ、ヒドイー」
智紀「(てめー!)」


 ――――え、えーっと、気を取り直して…。ちなみに上位3人のかた、酔うとどうなりますか?

真琴「どうなる? 俺、どうなるかな?」
慶太「そんなに変わんないよ。普段からテンション高いし」
真琴「それ、いい意味で言ってるよね?」
慶太「…………」

智紀「だから普通だって。まぁ飲んでるんだから、それなりにテンションは上がるだろうけど…」
拓海「智紀は酒癖悪いタイプじゃないよね、確かに。潰れた子の面倒も見るし(女の子限定で)」
智紀「……お前、心の中で、何か付け加えただろ、今」

悠也「拓海も酔っ払っても、あんま変わんないよね。つまんない」
拓海「え!? 何、つまんないって…」
悠也「俺も拓海が潰れるとこ見たい」
拓海「いや、見たいって言われても…(悠ちゃんのほうが先に潰れるじゃん…!!)」


 ――――では、続いて第4位に行きたいと思います。遥斗さん、いかがですか?

遥斗「あ、はい。飲めますけど、普段は節制してます」
真琴「はーちゃんが酔っ払ったとこ、見たことない。何で飲まないの?」
遥斗「一応、体が資本だから」
真琴「そうなの? やっぱお酒飲むとダメ? 俺もお酒やめたほうがいい?」←上目遣いで覗き込み(無意識)
遥斗「ん? い、いやっ、飲み過ぎないように気を付ければっ…!」
真琴「ホント?」←ジー…
遥斗「ホント、ホントだってっ(マコがかわいい…!!)」

拓海「あの、一応俺らもいるんだから、こんなことでドキドキしてないでよ…」


 ――――第5位は慶太くんですが、お酒はどのくらい弱いほうですか?

慶太「弱いっていうか……何か別にそんなに飲みたいとも思わないんで」
真琴「何で飲まないの?」
慶太「今言ったよ」

智紀「あぁ、何かこいつが酔っ払ったとこ見たことないと思ったら、飲んでないのか!」
拓海「え、今ごろ気付いたの?」
智紀「グッ…。じゃ、じゃあ、今度は飲み明かそう!」
慶太「…………あ、はい」
智紀「(全然乗り気じゃない!!!)」


 ――――最後は、悠也さんですが……そんなに弱いんですか?

拓海「あー…はい。まぁねぇ。危なっかしくて、外で飲ませらんない」
悠也「うん。俺も反省した、もう外で飲まない」
拓海「……何かあったの? (最近一緒に外で飲んでないよね?)」
悠也「こないだ外で酔っ払って、知らない人について行きそうになった」
拓海「ッッッ…!!!!???? 何それ!! 俺、聞いてないっ!!!」←椅子を蹴散らして、スタンダップ。周囲も騒然
悠也「うん、今初めて言った」
拓海「どどどどどこの男に!? 何!? ナンパ!!??」
悠也「どこの男っていうか……女だけど」
拓海「女ぁ~!!!??? 悠ちゃん、もうホント気を付けてよ!!! お願いだからっ!! ねぇ!!」
悠也「う、うん…(何か拓海が必死すぎて、突っ込めない…)」

真琴「悠ちゃん、お酒飲んでて、女の人にナンパされたの?」
悠也「えー…ナンパって言うかぁ、気が付いたらラブホに…」
拓海「悠ちゃんっ!!!」
悠也「大丈夫だって、ちゃんと中に入らないうちに出てきたから! もう、拓海しつこい!」

智紀「("ついて行きそうになった"じゃなくて、ついてってんじゃん…)」
真琴「(悠ちゃん、しつこいって…拓海は何も悪くないと思うよ…)」
遥斗「(拓海も苦労してるんだな…)」

拓海「わぁーん、悠ちゃーん!!!!」
悠也「うっさい、泣くな!」

慶太「……何か、春原さんが壊れた…。いつもと違う…ショック!」
智紀「いや、昔からずっとこんなだったぞ、こいつ」
真琴「うんうん」


 ――――え、えっと、何か収拾がつかなくなってきたんで、この辺で! チャオ☆





 くだらないことばっか書いてて、すみません…。

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この月が昇らなくなるその日まで、ずっとずっと一緒にいよう


 夜の海。
 人影もなくて、揺れる波にいびつな形の月がポッカリと落ちていた。

 こんな時期に『海に行きたい』だなんて言うから、どんだけセンチメンタルな気分に浸ってんだろうって思ってたのに、着いてみれば、悠ちゃんは裸足になって無邪気に波と戯れている。

「拓海ー、何やってんだよー、早くー」

 両手を振って俺を呼ぶ悠ちゃん。ホント、子供みたい。
 俺は脱ぎ捨てられている悠ちゃんの靴を持って、波打ち際に向かう。

「水、冷たいでしょ?」
「へーき。拓海も」
「俺はいいよ。あーホラ、ジーンズ濡れてる」

 適当に捲り上げた悠ちゃんのダメージジーンズは、裾がすっかり濡れてる。俺は悠ちゃんの体を引き寄せた。

「あぁん、何?」

 急に腕を引いたもんだから、バランスを崩した悠ちゃんの体は、すっぽりと俺の腕の中に収まる。バシャバシャと水飛沫が上がって、俺のジーンズまで濡れた。

「拓海ー?」

 クリクリした目で覗き込んでくる悠ちゃん…………かわいい……。

「もうおしまい。風邪引いちゃうでしょ?」
「何で? 平気なのに」

 プクッと頬を膨らませて…………子供みたい。
 潮風に揺れる悠ちゃんの髪を梳いて、細い体を抱き締める。

「拓海?」
「好き」

 耳元で囁くと、おずおずと悠ちゃんが俺の背中に腕を回してきた。

「俺も、好き、だよ…」

 悠ちゃんのふわふわの髪にキスを落として。

「拓海、」
「ん?」
「寒い…」

 やっぱりね。
 風も冷たいし、水も冷たいし、足は濡れちゃってるし、寒くないわけがない。

「もう、帰ろう?」
「や、」
「寒いんでしょ?」
「寒い……だからもっとギュッとして……」

 ―――……あっためてくれる?

 悠ちゃんは聞こえるか聞こえないかくらいのちっちゃな声でそう言って、俺の肩口に顔をうずめた。

「りょーかい」

 月明かりの下。
 恥ずかしながらかわいいことを言ってくれる悠ちゃんの体を、抱き締めた。
 心地良い体温と、波の音。





 悠ちゃんが、いつもあんまりにもなんで、ちょっこっと素直な感じにしてみました。拓海くんのこと、好きなのよ。
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ジキタリス INDEX


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ジキタリス 01


 最悪な日だ。
 女に振られた。
 別に付き合ってたわけじゃない。遊びの関係。
 でも最後は引っ叩かれた。
 痛い。

『女なんて嫌いだーーー!!』

 なんて叫ばない。

 女の子は大好き。
 でも面倒くさい。

 恋は面倒くさい。愛も。
 たぶん、いらない。



 だってそんなのなくても、気持ちいいこと、出来るでしょ?
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ジキタリス 02


 別に、見るつもりなんかなかった。偶然だった。
 ていうか、出来ることなら見たくはなかった。

 モデル仲間の、キスシーン。




***

 適度に照明を抑えたクラブの店内。
 音楽。
 会話。
 雑音。
 1人、ナツを待つ俺。

 店の隅っこ。
 寂しい。
 誰にも気付かれないのは気楽だけど、1人はヤダ。ナツ、早く来て。

 ナツが来たら、いっぱい慰めてもらおう。
 そして出来たら、かわいい女の子を紹介してもらおう(いっぱいエッチさせてくれる子)。




(――――あれ…?)

 ナツ遅いー、てグダグダしてた俺の視界に入った姿。
 女の子じゃないのに、俺が気を留めたのは、それが見知った男だったから。

 親友でモデル仲間のナツとか蒼ちゃんが、「ヒロ」って呼ぶ子。
 同じ事務所に所属してるモデルさん。
 真面目そうな雰囲気が、俺とは、まるで違う。

 ちょっとしたイタズラ心が湧き上がる。
 声掛けたら、きっとビビるだろうなー、って。
 だって、今まで殆ど喋ったことないのに。こんなトコでいきなり声掛けたら、どんな顔すんの?

 トイレにでも行くのかなって、後をついてったら、ヒロはトイレのドアの前を通り過ぎて、裏階段のほうへ行く。
 何で?
 こっから先は、従業員さんじゃないとダメ。

 足音を忍ばせて。
 必死に気配を殺して。

 そっと覗いた、その先。





 ヒロは、知らない男と抱き合って、キスしてた。
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ジキタリス 03


 It's very shocking!


 ヒロと誰か知らない男のキスシーンを目撃した俺は、必死に手足に命令して回れ右をして、席に戻った(だから2人がその後どうしたのかは、知らない)。

 ナツが来て、慰めてもらったけれど、女の子は紹介してもらえなかった。
 だからいっぱいお酒を飲んだ。

 ううん、そうじゃない。
 女の子は、もうどうでもいい。
 そうじゃなくって、きっと、あのキスシーンを忘れたくて。

 ナツが止めるのも聞かずに、いっぱい飲んで、酔い潰れた。


 バカな俺。




***

 うぅ…気持ち悪い。
 完璧な二日酔い。

「正真正銘のアホだね、お前」

 呆れ果てたナツの声。
 それでも見捨てずいてくれるなんて、ナツが親友でよかった。

「女に振られたくらいで、酔い潰れるほど飲むか?」

 だから、そうじゃないの。
 言ってもきっと信じてくれないと思うけど、昨日ね、ヒロがね、男の人とキスしてたんだよ。ホントだよ。

 でもこのことは、きっと誰にも言っちゃいけないんだって、バカな俺にでも分かる。
 いくらナツが親友でも、たぶんダメ。
 あぅぅ…こんな秘密抱え込んだまま生きてくなんて、俺には無理。

 ヒロ、見られた相手が悪かったよ。
 くだらない週刊紙の記者じゃなくて何よりだけど、でもそのかわり俺だもん。


 覚悟しとけよ?
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ジキタリス 04


 チャンスはすぐにやって来た(やっぱり俺はついてる!)



 雑誌の取材かでナツと蒼ちゃんとヒロの対談に俺のことが話題に上ったのに託(かこつ)けて、ヒロに会わせるよう、ナツにねだった。
 ナツはちょっとビックリしてたけど、「ヒロ、驚くよ~」て、いたずらっ子の顔で、快く引き受けてくれた。

 ナツがセッティングしてくれた日。
 蒼ちゃんも誘った。

 ナツがヒロを連れてくる。
 蒼ちゃんと俺がいることは内緒。ナツはただヒロをビックリさせたいってだけで、それ以上の他意はないけど、俺は下心、ありあり(エッチなほうの意味じゃないよ。だってヒロは男)。

 場所は、あの日と同じクラブ。
 偶然にも、席まで同じ。

「蒼ちゃん、よくヒロと遊ぶの?」
「遊ばない」
「メシ、一緒に行ったんでしょ?」
「行った。それだけ」

 蒼ちゃんは、ピコピコ、ケータイいじってる。

「蒼ちゃん、彼女、元気?」
「元気」
「相変わらず、胸デカイ?」
「デカイよ」

 いいなぁ。

「お前にはやらんぞ」

 あ、思ったことが口に出てた。

 ポケットの中の携帯電話が震える。
 ナツからだ。

「もうすぐ着くって」
「ふぅん」

 いいなぁ、胸のデカイ彼女。
 でも、蒼ちゃんのだから、横取りはしない。
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ジキタリス 05


 ナツと一緒にやって来たヒロは、予想どおりの反応だった。
 蒼ちゃんがいるのに驚いて、それから俺の存在に気が付いた瞬間、おっきな目ん玉が零れ落ちるくらいに目を見開いて、ビックリしてた。

「え? え?」

 キョドキョド。
 俺ら3人を見回すヒロ。

 ナツと蒼ちゃんは大爆笑。
 俺もつられて笑う。
 状況を把握できてないヒロだけが、口をポカンと開けたまま呆然としてる。

「いや、ヒロを蓮(レン)に会わせたくて」

 笑いながらも、ナツが事の次第を説明してやる。
 こないだ雑誌の対談で話したことが、知らぬ間に勝手に実現させられてしまっていたのだとようやく理解したらしく、「はぁ~」なんて気の抜けた声を出して、ヒロは俺の横に座った(ナツが蒼ちゃんの隣に座ったから)。

「……どうも」

 ペコリ、頭を下げるヒロ。
 世間のイメージどおり、真面目そうな雰囲気が伝わってくる。

 でもこの前、ここの裏階段のトコでキスしてたけどね(男と)。

「ヒロ、何飲む?」

 ナツに聞かれて、ヒロは「ウーロン茶」なんて、つまんない返事をしてる。

「もう、20歳過ぎたんだろ?」
「そう…ですけど」
「酒、飲めないの?」
「そういうわけじゃ…」

 俺としては、普通に聞いてただけなのに、ナツに「蓮、あんまり絡むなよ」て咎められた。
 この間の失敗があるから、当分はお酒のことでナツには逆らえない。仕方なくドリンクメニューを引っ込めた。
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ジキタリス 06


 トイレに向かったヒロを追い掛ける。
 この前と違って、ヒロは裏階段のほうには行かなかった。
 トイレの前で待ち伏せる。

「え、」

 出てきたところで声を掛けたら、ヒロは大げさなくらい肩を跳ね上げた。

「な…何ですか?」
「はい」
「え? あ、これ俺の…」

 そんなに大きくないバッグと、ニットキャップ。ヒロの。
 席立つときに、自分のと一緒に持って来た。

「出よ?」
「え? だってナツくんたち…」
「いいから」
「お金…」
「平気だよ」

 ナツたちには、適当に言って抜け出してきた。
 それにしても、お金の心配するなんて、ホントに真面目だね(こういうときは、素直に先輩に奢らせておけばいいんだよ)。

「別のトコで飲み直そうよ」
「2人で、ですか?」
「ヤダ?」
「いや、そうじゃなくて…」
「だってヒロ、ナツとか蒼ちゃんがいたら、お酒飲めないでしょ? だから2人だけで飲も?」

 何だか、気のない女の子を口説いてるみたい。
 でも、後もう一押し?

「ね?」

 笑顔で詰め寄れば、ヒロは無言で頷いた。
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ジキタリス 07


 向かったのは、俺の行き付けにしてる店。
 さっきよりもずっと静かで、人も少ない。
 ヒロがそわそわ落ち着かないのは、俺と2人きりだから? それともこういう雰囲気に慣れてない?

「何飲む?」
「…、」

 ヒロは困ったように眉毛を下げた。
 今度は、「ウーロン茶」って言っても、助けてくれるナツがいない。

「あんまり強くないのを…」
「お酒、弱いんだ?」
「……たぶん。普段、飲まないんで」
「ふぅん」

 俺は大体飲むのが決まってるし、何が弱いのかなんてよく分かんないから、アルコールが弱い女の子が前に頼んでた何とかサワーっての、ヒロのために頼んでやった。

「でも、」
「ん?」
「ナツくんたち置いて来ちゃって、ホントに良かったんですか?」

 まだそんなこと言ってるの?
 挨拶もなしに帰ってきたの、そんなに気になる?

「いいの。俺がちゃんと言っといたから」

 ヒロと帰るって言ったときの、ナツと蒼ちゃんの驚いた顔。
 ホント、笑っちゃう。

「そんなの気にしなくていいから、飲も?」

 そう言って、到着したグラスを傾ければ、ヒロは少し視線を彷徨わせた後、グラスを手に取った。
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ジキタリス 08


 アルコールに弱いと言ったヒロの言葉は嘘ではなくて、2杯めを半分も空けないうちに、顔を赤くしてる。
 切り出すなら、今だ(これ以上飲ませたら、きっと話どころじゃない)。

「ヒロ、あのクラブ、よく行くの?」
「え?」

 トロリとした瞳が、俺を映す。

「さっきのトコ。行くの、今日が初めてじゃないよね?」
「…」

 酔いの回った表情が、徐々に正気を取り戻していく。
 俺の言葉の真意を、探ろうとしてるの?

「―――――……その話がしたくて、俺を誘ったんですね?」

 頭のいい子。
 何の話か、すぐに分かったみたい。

「見ちゃった。ヒロがキスしてるとこ」
「…………トイレの脇の、裏階段」
「そ」

 意味を含ませて笑い掛けたのに、ヒロは表情を変えない。

「そうですか。見ちゃったんですか」
「…、」

 今度は逆に、ヒロが深い笑みを浮かべる。

「でも俺も、見ちゃったんですよね」
「…え?」
「あの日、蓮くんが女の子に引っ叩かれてるの」
「、」
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ジキタリス 09


 嫌な感じだ。
 ヒロに、優位を取られてるみたい。



「俺、あぁいう修羅場、見たの初めて」
「うるせぇ」
「サイテー、て言われてた」
「うるせぇっつの」

 思い出したくもない過去を、引き摺り出しやがって。

「そんなに怒らないでくださいよ」
「お前のせいだろ?」
「先に仕掛けてきたのは、蓮くんですよ」

 氷が融けて薄まったサワー。
 クルクル。
 グラスを揺らして、楽しそうなヒロ。
 俺は、楽しくない。

「そうだよ、お前が男と楽しく乳繰り合ってたころ、俺は女に振られて酒飲んでぐれてたんだよ」
「乳繰り…」
「そこで照れんなよ」

 てか、"男と"ってとこ、否定も誤魔化しもしないのな。

「アイツ、彼氏なの?」
「そうです」
「ヒロって、ホモだったんだ」
「はい」
「女の子、嫌いなの?」
「好きですよ。昔は女の子と付き合ったこともあるし」
「セックスとか」
「どっちと?」
「女の子」
「しましたよ」
「男は?」
「します」
「ふぅん」

 変なの。
 真面目なはずのヒロと、セックスの話、してる。

 ナツとか蒼ちゃんとか、知ってんのかな? 知らないだろうな。
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ジキタリス 10


「じゃあさ、仕事とかやりづらくねぇ?」
「何で?」
「だって周り、男ばっかじゃん」
「仕事相手に、変な気持ちにはなりませんよ」
「ユウトとか」

 ユウトも、同じ事務所に所属してるモデルさん。
 コイツら、気持ち悪いくらい、仲いいし。
 でもあのとき、ヒロとキスしてた相手は、ユウトじゃなかった。

「ユウトはただの友だちです」
「あんなに仲いいのに?」
「蓮くんだって、ナツくんとか蒼くんと、仲いいでしょ?」
「でも俺、ホモじゃねぇし」

 ナツも蒼ちゃんも、みんな大好きだけど、すっごく仲いいけど、でも別に、恋愛感情じゃない。
 だって、みんな男だし。

「じゃあさ、ヒロが今、こーやって俺と2人っきりで飲みに行くのって、浮気になるの?」

 俺が、他の女の子と2人きりで出かけたら、浮気だって怒られたよ(別に付き合ってたわけでもないのに)。
 ホモのヒロは、他の男と2人きりになったら、それって浮気なの? 相手が女の子ならOKなの?

「人それぞれじゃないですか? 俺は他の男と出かけても、怒られたりはしないですけど」
「ふーん」

 だよね。
 じゃなきゃ、あんなにしょっちゅうユウトと遊んだりなんかしないよね。

「ヒロ、その人のこと、好きなの?」

 変だな。
 何でこんなこと、聞いてんの?
 ヒロの恋人なんか、別にどうだっていいのに(だって男だし)。

「好きですよ」

 でもヒロは。
 真面目だから(あんなトコでキスするような子だけど)。
 律儀にちゃんと、答えてくれる。

「蓮くんは」
「うん」
「あんまりそういうの、好きじゃななそうですね」
「そういうの、て?」

 薄まったサワー。
 そんなの、飲むなよ。
 もう水の味しかしないだろ?

「"好き"とか、そういうの」
「うん」

 だって、面倒くせぇじゃん。
 そんなの別になくたって、胸がおっきくて、かわいい女の子と、気持ちいいこと出来るし。

「でも、そういうのも、いいですよね。蓮くんみたいの」
「何が?」
「そういうふうに考えられたら、楽だなぁって」
「バカにしてんのか?」
「褒めてるんですよ」

 ウソばっか。
 褒められてる気、全然しないし。

「まぁ、今日のところは、痛み分けってことで」

 ヒロは笑ってそう言ったけど。
 俺はバカだから、その言葉の意味も分からなくて、何も言わずにグラスを空けた。
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ジキタリス 11


 それからしばらくヒロに会うことはなくて。
 その間に俺は、彼女が出来て、別れて、新しい彼女が出来て、また別れた(彼女じゃない女の子とも、エッチなことをしてしまったのは、内緒)。




***

 ナツとかじゃない友だちと飲みに行った、帰り。
 久々に見かけたヒロは、酔い潰れて、路地裏のゴミ置き場に突っ伏して眠っていた。
 モデルさんなのに。(大変だ!)

「ヒロー」

 ゆさゆさ。
 肩を揺さぶれば、ヒロは一瞬だけ目を開けたけれど、すぐにまた寝てしまった。
 仕方がないから、表通りまでヒロを引っ張っていって、タクシーを拾う。

 でも、困った。

「ヒロ、お家どこ?」

 ヒロの家が分かんない。

「ヒロー、お家」
「…ん、おうち、あっち…」
「あっち」

 あっちって、どっち?
 タクシーの運転手さんが、早くしろよ、て顔してる。

「ヒロ、」
「…ぅん」

 返事だけして、ヒロは再び寝てしまった。

 行き先は、俺の家。
 本当は実家に帰ろうと思ってたのに、マンションに向かうしかない。(ママに会えないぜ!)
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