恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

2015年06月

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心臓だけを狙っている (16)


「――――でね、壁ドンの練習してたら、真大がちょうど来ちゃってさぁ。真大が出てっちゃったの、ショウちゃんが追い掛けてっちゃった」

 あははーとのん気に笑いながら話を締め括った蒼一郎に、郁雅は呆れの交じった顔で、口元を引き攣らせた。

「いや…、お前それ、そんな明るく言えることじゃねぇだろ…、真大と山口くんに対しても、俺に対しても」

 和衣が置いていった雑誌から、壁ドンの話題になったところまではいい。壁ドンをしてみたいという願望を持つのも、蒼一郎の勝手だ。
 しかし、それをどうして翔真相手に練習することになるのだ。おまけに真大に見られるとか。
 目撃した真大が部屋を飛び出し、それを翔真が追い掛けて行ったなんて、その2人に待っているのは、ちょっとした修羅場なのでは…? と思うのは、郁雅の考え過ぎだろうか。

 というか、練習とはいえ、翔真相手に壁ドンをしたことを、笑いながら恋人に話すとか、デリカシーがないにもほどがあると思うんだが、それこそ郁雅の気にし過ぎか?

「でも、練習だし」
「本気で他意がないところが、お前だよな」
「タイ?」

 翔真と真大の中をどうこうしようとか、郁雅にヤキモチを妬かせようとか、そんなことは一切なく、本当にただ単に練習してみただけなのだ、蒼一郎は。

「何、タイて。何急に。タイがない? …………あぁ、鯛!?」
「いや、もういいよ」

 そうか、他意の意味も分かっていなかったか…。
 絶対に言葉の意味とかいろいろ勘違いしているのは分かったけれど、説明するのも面倒なので、郁雅は話を終わらせた。

「だってさぁ、イクに壁ドンしたとき、カッコ悪かったら嫌じゃん?」
「何やる気になってんだよ。しなくていいよ」
「何で、何でー? せっかく練習したのに」
「そうだな。そのおかげで、一組のカップルが今、きっと大変なことになっているだろうけどな」
「へ?」
「…何でもない」

 すっかりやる気になっている蒼一郎に、郁雅は溜め息をつく。
 これは、やりたくないという主張を通すよりも、1度やらせたほうが、蒼一郎の気が済んで、手っ取り早いかもしれない。



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心臓だけを狙っている (17)


「じゃ、じゃ、立って?」
「あのさ…」

 蒼一郎はウキウキとした様子で立ち上がるが、何かの余興や企画ならともかく、恋人同士なのに、壁ドンするから立って、とか、ムードとかそういうことはいいんだろうか、と突っ込みたい。
 しかし、これでこそ蒼一郎なのだと思い、郁雅は言葉を飲み込んだ。

「イク…」
「………………」

 仕方なく郁雅も立ち上がって壁に寄り掛かると、さっそく蒼一郎は片手を壁に突くが、やはり状況が状況だからか、恋人からの壁ドンだというのに、残念ながら、さっぱりドキドキしない。
 やはり、これから壁ドンをするという事前予告がよくなかったのだろうか。

 だが、壁ドンを取り上げた番組などを見ていると、これから壁ドンされると分かっているシチュエーションにもかかわらず、壁ドンされた女性タレントや芸人は、相当ドキドキしているように見える。
 それと、今の自分の状況と、何が違うのだろう。
 蒼一郎が、そこまで様になっていないとは言わないから、もしかしたら、自分がクールすぎるんだろうか。

「ねぇイクー、もっと『キャッ』みたいな感じになってよー」
「どんなだ」

 いや…、自分のせいじゃないな。
 蒼一郎が、ムードを出すのが下手過ぎるんだ。

「なぁ蒼…、気ぃ済んだ?」
「えぇー! ちょっイク! ダメダメ! 全然ドキドキしてないじゃん!」
「しねぇよ」

 この状況で、どうドキドキしろと言うのだ。
 蒼一郎のこんなことに付き合わされて、真大にキレられた翔真に、ご愁傷様と言ってやりたい。そして郁雅からも、心から謝りたい。

「せっかく練習したのに…」

 シュンとしつつも、蒼一郎は腕を解いた。

「あ、分かった! イク、壁ドンして!」
「はぁっ?」



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心臓だけを狙っている (18)


 ようやく諦めたか…と、郁雅がホッとしたのも束の間、蒼一郎がまた斜め上を行く提案をしてきたので、声を大きくせざるを得なかった。
 そんな、すごい名案を思い付いた! みたいな顔をされても…………一体、何が分かったというのだ、本当に…。

「してよぉ~壁ドン、俺もドキドキしたい~!」
「お前、ホンッ…………トに、バカだな」
「そんなに溜めて言う? イクちゃん…」

 こんなことに付き合わされて、挙げ句に恋人である真大の怒りも買って…………翔真に同情を禁じ得ない。
 郁雅は何度目になるか分からない溜め息をついてから、腰を下ろしてテレビのリモコンを手にした。

「ちょぉ~イク~」

 反対方向を向いている郁雅の前にわざわざ回り込んで、蒼一郎はユサユサと肩を揺さぶって来る。
 別にそんなにテレビが見たいわけではないが、そうされるとテレビは点かないし…………鬱陶しい…。

「イク~」
「あぁ~もうっ!」
「うわっ」
「ちょっ危ねっ」

 しつこい蒼一郎を振り払えば、しゃがんでいただけの蒼一郎はバランスを崩し、それだけならまだしも、郁雅の腕に掴まったりするものだから、結局郁雅もろとも床に倒れるはめに。

「お前なぁ…」

 引っ繰り返った蒼一郎の上に倒れ込みそうになったのを、郁雅は蒼一郎の両脇に手を突いて何とか堪えた。
 そのまま上に乗ってしまえば、さすがに蒼一郎も重いし痛いだろうから、郁雅がそうしたのは、正しい判断だったに違いない。いや、もっと言えば、この体勢になったのは、そういう意味でしかなかったのだ。

「イク…」
「え? 何? どっかぶった?」

 実を言えば、郁雅も膝をぶつけて、ちょっと痛かったのだが、仰向けに倒れた蒼一郎のほうが、頭を打ったかもしれない可能性もあったわけで、名前を呼ばれて郁雅はちょっと焦った。



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心臓だけを狙っている (19)


「ヤバい、イク、俺…」
「え、嘘っ」
「俺、超ドキドキする…」
「……………………おい、」

 どこかぶつけたのかと本気で心配したというのに、そんな明後日な返事を返されて、恋人相手だというのに苛立ちが増す。
 いや、もしかして、本当に頭をぶつけたからこその、このとんちんかんなセリフなのか。

「だって、これって床ドン!?」
「は?」
「やぁん、イク、大胆~!」
「バッ…お前、ホント、バッカじゃねぇのっ? ギャッ」

 郁雅がこうしたのは、そのままの勢いで倒れ込んで、ケガでもさせないようにとの咄嗟の判断だっただけで、別に壁ドンだの床ドンだのして、蒼一郎を喜ばせたかったからではない。
 だが、結果、床ドンになってしまったのは事実で、郁雅は慌てて起き上がろうとしたが、それよりも早く蒼一郎が郁雅の背中に腕を回して抱き寄せたので、それは叶わなかった。

「ちょっ…蒼!」
「イク、好き~」
「分かったから離せって、蒼っ」

 郁雅はジタバタもがいてその腕から逃れようとするが、床ドンにドキドキ胸キュンになった蒼一郎の、郁雅を離したくない腕の力は思いのほか強くて、まったくの無駄な抵抗になってしまう。

「俺、分かったよ、イク! 壁ドンがドキドキしなかったわけが。壁ドンより床ドンだ!」
「知るか、アホっ」
「イク、大好き~っ」

 何を言っても噛み合わない返事しかしない蒼一郎に、郁雅の苛立ちはピークどころか、むしろそれを通り越して、呆れではなくいとおしさすら湧いて来るから、不思議なものだ。
 郁雅にしたら不本意だった床ドンだが、そこからのギュッに、もう観念するしかなかった。

「…俺も好きだよ」

 それだけ言って、郁雅は蒼一郎の肩口に顔をうずめた。
 床ドンの威力、恐るべし。



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心臓だけを狙っている (20)


*****

「だからさぁ~、もっかいそんなふうになんないかなぁ、て思ってるわけ!」
「あっそ」
「むぅ~…、むっちゃん、冷たい…」
「いや、だって…」

 前にも偶然祐介に壁ドンされたことがあるけれど、またそんなふうに壁ドンされたいけど、どうしたらいいかなぁ? …という問いに、一体何と答えればいいのだ。
 和衣のそんな乙女的妄想の実現のために、睦月が尽力してやる義理はない、勝手にしろ。

「むっちゃんだってされたいでしょ? 壁ドン。ドンッ、て」
「そうか…?」

 流行とかにはあんまり興味のない睦月も、壁ドンくらいは知っている。
 でも、そういうのはマンガとかドラマの中の世界のことで、そうでなければ単なるネタだと思っていたのだが、本気でリアルにやってほしい人がいたとは…。
 睦月は呆れと尊敬の気持ちを抱きつつ、向かいの席の和衣を眺める。和衣はただでさえ食べるのが遅いのに、喋るのに夢中で、睦月が食べ終わってもまだ、半分くらいピラフが残っている。

「分かったからカズちゃん、早く食べて」
「ホントに分かったのぉ~?」

 軽くあしらわれて、和衣は唇を尖らせつつも、ピラフを頬張った。
 バイトの後に寄ったいつものカフェSpicaで、いつものように(和衣の一方的な)ガールズトークを繰り広げる2人に、亜沙美は微笑みながらグラスに水を注ぎ足す。

「あ、ありがとーございまーす」
「ふふ…、うふふ…」

 グラスに水を入れてもらった和衣が、笑顔で礼を言うと、亜沙美は笑みを深くした。
 睦月も和衣も分かっていないが、亜沙美のその笑顔の意味に気付いている譲は、ヤキモキしながら、早く戻って来い! と心の中で念じている。

「あ、でも壁ドンなら、そうだな、あれ壁ドンだわ」
「えっ、むっちゃん、壁ドンされたの!?」
「ちょっカズちゃん、ご飯飛んだ!」

 ふと睦月が思い出して呟いた一言に、和衣は驚いてすぐに反応したが、口の中にピラフが入っていたものだから、それは真っ直ぐに睦月のもとへと飛んで行った。

「ゴメンゴメン。つか、むっちゃん!」
「声デカい」
「だって! ねぇ、壁ドン! されたの?」



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心臓だけを狙っている (21)


 この間、翔真の部屋で壁ドンの話になったとき、亮は壁ドンなんてしたことがないと言っていたけれど、やっぱりしたことがあったんだ。嘘つき! …と、和衣が膨れたのは一瞬だった。

「いや、した。俺が」
「えぇっ!?」
「声デカいってば、バカ」

 睦月が何か言うたびにいちいち声を大きくする和衣に、睦月はもう喋るのをやめようかと思ったが、和衣が食い付いて来るので、やめるにやめられなくなってしまった。

「だって、だって。え、むっちゃんがしたの? 壁ドン。亮に?」
「言われてみれば、あれ、壁ドンだわ」
「嘘…、亮、そんなこと言ってなかった…」
「まぁ、別にカズちゃんに報告する義務とかないからね」

 グラスに残っていた氷をガリガリと噛み砕きながら、睦月はあっさりとそう言うけれど、そんなの和衣は納得できない。
 壁ドンの話になったとき、亮は全然興味なさそうな顔をしていたけれど、こんなことがあったのなら、教えてくれたらよかったのに。

「カズちゃんの、その壁ドンの話、いつのこと? こないだ亮がショウちゃんの部屋行ってたときのこと?」
「むっちゃんが怖いDVD見てたときだよ。亮、怖いの見たくない~てショウちゃんとこ来たんだもん」
「その後だよ、亮が帰って来てから、何かいろいろウザくて、ドンッてなった。壁にドンッて」
「よく分かんない…」

 睦月なりに詳しく説明してくれているのかもしれないが、どんな状況なのか、まったくさっぱり分からない。
 とにかく、亮がウザかったから睦月は亮に対して壁ドンをしたみたいだけれど、和衣は祐介のことをウザいと思ったことはないし、祐介はもしかしたら和衣のことをウザいと思うことがあるかもしれないけれど、かといって、そんなことでは壁ドンをしてくれそうもないし、どうしたらよいものやら…。

「いや…、そこまで壁ドンしてもらいたかったら、普通にゆっちに言えばいいじゃん、壁ドンして、て」
「それが言えないから、困ってんじゃん!」
「でも、亮とかショウちゃんとか、俺には平気で言えるんだよね。カズちゃん、頭大丈夫?」
「大丈夫に決まってるでしょ!」

 亮や翔真や睦月は友だちだから言えるけれど、祐介は恋人だから言えないのだ。その辺の乙女心は分かってほしい。



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心臓だけを狙っている (22)


「じゃあ、俺が言ってあげよっか? ゆっちに。カズちゃんに壁ドンしてあげて、て」
「いいいいいいよ、そんなの、変じゃん!」
「変だけど、別に今に始まったことじゃないじゃん」

 何気に辛辣なことをサラッと言って、睦月は和衣の水のグラスにまで手を伸ばす。水が飲みたいというよりは、口寂しいので氷を口に入れたいようだ。

「つか、カズちゃん、食べ終わった? ったく、ただでさえメシ食うの遅いんだから、喋ってないで、食べるのに集中してよね」
「食べてるー!」

 話しやすいから、睦月にはいろいろ話を持ち掛けるけれど、壁ドンに関しては、睦月に相談しても、まったくの無駄だった。…いや、亮や翔真からも有益な情報は何も得られなかったけれど。
 みんな、壁ドンへの情熱がなさすぎる!

「ねぇカズちゃん。これからは、食べ終わるのが遅かったほうが奢ることにしよう」
「何それ! それ、超早くメシ食うだけになるじゃん!」
「じゃあ、喋ったら負け」
「何で!」

 和衣は、バイトの後とかに、こうして睦月とご飯を食べるのも好きだし、ご飯を食べながらいろいろお喋りするのが好きなのに、睦月の提案は、完全にその2つをないことにしようとしている。ひどい。

「とりあえず、今日はカズちゃんの負けね」
「何で今日からなの! 次からでしょ!」

 会計伝票を持たずに立ち上がる睦月を、和衣は慌てて追い掛ける。
 カウンターに近いせいだったせいもあるが、恐らくは和衣の声が大きかったせいだろう、2人の会話は朋文にも聞こえていたらしく、レジに向かうと、「今日のお会計はどうするの? 一緒でいいの? 別々?」と尋ねられた。
 睦月が聞こえないふりで、さっさと店を出ようとするのを、和衣は服の裾を掴んで引き止める。
 相変わらずな2人の関係を、朋文だけでなく、譲も微笑ましそうに見つめた(亜沙美は微笑ましくも、邪な視線を向けている)。

「ありがとうございましたー」

 キャイキャイ言いながら店を後にする2人を見送って、朋文はテーブルを片付けに行こうとした…………が、それを亜沙美に阻まれた。

「? 亜沙美ちゃん?」

 一応は店長である朋文でなく、バイトの亜沙美がテーブルの片付けに行こうというのか、しかし店内の仕事の役割的に、朋文と亜沙美は同格なので、気を遣ってくれなくてもいいのだが…。



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心臓だけを狙っている (23)


「てんちょー…、手を…」
「え? 手?」

 亜沙美に右腕を掴まれた朋文は、首を傾げる。
 何を始めるんだ? と、譲もその様子を眺めていると、亜沙美は朋文に右手を壁に押し付けた。

「え…、何?」
「壁ドン…」
「………………」

 どうやら先ほどの睦月と和衣の話の流れから、亜沙美は朋文にも壁ドンをさせたかったらしい。
 しかし、朋文と壁の距離が少々遠かったせいで、バランスが崩れて倒れそうになったのを何とか堪えた、みたいな格好になっていて、とても様になっているとは言い難い。
 しかも、壁ドンされる相手もいない状態だから、なおのこと。

「あの…、何かおかしくない?」
「そうですね…」

 困ったように亜沙美を見つめる朋文に対し、亜沙美はポツリと呟くと、クリンと譲のほうを振り返った。

「譲さん…」
「………………、!」

 呆然と2人の様子を眺めていた譲は、名前を呼ばれても、一瞬何のことか分からなかったが、亜沙美が笑顔になって1歩歩み寄ってきたことで、ハッと気付いて逃げ出そうとした。
 しかし、それよりも早く、亜沙美が譲の腕を掴んだのだ。
 振り解こうと思えば出来ただろうが、咄嗟のことにうまくいかず、しかも亜沙美も女の子にしては力があって、結局譲は引き摺られるように朋文のそばに立たされてしまう。

「亜沙美ちゃん…、力あるんだね」
「ええ…。でないと、薄い本を大量にゲットできな…」
「え?」
「…いえ」

 感心する朋文に、亜沙美は(一般人にとっては)謎のセリフを言って、譲を無理やり壁際に立たせた。
 朋文が体勢を立て直したおかげで、だいぶそれっぽくなってきた。

「…壁ドン……うふ」

 亜沙美は大いに満足そうな顔をしている。
 いや、これくらいのことで、そんなに嬉しそうな顔をしてくれるなら、それはそれでいいんだけれど、男同士の壁ドンなんか見て楽しいのかな? と和衣とはまた違った種類の乙女心を解さない朋文は首を傾げる。
 しかし、のん気な朋文と違って、譲のほうは切羽詰っていた。



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心臓だけを狙っている (24)


「つか、いつまでやってんだ、これ!」

 よく分かっていない朋文は、もしかしたら亜沙美がいいと言うまで壁ドンをやり続けるかもしれないが、譲としてはそういうわけにもいかないわけで、この変な空気を断ち切るべく、声を上げた。

「ああぁっ…、待ってください、写真をー…」
「アホかっ!」
「あぁ…、ならせめて、私の心のアルバムに刻み付けるまで、もう少しー…」

 祈りを捧げるように両手の指を組んで、亜沙美は壁ドンをしている朋文と譲を、眩しそうに見つめている。
 朋文は単に、亜沙美ちゃんおもしろいなぁー、と思っているだけなので平然としているが、譲は、自分では気付いていないかもしれないが、ほんのりと頬が染まっている。
 それがまた、亜沙美の心を燃え上がらせているのだが、今の譲に、それを察するほどの余裕はない。

「も…いいだろ、バカッ。お前もいつまでやってんだよっ」
「あっ、譲!」

 朋文の腕を無理やり払って、譲は朋文の壁ドンから逃げ出す。

「譲さん、大丈夫です…」
「あぁっ?」

 照れと苛立ちから、譲が柄悪く睨んでも、亜沙美にはまったく通じておらず、彼女の独特の笑みを浮かべている。

「私が帰った後、存分に壁ドンして……いえ、されてください…」
「おまっ…」
「ちなみに、壁ドンの後は顎クイですので、店長、よろしくお願いしますー…」

 唖然としている譲を通り越し、亜沙美は深々と朋文に頭を下げると、テーブルを片付けに向かうのだった。

「ねぇねぇ譲、顎クイて何?」
「うっせぇ、仕事しろバカ朋文!」
「え、えー、何で俺、こんなに怒られるの~?」

 亜沙美にあんなに熱心に頼まれたのだから、やったほうがいいのかと思って尋ねたのに、譲が真っ赤になって怒鳴るので、朋文はわけが分からない。
 それに、譲があまりにもあっさりと逃げ出してしまうものだから、全然壁ドンを堪能できなかった。



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心臓だけを狙っている (25)


「ねぇ亜沙美ちゃ~ん、顎クイて何~?」
「バッ…朋文!」

 譲が相手にしないものだから、朋文は、テーブルを片付けて戻って来た亜沙美に声を掛ける。
 慌てる譲をよそに、亜沙美は待ってましたとばかりに顔を輝かせた。

「店長…、こうです、こうっ…!」

 亜沙美にしては非常に珍しく機敏な動作でサッと譲の前に立つと、カウンターに左手を突いて、その間に彼を閉じ込めた。壁ドンの応用ということか。
 そして、反対の手で譲の顎を掴むと、その言葉どおり、クイと上を向かせる。

「ちょっ…おまっ…!」
「さぁ店長っ、どうぞっ…!」

 何事かと目を丸くしている譲をほったらかして、亜沙美は熱く朋文に訴え掛ける。
 こんなに生き生きした亜沙美を見るのは、正直、初めてかもしれない…と、朋文は何だか楽しくなってきた。

「バカかお前らっ」

 亜沙美が離れた隙に、朋文がそばに来る前に、譲は逃げ出そうとしたけれど、何と2人の息の合っていることか、譲にそんなことをさせない絶妙なタイミングで、亜沙美と朋文はそのポジションを交代した。
 何だかんだで乗り気になっている朋文を蹴り飛ばしてやりたくなったが、それもうまくいかない。
 朋文に再び壁ドンされた譲は、息が詰まりそうになる。

「…こう?」

 先ほど亜沙美がお手本を示したように、朋文は譲の顎を掴んでクイと自分のほうに向けさせた。

「なっ、ちょっ!」

 何なんだ、この展開は。
 どうして1日に2度も壁ドンをされ、さらには顎クイまでされて。
 こんなの、少女マンガでだって、あり得ない。

「あぁ…滾る…。神様ありがとう…」
「あ…亜沙美ちゃん…?」



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心臓だけを狙っている (26)


 この顎クイという行為にどれほどの力があるのか、先ほどまで散々喚いたり、口悪く罵ったりしていた譲は顔を赤くして固まっているし、亜沙美はなぜか神に感謝しているし、朋文にはもう何が何だか分からない。
 えっと…、とりあえず、この壁ドンと顎クイは、続けていたほうがいいのかな? それともやめたほうが…?

「………………いい加減に」
「ん?」
「しろー!!」
「ギャッ!」

 あ、やめたほうがよかったんだ――――と、朋文が気が付いた瞬間にはもう、朋文の体はきれいに後方に吹っ飛んでいた。
 ようやく我に返った譲が、力いっぱいこぶしを振り上げて、朋文を殴り飛ばしたのだ。何も身構えていなかった朋文は、その勢いのままに、ノックアウトされるしかなかったのである。
 朋文を殴り飛ばした譲は亜沙美を睨んだが、いくら憎くとも、女の子を殴るわけにはいかない。相手が亜沙美とはいえ、それはダメだ。どんなに頭に血が上っていても、その辺の理性を失わないところが譲だ。

「ひどいよ、譲~…」

 …その分の反動が、すべて朋文へと向かうわけなのだが。
 朋文は、床に尻もちをついて、譲に殴られた頬を押さえながら情けない声を出している。

「譲さん…、デレツン…」
「お前なぁっ、人が我慢してやってんのにっ、ホントにぶっ飛ばしてやろうかっ!?」
「うふふ…」
「………………」

 譲がどんなに凄んでも、まぁ大体いつも何でもないようにスルーしている亜沙美だが、今日は特に(彼女なりに)テンションが上がっているようで、全然耳に入っていない。
 さすがに譲も、やり場のない怒りを、そのまま胸の中に押し戻すしかない。

「痛いよぉ、痛いよぉ…」

 亜沙美は自分の世界へと旅立っているし、譲はすごく怒っているし、朋文はこんなに痛い思いをしているのに、誰も慰めてくれないどころか、相手にもしてくれない…。

「亜沙美ちゃんも笑ってないで、慰めてよぉ~…」

 誰も手すら貸してくれないので、朋文は殴られた顎を押さえつつ、自力で立ち上がった。
 亜沙美はジッと朋文を見つめていた。



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心臓だけを狙っている (27)


「亜沙美ちゃ…」
「ドメスティック、バイオレンス……ふっ…」
「いや、あの、亜沙美ちゃん…、笑いながら怖いこと呟かないで…?」

 バイオレンスはバイオレンスだったけれど、ここはカフェSpicaであり、ドメスティックではない。
 しかし、亜沙美にとって、そこはとくに問題ではないらしく、朋文が譲に殴られたことに、何か、いわゆる『萌え』を感じたらしい。

「ありがとうございます…、これで夏の新刊は…」
「は?」
「うふふ…、ありがとうございますー…」

 先ほどのように深々と朋文に頭を上げた亜沙美は、笑いながら帰り支度をすべく奥へと向かって行ったが、朋文はその背中に声を掛ける勇気はもうなかった。

「あの…、譲…」
「あぁっ?」
「ちょっ、怖いっ!」

 亜沙美には何の効果もなかった睨みも、朋文には非常に効果的だ。
 ビクつく朋文を見て、譲は少しだけ胸がスッとした。

「俺、亜沙美ちゃんに言われたとおりにしただけなのに、殴られてるし…」
「お前が悪い」
「何で、何で?」

 とはいえ、朋文だって、まさか亜沙美も殴られればいい、とは思っていない。
 しかし、壁ドンと顎クイをした代償が、こんなアッパーでは割に合わない。

「えっ…………何、譲…」

 後片付けに向かうのだとばかり思っていた譲が、クルリと向きを変えて朋文のほうに来たので、先ほどまでのこともあって、朋文は一瞬身構えてしまった。

「…悪かったな、殴って」
「え……」

 ボソッとした声だったが、譲から思い掛けない言葉を貰って、朋文はポカンと固まった。
 譲の手が、先ほどこぶしで殴られたその場所に、今度はそっと触れて来る。



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心臓だけを狙っている (28)


「…んだよ、その顔」

 申し訳ないと思って譲は謝ったのに、朋文が変な顔をしているから、ついムッとしそうになったけれど、そういうわけにはいかない。朋文を殴り飛ばしたことに関しては、全面的に譲が悪いのだ。

「いや、だって、急に謝るから」
「そりゃ謝るだろ。殴ったのは俺が悪かったし…。まぁ、お前が悪いんだけどな、もとは」
「えー、何で俺が悪いのぉ~?」

 素直に謝ったのが照れ臭かったのか、最後にはそう言って、譲はプイと顔を背けた。
 そんな譲がかわいくて、朋文は頬を緩ませる……と、その次にはすぐに、腹にパンチが飛んでくるわけでが。でも、全然痛くないので、単なる照れ隠しだろう。

「ゴメンね、譲」

 朋文は、そんな譲がいとおしくて、そっと腕を回す。
 壁ドンと言うほどではないけれど、カウンターとの間に譲を閉じ込めた。

「…何謝ってんだ?」
「だって、譲が、『お前が悪い』て言うから」
「つか、何して…、も…早く片付けろよっ…」

 そう言いながらも、譲は先ほどのように朋文を殴り飛ばすことはなく、もがいてその腕から抜け出すと、頬をほんの少しだけ赤らめて、今度こそ後片付けへと向かう――――その瞬間。

「ッ…!」

 あり得ないものを視界に入れ、譲は絶叫することも出来ずに、ビクリと固まった。

「譲? どうし………………亜沙美ちゃん、何してるの…?」

 譲の動きを不審に思って声を掛けようとした朋文は、奥の控え室からわずかに顔を覗かせて、微笑みながらこちらを見つめている亜沙美の姿を見つけた。恐らく譲は、それを見つけて固まったのだろう。

「お2人とも、どうぞ、お構いなく…」

 一体いつからそうしていたのか、そして、亜沙美にお構いなく何をしろというのか。
 朋文が対応に困っていると、目の前の譲の後ろ姿、肩がわなわなと震えているのに気が付いた。あ、ヤバい。譲の怒りが沸点に近い。

「、、、、お前ら~~~~~っっ!!!」
「えっ、えーっ! 今度こそ俺絶対悪くないっ!!!」
「うふふ…、萌え…」

 こうして、1人の男の怒りを頂点にまで達せさせた壁ドンからの一連の流れは、1人の女の萌えを心行くまで満たすのだった。



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心臓だけを狙っている (29)


 今や、女子たちの彼氏にやってもらいたい萌え行為の代名詞たる壁ドンも、この男、安喜隼人にかかれば、ヤンキーのカツアゲ風景にしか見えないから不思議だ。

「やってることは間違ってないのにねー」
「やかましわっ!」

 自分でやらせておいて、非常に残念そうな声を上げた翔真に、隼人は噛み付かんばかりに言い返した。
 ちなみに、隼人の壁ドンの相手をさせられているのは、隼人の想い人である湊だったが、残念ながら湊にドキドキした様子はない。ドキドキしているのは、隼人1人だけだ。

「大体、何でっ、こんなことっ…」
「いや、おもしろいかなぁ、て思って」

 声が裏返り掛けている隼人に、翔真はシレッと言い返す。
 先日、蒼一郎に壁ドンされ、それを真大に見られたことにより、いろいろな目に遭った翔真としては、壁ドンに対していいイメージと悪いイメージの両方を持っているのだが、それを隼人と湊にもやらせたのは、単におもしろがってのことだ。
 湊のことが好きすぎて、まったく何も出来ない、むしろ小学生のように意地悪をしてしまう隼人の恋路を応援するつもりはあるけれど、こんなことで湊が隼人の気持ちに気付くわけないということも分かっているので。
 もういっそ、この壁ドンで告白でもしてしまえばいいのに。

「湊、どう? 隼人の壁ドン」

 隼人に壁ドンをされても、顔色どころか表情一つ変えない湊は、恐ろしいまでに鈍感なのか、翔真が蒼一郎に壁ドンされたときのように呆れ返っているのか。
 どちらにしても、隼人のほうが先に限界を迎えそうだった。

「隼人くん、カッコいいですね! 何か、俳優さんみたいです」

 今まさに自分が壁ドンされている立場だというのに、湊はまるで傍観者のようにそう言う。しかし、ぱぁ…と笑顔になったところ見ると、隼人の壁ドンが様になっていたことには、いたく感動しているのだろう。

 隼人にとって、それはそれで大変喜ばしいことだけれど、それだけ…? とも思う。
 たとえ翔真に唆されて行った冗談の壁ドンとはいえ、まるで俳優のようだとまで言ってくれるのなら、もう少しドキドキしてくれてもいいじゃないか。
 いや、いくら壁ドンが、女の子の思う萌えシチュエーションだと言っても、その女の子ですら、好きでもない相手からの壁ドンには嫌悪感を持つらしいから、湊がここで全然ドキドキしないのも……と、隼人の思考はどんどん落ちていく。



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心臓だけを狙っている (30)


「…隼人くん? えっと…」

 壁に手を突いて自分の顔を見ていたはずの隼人が、いつの間にか俯いていて、湊は自分が何か仕出かしてしまったのだろうかと、困ったように翔真を見た。

「ちょっと隼人! 湊が困ってるよ」

 項垂れる隼人の背中を、おもしろがって翔真がバシンと叩く。
 そうは言っても、そもそもそんな困るような状況を作ったのは、翔真なのだが。

「…………」
「ちょっ隼人!」

 隼人は下を向いたまま、ズルズルと壁から手を離した。
 壁ドンをした隼人について、少なくとも湊は格好いいという褒め言葉をくれたわけで、別に嫌がっているわけでもないし、隼人が落ち込む要素などないはずなのに。

 しかし、あからさまに落ち込む隼人に、翔真はおもしろがり過ぎたか…と、ちょっと焦る。
 隼人だって、湊に会うまでは、恋なんて百戦錬磨の男だったわけで、こんなことを冗談で受け流せないような性格でもないはずなのに。

「いや、何でもない…。悪かったな、湊…」
「え? えっ!? 隼人!?」

 顔も上げずに、隼人はフラフラとその場を離れていく。
 一体どうしてそこまで!? と翔真は大いに慌てる。まさか、『湊が困ってるよ』という翔真の発言を真に受けたのだろうか。いや、その前から隼人は、少しずつだが落ち込み始めていた。

「隼人くんっ!」

 どうしよう…と翔真が焦っているうちに、隼人はどんどんと行ってしまう。しかし、そんな隼人の腕をグイと掴むものがあった――――湊だ。
 そんなことをされるとも思っていなかった隼人は身構えていなかったし、かわいい見た目とはいえ湊も男だからそれなりに力もあるので、隼人はそのまま湊に引き寄せられた。

 驚いたのは、隼人だけではない。
 まさか湊がそんな行為に及ぶとは思っていなかった翔真も、目を丸くし、ポカンとなっている。

「急にどうしたんですか? 俺、何かしました? 急にそんなこと…、謝られても、俺、分かりません!」

 隼人が落ち込み、そして湊に謝った理由は翔真にも分からなかったが、隼人があまりに凹むものだから、こんなに真っ直ぐに尋ねるという方法をまったく思い付かないでいた。
 いや、普通、相手がここまで凹みまくっていたら、こんなふうには声を掛けられないだろう。それなのに、それが出来るのは、ひとえに湊の鈍感さのおかげか。
 しかし今は、その鈍感と真っ直ぐさに救われた。



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心臓だけを狙っている (31)


「ぁ…いや…」

 驚きのあまり顔を上げていた隼人は、真剣な表情の湊に、息を詰まらせた。
 一人で勝手に妄想だけで落ち込んでいたが、そんなことにすら、湊はこんなに真正面に向き合ってくれている。

「や…、違うんだ、その…、お前が何かしたとかじゃなくて…」

 本気で心配してくれている湊に、自分の邪な気持ちを話すのは恥ずかしくて躊躇われて、隼人は何となくもごもごと口籠った。

「違う、何か壁ドンとか、頭混乱して…………――――!!!」

 ネタとはいえ、好きな子への壁ドンにより、確かに頭は混乱したし、歓喜もした。そして、その後のいろいろな想像により凹みまくったから、はっきり言って、今感情はぐっちゃぐちゃだ。
 しかし、ふと気付いた事実に、隼人のそんなさまざまな思いは、一気に吹き飛んだ。

 湊が、隼人の腕を、掴んでいる。

 いや、掴んでいて当然だ。
 先ほど隼人を引き止めようと掴んだきり、離していないのだから。

(ちょっ…!)

 隼人は心の中で、声にならない声を上げた。
 こんな強引な感じで隼人のことを引き止めるなんて、湊の思い掛けない一面に、段々と今の状況が分かって来た隼人は、頭が沸騰しそうになる。

「ホントっ、何でもないっ。お前は何も悪くない。壁ドンとかアホなことに付き合わせて悪かったな、思てっ…」
「そうですか…?」
「そうやっ、悪いのはコイツだ!」
「イダッ」

 隼人は、湊に掴まれていないほうの手で、隣にいた翔真の腹にパンチをくれてやる。

「何すんだよ、隼人! つか、アホなことって何だよ! 壁ドン、萌えだろ!」

 翔真だって、壁ドンされたいと騒ぐ和衣に対しても、練習までした蒼一郎に対しても、アホかコイツは…という感情を抱いたくせに、隼人に言われて、つい向きになる。



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心臓だけを狙っている (32)


「あのなぁ、萌えとかそんなんは、マンガの中だけでいいんだよ! 現実のものとすんなっ!」
「何それ。ナチュラルに腕グイとかされてる人に言われたくありませんー!」
「!」

 そういえば、まだ湊に腕を掴まれたままだった…!
 しかも、隼人も気が付いて、どうにかなってしまいそうなくらいドキドキしていた湊からの腕グイに、さっきまであんなに焦った様子だった翔真も気付いていたらしい。
 指摘されて、隼人はどうしていいか分からず、つい湊の顔を見てしまった…………が。

「腕グイ…?」

 やった張本人である湊は、そもそも腕グイの意味が分かっていなかったのか、小首を傾げている。

「あっ、すいません、隼人くん! 痛かったですか!?」

 もちろん、そういうことではない。
 しかし、未だに自分が隼人の腕を掴んでいることに今さら気が付いた湊は、誰もの想像どおり勘違いして、隼人が痛がって自分のほうを向いたと思ったらしく、慌ててパッと手を離した。

「痛くないって、大丈夫。ホント、お前は…」

 隼人をこんなにもドキドキさせておきながら、それは計算でも何でもなく、やった本人ですら何のことか分かっていないなんて。
 それでこそ湊なのだが、よくもまぁこれだけ無自覚に、隼人のことを振り回してくれるものだ。

「すみません…。俺、いっつも隼人くんのこと怒らせてるから、また何かしたのかな、て思って…」
「違うって。そんなの気にすんなよ」

 シュンとする湊の頭を、隼人は慰めるようにポンポンと叩く。
 もともとは隼人のほうが凹みまくっていたくせに、一体いつの間に立場が逆転したのだろう。

 ――――それよりも。

 最初の壁ドンは翔真に無理やりやらせたことだけれど、その後の腕グイに続き、自然な流れで頭ポンポンとか。
 やったほうも無意識なら、やられたほうも、その行為に引くことなく普通に受け入れていているあたり、もう付き合ってる2人なんじゃないの? バカップルなんじゃないの? と言ってやりたい。

(俺の存在忘れてんじゃねぇよ…)

 本人たちにいちゃついている自覚がないところがタチ悪い…と、翔真は心の中で毒突いて、そっとその場を離れるのだった。
 モテテクはやはり、狙ってやるより、やるほうも無意識くらいの自然なほうがいいらしい。



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心臓だけを狙っている (33)


*****

 祐介に壁ドンされたい! と騒いでいた和衣が、あれから一向に何も言って来ないので、結局それはまだ叶わぬ願いのままなのだと、亮も睦月も翔真も思っている。
 和衣のことだから、もし実現されたら、聞きもしないのにぺらぺらと喋って来るに違いないから。
 ただ、実際のところ、その後どうなったのかを和衣に聞いたものはいない。聞けば、『どうしたらいいと思う!?』と泣き付かれることは目に見えていて、そんな面倒くさいことに誰も巻き込まれたくないのだ。

 まぁ壁ドンなんて、されなかったからといって人生が終わるほどのものでもないし、何より和衣はすでに経験済みなのだから、そんなに拘ることはないと思う。
 次に和衣の口から壁ドンの話題が出たら、そう言ってやろうとみんな何となく心に思っていたが、それは和衣自身がもうすでに何度も思っていることだった。

(だからっ…、いいんだもんっ、今さら壁ドンされなくたって!)

 寮の自室でオムライスを頬張りながら、和衣は何度も自分に言い聞かせた。
 ちなみに、その向かいには恋人である祐介が座っていて、和衣の食べっぷりに、そんなにお腹空いてたのかな…? と見当違いなことを思っていたが、それは和衣の知らないところである。

「和衣…、俺のも食べる?」
「ふぇっ?」

 祐介に声を掛けられ、和衣は変な声を上げて、顔を起こした。
 食べるのが遅くて、いつも睦月に早くしろと急かされている和衣が、今日はもう、あっという間に3分の2ほど食べ終わっている。まだ食べ始めて数分も経っていないのに。

「あ、え? …おいしくなかった?」
「そうじゃなくて。すごいガツガツ食べてるから、お腹空いてんのかと思って」

 オムライスの作者は和衣だ。
 今日は和衣の部屋の同室者が、彼女の家に泊まりに行っているので、祐介を呼んで一緒にご飯を食べているんだけれど、まだ半分どころか、3分の1も食べていない祐介がそんなことを言い出したので、和衣の作ったオムライスが口に合わなかったのかと心配したが、そうではなかったらしい。

「ガツガツ…」

 手料理の味についてはただの杞憂だったが、和衣は、自分の皿と祐介の皿を見比べ、何とも言えない表情で祐介を見た。

「いや、別にガツガツ食べたっていいけど…………え、食べ方気にしてる?」
「だって…」

 デリカシーはないよりあったほうがいいし、がさつよりは淑やかなほうがいいかもしれないが、そこまで気にするほどの食べ方でもない。大学生男子として、ごく普通のものだ。
 しかし、相手が何かにつけて気にしやすいタチの和衣だったことを思うと、わざわざ口に出したのは失敗だった、と言った後になって祐介は思った。



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心臓だけを狙っている (34)


「急にそんなちょっとずつ食べなくても…」
「ちょっ…何笑ってんの、祐介!」
「だって」

 和衣が気にして、急に、スプーンに半分くらいしか乗せないで食べ出すから、そう言われたって、つい笑ってしまう。

「もぉ~…」

 和衣は恥ずかしそうにしながら、祐介から顔を背けて、テレビのほうを向いた。点けてはいたものの、和衣の頭の中は壁ドンのことでいっぱいだったから、全然見ていなかった。
 流行りの芸人や俳優が出ている番組は、何かの特番なのか、それとも毎週やっているものなのか、欠かさずテレビを見るタイプではない和衣には、よく分からない。

「………………ングッ!」
「えっ何、大丈夫!?」

 テレビを見ながら食べていたら、いつの間にかスプーンを口に運ぶのが止まっていた和衣だったが、次の瞬間、いきなり噎せ返ったものだから、祐介は慌てた。
 祐介も何となくテレビを見ていたけれど、そんなに驚くようなシーンもなかったし、一体何事かと思ったが、ひとまず咳き込んでいる和衣に水のグラスを渡した。

「ケホッ……あり、がと…」
「急にどうしたの?」
「何でも…」

 ない、と続けようとして、それは咳に阻まれた。それでも和衣は首を振って、とにかく何でもないということだけは意思表示しておく。だって、何でもない。何でもないんだ。
 テレビの中で、壁ドンが取り上げられていることなんて、本当に何でもないんだ…!!

 そんな和衣の心境をよそに、テレビの中から、『キャ~~~~』とも『ひゃ~~~~』ともつかない、女の子たちの悲鳴のような歓声が上がって、和衣の視線は再びそちらに向く。
 女性の芸人さんが、イケメンの俳優さんに壁ドンをされている。
 何でもない振りで、再びオムライスを口に運ぼうとしていた和衣の手は、知らずに止まっていた。

 最初に亮と翔真に壁ドンの話をしたとき、テレビで壁ドンをやっているのを2人で見た後に、『俺も壁ドンされたい』と言えばいい、というアドバイスを貰ったのだ。
 そのときは、そんなの言えるわけがないし、そもそもタイミングよく2人でそんな番組を見ることなんかないと思っていたのだが、まさか2つの条件のうち1つはクリアしてしまうなんて。

(ゆ…祐介に言…)

 自然な感じで言うには、このコーナーが終わる前に話を切り出さなければならない。
 和衣は決心して、祐介のほうを向き直った。



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心臓だけを狙っている (35)


「ゆっ…ねぇ、祐介っ!」
「ん?」
「かっ…」
「え?」

 和衣の一大決心などもちろん知る由もない祐介は、壁ドンになどまるで興味のないふうに和衣を見た。
 壁ドンの『か』の字まで出掛った和衣は、そこで言葉を詰まらせてしまう。

「え、何? また喉に詰まった?」
「違うっ!」

 和衣が変なところで言葉を切ったから悪いんだけれど、祐介が勘違いしているので、和衣はすぐさま否定する。
 そうでなくて。
 そうでなくて…!

(やっぱり言えないっ…!)

 言うなら今しかないとは思うけれど、でもやっぱり言えないっ! と、和衣は心の中でもだもだする。
 テレビでやっている壁ドンに祐介が無反応なのは、もしかして全然テレビを見ていなかったからだとしたら、和衣が壁ドンの話を切り出しても、『は?』て思われるかもしれないし。

「…あのさ、」
「んっ? 何?」

 何だかチャンスぽかったけれど、話を切り出す心の準備もまったく出来ていなかったから、今日のところは諦めよう…と和衣がオムライスに意識を戻したら、急に祐介に声を掛けられ、声が裏返ってしまった。

「もしかして和衣、壁ドンしたいの?」
「――――ッ…………!!!!!」
「何かすごいテレビに食い付いてたから」
「!!!!!」

 諦め掛けた和衣の気持ちに気付かれたのも恥ずかしいけれど、テレビなんか、壁ドンなんか全然興味がないですよ、ていう振りをしていたのに、それがまったく功を奏していなかったのが、すごく恥ずかしい…!
 祐介こそ、テレビなんかまったく見ていないふうだったのに、ちゃんと見ていたなんて。

「あぅ…、ち、が……うぅっ…」

 いろんな感情が入り混じって、言葉が出て来ない。
 顔が熱いというか、耳まで熱いというか、首も熱いし、何なら体中が熱い!



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心臓だけを狙っている (36)


「あ、違った? ゴメン、何かそういうふうに…」
「違わないっわけじゃっ、ない、けど…」

 違わないわけじゃない、と言ったら、それは違うということになるのか。
 いや、違うというか、違わないと言えば違わないんだけれど、和衣は壁ドンをしたいんじゃなくて、壁ドンをされたいのだ、祐介に。

「えっと…………あの…、祐介、は…? したくない…?」
「え?」
「ッ、何でもないっ!!!」

 言わないつもりが、思い掛けず壁ドンに話すが進んだので、和衣は、ノリというか、今だったら言える!? みたいな単純な発想で思わず口走ったが、祐介が、『は?』とは言わなかったものの、『は?』という感じに、『え?』と聞き返して来たので、慌ててなかったことにした。

「えと…………俺?」
「何でもないってば!」
「俺が、壁ドンするの? 和衣に?」
「何でもないって言ってんのにっ!!」

 もういい! もうやめて! と和衣は真っ赤になって、ジタバタする。
 和衣は突っ走るタイプというか、自分ではよく考えているつもりが、傍から見たら考えなしのタイプだから、最終的にこういう目に遭うことは多々あって、そして同じ過ちを何度も繰り返している。

「えっと……………………する?」
「ッ…!」

 祐介からの一言に、ギャーギャー喚きながら暴れていた和衣が、ぴたりと静かになった。
 しかし、これだけ分かりやすく、もう絶対にどうやっても間違いなく、壁ドンしたい! という反応をしておきながら、和衣は、

「べ…別にっ…」

 とツンな返事をしてしまう。
 ツンデレスキルを発動するのは、ここではない。

(ぬあぁぁ~~~~、俺のバカッ! バカバカバカバカバカッッ!!! せっかく祐介が話を振ってくれたのに~っ!!)

 せっかくいい流れで話が進んでいたのに、自らそれを台無しにしてしまうなんて。
 もう自分でも、自分が何をしたいのか分からない。

「もっ…帰るっ!」
「はっ!?」

 いっぱいいっぱいになった和衣が出した結論は、それだ――――帰る。
 和衣は宣言すると、すくっと立ち上がった。



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心臓だけを狙っている (37)


 慌てたのは祐介だ。
 今度こそ間違いなく、『は?』と言った。いや、『はっ!?』と言った。呆れではなく、驚きのため、声が漏れたのだ。

 だって、帰る、て。

「和衣の部屋、ここじゃん!」

 一体どこへ帰ると言うのか、逃げるようにドアに向かった和衣の手を、祐介は咄嗟に掴んだ。
 振り返った和衣は、驚愕の表情をしている。短時間のことだが、こういうとき、和衣は頭の中ですごくいろいろなことを考えすぎている、ということを祐介は知っている。
 きっと、変なことを言って祐介に変に思われた、とか、あからさまに祐介のことを避けてしまった、とか、こんな変な子で嫌われちゃったらどうしよう、とか。
 そんなところも含めて、祐介は和衣のことが好きなんだけれど。

「あ…ぅ…」

 祐介的には、そこまで壁ドンに興味があるわけではないけれど、和衣がしたいとかしてほしいとか思っているなら、それを拒絶するほど嫌だとも思っていない。
 和衣が釘付けになって見ていたテレビで壁ドンをやっていたから、やりたいのかなぁ…と、和衣の乙女な一面をよく知る祐介は、何となく思っただけなのだが、まさかこんなに激しく反応するとは。

「何もしないから、とりあえず座ろ?」
「ぇ…?」
「え?」

 和衣がいっぱいいっぱいの様子だったから、落ち着かせようと思って言ったのに、何でそんなこと言うの? みたいな顔をされたので、分からず祐介も聞き返してしまった。

「…何も、しないの?」
「え…」

 つい先ほどまで、壁ドンをするとかしないとかジタバタして、帰る! とまで言い出していたくせに、いざ祐介が何もしないと言ったら、急にそんな物悲しそうな顔をするなんて。
 恥ずかしくて壁ドンしたいとは言えないけれど、やっぱりしたくて、今のこのタイミングを逃したら、もう2度とこんなチャンスはない、とか思ったのだろう。
 口に出して言うのは素直に言えないけれど、態度は(和衣自身も無意識だろうが)ものすごく素直だ。

「あ、やっぱ今のなしっ! なしなしっ!!」

 自分の発言に気が付いた和衣が、全力で否定して来たので、ちょっとポカンとしていた祐介は思わず吹き出した。
 亮に言わせれば、『面倒くせぇだけだろ』ということなのだろうが、祐介は、和衣がテンパって1人でわたわたしている姿は、嫌いではない。いや、むしろ好きだ。
 もうすべてが、和衣の一挙手一投足がかわいくて仕方ないのである。



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心臓だけを狙っている (38)


「…ダメ、なしにしない」
「うぇっ!? わっ」

 ここは自分の部屋で、他に帰る場所はない、ということだけは何とか理解できた和衣は、『なしなしっ!!』と言ったところで逃げ場もなくて、とりあえず先ほどまでいたローテーブルのところに戻ろうとしたのだけれど、それは祐介の腕によって阻まれた。

「ぁ…」

 息が詰まる。
 呼吸の仕方が分からない。

 だって、祐介の腕が和衣の横に突かれていて、両腕が和衣のことを閉じ込めていて、これって、

「、」

 祐介が肘を折り曲げたせいで、さらに顔が近くなる。
 もうキスできそうなくらい顔が近くて、和衣は目を閉じそうになったけれど、そうすると、何だかキスをねだっているよう…というか、キスされると勘違いした人みたいだし、かといって、このまま真っ直ぐに祐介の顔を見続けるなんて、とても出来そうにない。

「和衣、こういうの、したかったんでしょ?」
「ッ…」

 祐介に問われて、和衣は素直に頷いた。
 いや、頷いたつもりだったが、体がちゃんと言うことを聞いて、そういうふうに動いたかどうかは分からない。祐介に壁ドンされて、魔法か何かに掛かったみたいに、和衣は身動きが取れない。

 おかしいな、祐介に壁ドンされるのは初めてではなくて、前にされたときは2人とも無自覚のことだったとはいえ、和衣はもっと冷静に、その状況を楽しんで喜んでいたはずなのに。
 あぁ、無自覚だったからこそか。
 念願の2度目の壁ドンだというのに、和衣はただひたすらドキドキして、頭の中が真っ白になりそうで、いや、もう危うく卒倒しそう。

「ゆっ…」

 祐介の顔が動いて、今度こそキスされる…! と思って、和衣は思わず目を閉じてしまったけれど、しかしいつまで経っても唇には何の感触もなくて、それよりも和衣の右肩に何かが乗っかったので、驚いて目を開けたら、それは祐介の頭だった。
 祐介が、なぜか和衣の肩に顔をうずめているのだった。

「ゆ…ゆぅ…?」
「ゴメ…」
「え?」

 祐介の口から漏れたのは謝罪の言葉のようだったけれど、祐介に謝られる覚えもないので、聞き間違いだったのかと和衣は聞き返したが、和衣はそれと同時に、祐介の耳が赤く染まっているのに気が付いた。
 いや、きっと和衣の顔だって十分に赤いだろうけど、なぜに祐介まで赤くなるのか。



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心臓だけを狙っている (39)


「え、ゆぅ…?」
「ゴメ……もう無理………………恥ずかしぃ…」
「……………………え?」

 祐介に『もう無理』と言われた瞬間は、変なことをしたり言ったりお願いしたりした和衣に呆れ果て、これ以上和衣と付き合うのは無理だという意味で言ったのかと、瞬く間に和衣の脳裏を駆け巡ったのだが、その次に続いた言葉に、その思いは打ち消された。
 打ち消されたが、ちょっと意味が分からない。
 和衣の聞き間違いでなければ、祐介は『恥ずかしい』と言ったけれど、どうして祐介が恥ずかしがることがあるのだ。けれど、祐介の耳が赤いことと併せて考えれば、その言葉に嘘はないわけで。

「ゆぅ…」

 壁ドンをやってもらいたいと思っていたのは和衣で、でも恥ずかしくて言い出せないし、なのに祐介にはバレバレだし、実際にやってもらってもドキドキしっ放しだし。
 そんなふうに、もうどうにかなってしまいそうなのは和衣ばかりだと思っていたけれど、どうやらそれは祐介にも当てはまることのようだった。
 照れて耳まで赤くして、和衣の肩に顔をうずめている祐介が、すごくかわいく思える。

(どうしよう…………好き…!!)

 もう今までに何十回も、何百回も、何千回も思ったことだけれど、祐介を好きだという気持ちが湧き上がって来て、堪らなくなる。
 そして、その感情のまま、和衣はぎゅ~~~~っと祐介に抱き付いた。

「ッ…!」

 恐らく和衣だって、我に返れば、自分のしたことに慌てふためき、卒倒してしまうのだろうが、今はそれよりも感情が先立っているので、平気でこんな大胆なことをしているけれど。
 祐介にしてみれば、あまりにも思い掛けない、予想外過ぎる和衣の行動に、ビクッと肩を震わせた後、そのまま固まってしまった。

 …まぁ、ある意味、そのまま固まってよかったのかもしれない。
 これで、驚きのあまりバッと和衣から離れていたら、考え過ぎてしまうタチの和衣は、またいろいろと余計なことを考えてしまっただろうから。

(で…でも、この後、一体どうしたら…)

 ドラマやマンガだったら、壁ドンされたところで話は終わって、いきなり場面転換することはあるけれど、現実はそうはいかないから、この後、どちらかが何かしら行動を起こさなければいけないのだ…と、いろいろ考えていたのは、確か和衣のほうだったはずだ。
 壁ドンはされたいけれど、その後、どうしたらいいのだろうか、と。
 しかし、実際に壁ドンされて、そのままギュッと祐介に抱き付いた今、もうそんなことすっかり頭の中から抜け落ちているわけで。

「ゆぅー……好き…」
「ッ…、ぅん、」

 まさか、あのときの自分と同じ心配を、今まさに祐介がしているとも思っていない和衣は、この幸せな時間がずっと続けばいいのに…なんて夢見心地で思っているのだった。


*END*



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 ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました。
 大変申し訳ありませんが、明日から少しの間お休みします。これまで、書き溜めたものをアップしていたのですが、冬の間に激務で全然お話が書けていなかったせいで、とうとうストックが尽きてしまいました。
 休むと言っても1週間くらいだと思います。7月になったら帰ってきますので、その際はまた足を運んでいただければと思います。
 ていうか、1週間後は7月かー。早すぎて怖い。

 あ、タイトルは明日です。自分のサイトです。
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