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恋の女神は微笑まない (196)
2014.11.27 Thu
「…ったく、水落が来る日に、俺のこと誘わないでくれる?」
遥希を睨みつつ、千尋はようやくドアの前から退いたが、かといって、荷物を手にして帰ろうという素振りはなく、普通に部屋の中に戻っていってしまう。
琉としては多少の不服は残るものの、一先ずは自分が部屋に上がるのが先だと、靴を脱いだ。
けれど、遥希が千尋のご機嫌取りに行ってしまったのが、切ない…。
「だってさぁ、琉が来るまで1人なの、寂しいんだもん…」
「………………。水落、ちゃんとハルちゃんのこと、躾とけよ」
誰がどう聞いても傍若無人としか言いようのない遥希の主張に、 千尋は驚愕の表情で一瞬だけ口を噤んだが、しかし遥希に何か言い返すわけではなく、呆れ顔で琉にそう言って来た。
それは遥希の性格の問題で、琉に言われてもだし、琉としても、千尋を呼ばずに待っていてくれたほうが嬉しいかなぁ…とは思うが、これが遥希なのだ。
そういえば今日、大和と、千尋と遥希もなかなかの性格だと話したばかりだ。
「つかさぁ、だったらハルちゃんがウチに来ればよかったんじゃん。そうすれば、水落がハルちゃん迎えに来て終わりなのに」
「だってちーちゃん、ヤダて言ったじゃん」
「ヤダけど、水落が来るって知ってたら、ウチにしてたよ!」
今日はもう、すっかり遥希の家に泊まる気になっていたから、余計に帰るのが面倒くさい。
かといって、琉が来たのに、このまま遥希の家に泊まるのも……別に2人に気を遣う気は更々ないが、いちゃつく2人を見ていてもおもしろくないから、やはり帰るしかあるまい。
「ったくもー、ハルちゃんのバカ」
ブツブツ言いながら、千尋は散らかしていた荷物をカバンにしまう。
「ちーちゃん、どこ行くの?」
「帰んだよ」
キョトンとして尋ねて来る遥希に、千尋は冷たく言う。
この状況で、帰らないほうがおかしいとは思わないのだろうか。千尋が帰ると知った琉の、あの嬉しそうな顔が見えないのか。
「ちーちゃん、お風呂は?」
「はぁっ!?」
千尋は缶チューハイを被ったきり、濡れたタオルで顔や髪を拭いたくらいで、まだシャワーを浴びていない……と遥希が声を掛ければ、千尋でなく琉が大きく反応した。
「琉、どうしたの?」
「いや…、ハルちゃん、何でコイツに風呂勧めんの…?」
事情を知らない琉にしたら、確かにそれはひどく不思議な光景だ。千尋はもう帰ろうとしているのに、なぜ風呂を勧める。
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遥希を睨みつつ、千尋はようやくドアの前から退いたが、かといって、荷物を手にして帰ろうという素振りはなく、普通に部屋の中に戻っていってしまう。
琉としては多少の不服は残るものの、一先ずは自分が部屋に上がるのが先だと、靴を脱いだ。
けれど、遥希が千尋のご機嫌取りに行ってしまったのが、切ない…。
「だってさぁ、琉が来るまで1人なの、寂しいんだもん…」
「………………。水落、ちゃんとハルちゃんのこと、躾とけよ」
誰がどう聞いても傍若無人としか言いようのない遥希の主張に、 千尋は驚愕の表情で一瞬だけ口を噤んだが、しかし遥希に何か言い返すわけではなく、呆れ顔で琉にそう言って来た。
それは遥希の性格の問題で、琉に言われてもだし、琉としても、千尋を呼ばずに待っていてくれたほうが嬉しいかなぁ…とは思うが、これが遥希なのだ。
そういえば今日、大和と、千尋と遥希もなかなかの性格だと話したばかりだ。
「つかさぁ、だったらハルちゃんがウチに来ればよかったんじゃん。そうすれば、水落がハルちゃん迎えに来て終わりなのに」
「だってちーちゃん、ヤダて言ったじゃん」
「ヤダけど、水落が来るって知ってたら、ウチにしてたよ!」
今日はもう、すっかり遥希の家に泊まる気になっていたから、余計に帰るのが面倒くさい。
かといって、琉が来たのに、このまま遥希の家に泊まるのも……別に2人に気を遣う気は更々ないが、いちゃつく2人を見ていてもおもしろくないから、やはり帰るしかあるまい。
「ったくもー、ハルちゃんのバカ」
ブツブツ言いながら、千尋は散らかしていた荷物をカバンにしまう。
「ちーちゃん、どこ行くの?」
「帰んだよ」
キョトンとして尋ねて来る遥希に、千尋は冷たく言う。
この状況で、帰らないほうがおかしいとは思わないのだろうか。千尋が帰ると知った琉の、あの嬉しそうな顔が見えないのか。
「ちーちゃん、お風呂は?」
「はぁっ!?」
千尋は缶チューハイを被ったきり、濡れたタオルで顔や髪を拭いたくらいで、まだシャワーを浴びていない……と遥希が声を掛ければ、千尋でなく琉が大きく反応した。
「琉、どうしたの?」
「いや…、ハルちゃん、何でコイツに風呂勧めんの…?」
事情を知らない琉にしたら、確かにそれはひどく不思議な光景だ。千尋はもう帰ろうとしているのに、なぜ風呂を勧める。
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