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どうしたって、君には敵わない (3)
2016.05.11 Wed
だから、電話で隼人に怒れなかったし、文句だって言えなかったのだ。
それでも隠し切れない苛立ちを声に滲ませてしまったのは、翔真がそこまでの状態になる前に、どうして止めてくれなかったのかという思いがあったからだ。
「あーもうっ!」
駅を飛び出ると、真大は目的のビルへダッシュした。
ここは真大の普段の行動範囲の中にはなかったが、翔真と隼人のバイト先から最寄りの駅だから、何度か足を運んだことがあって、隼人に言われた店も、地図アプリなんか開かなくたってすぐに分かるのだ。
嬉しくないことにエレヴェータは最上階に停まっていて、真大は1つ舌打ちをする。
今のうちに、もうすぐ着くと電話でも入れようか…なんて思ってスマホを取り出せば、逆に翔真から――――いや、翔真の番号からの着信がいくつかあった。
どうせ早く来いという隼人からの催促の電話だろう。
真大はあえて掛け直すことはせず、ようやく到着したエレヴェータに乗り込んだ。
エレヴェータの扉が開くと、両手にジョッキを抱えた店員が「いらっしゃいませ~!」と元気よく挨拶し、さらに別の店員が、「何名様ですか~!」と飛んで来る。
「いえ、ツレがもう来てて…」
と言ったところで、真大はこのそこそこ広いフロアの中で、翔真と隼人を探すのは厄介だな、気付く。
見通しよくテーブルが並べられているわけではなく、それぞれの席が仕切られているから、もし自力で翔真たちを探すとなったら、その一つひとつを覗いていかなければならないのだ。
「あー……えっと、電話してみますね?」
店員に翔真や隼人の名前を言ったところで、案内してもらえるとは思えない。それよりかは自分で隼人に電話して場所を聞いたほうが、はるかに速そうだ。
真大は店員に会釈しつつ、スマホを取り出す。着信を知らせるランプが点滅している。そういえばさっき電話があったんだっけ。もしかして、自分たちの席を伝えたくて電話して来たんだろうか。
1度のコールが終わらないうちに、電話は繋がった。
「もしも…」
『おっそい! どこいんだよっ! 早く来いよ!』
「………………」
騒がしい店内でも、はっきりと耳に届く隼人からの暴言。静めていた怒りが再燃しそうだ。
というか、いくら店の中がうるさくても、これだけ大きな声を出せば、周りにも聞こえるだろうし、悪い意味で注目を集めそう。
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それでも隠し切れない苛立ちを声に滲ませてしまったのは、翔真がそこまでの状態になる前に、どうして止めてくれなかったのかという思いがあったからだ。
「あーもうっ!」
駅を飛び出ると、真大は目的のビルへダッシュした。
ここは真大の普段の行動範囲の中にはなかったが、翔真と隼人のバイト先から最寄りの駅だから、何度か足を運んだことがあって、隼人に言われた店も、地図アプリなんか開かなくたってすぐに分かるのだ。
嬉しくないことにエレヴェータは最上階に停まっていて、真大は1つ舌打ちをする。
今のうちに、もうすぐ着くと電話でも入れようか…なんて思ってスマホを取り出せば、逆に翔真から――――いや、翔真の番号からの着信がいくつかあった。
どうせ早く来いという隼人からの催促の電話だろう。
真大はあえて掛け直すことはせず、ようやく到着したエレヴェータに乗り込んだ。
エレヴェータの扉が開くと、両手にジョッキを抱えた店員が「いらっしゃいませ~!」と元気よく挨拶し、さらに別の店員が、「何名様ですか~!」と飛んで来る。
「いえ、ツレがもう来てて…」
と言ったところで、真大はこのそこそこ広いフロアの中で、翔真と隼人を探すのは厄介だな、気付く。
見通しよくテーブルが並べられているわけではなく、それぞれの席が仕切られているから、もし自力で翔真たちを探すとなったら、その一つひとつを覗いていかなければならないのだ。
「あー……えっと、電話してみますね?」
店員に翔真や隼人の名前を言ったところで、案内してもらえるとは思えない。それよりかは自分で隼人に電話して場所を聞いたほうが、はるかに速そうだ。
真大は店員に会釈しつつ、スマホを取り出す。着信を知らせるランプが点滅している。そういえばさっき電話があったんだっけ。もしかして、自分たちの席を伝えたくて電話して来たんだろうか。
1度のコールが終わらないうちに、電話は繋がった。
「もしも…」
『おっそい! どこいんだよっ! 早く来いよ!』
「………………」
騒がしい店内でも、はっきりと耳に届く隼人からの暴言。静めていた怒りが再燃しそうだ。
というか、いくら店の中がうるさくても、これだけ大きな声を出せば、周りにも聞こえるだろうし、悪い意味で注目を集めそう。
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