恋三昧

【18禁】 BL小説取り扱い中。苦手なかた、「BL」という言葉に聞き覚えのないかた、18歳未満のかたはご遠慮ください。

響かせてよメロウラヴ (前編)


「慶太」

 名前を呼ばれて顔を上げれば、テレビを見てた相川さんが、ちょいちょいと指で俺を手招きしてる。

「何ですか?」

 飲んでたミネラルウォーターのペットボトルをテーブルに置くと、俺はズリズリとソファに座ってる相川さんの足元にずり寄っていった。

「相川さん?」
「ちょっと、ここ座って?」
「え、」

 "ここ"と言って相川さんが指したのは、自分のもも。

「な、何すか…急に」
「嫌か?」
「だって恥ずかしいし…」
「なら、こっちでいいから」

 今度は自分の座ってる隣、クッションをどかして、ソファの席を空けてくれる。
 それならばと素直に従えば、座った途端に相川さんが抱き付いてきた。

「相川さん?」
「何?」
「甘えたいの?」

 返事がない代わりに、抱き締めてくる腕に力が籠った。
 首元に顔をうずめられて、吐息が掛かってくすぐったい。

「相川さん、顔上げて」
「いや」
「え、何で」
「甘えさせろよ」

 やっぱ、甘えたいんじゃん。
 何か、ちょっと、かわいいとか思う。

「相川さん」
「んぁ?」
「キス、したい」
「はぁ?」

 ……そんな声、出さなくたって。
 てか、くすぐったいってば。

「キスさせて?」
「慶太からしてくれんの?」

 モゾリ、相川さんが身じろいで、やっと顔を上げてくれた。
 結構近い距離。
 ジッと俺のこと、見てる。
 視線が、ぶつかる。ずっとぶつかってる。
 相川さんの眉間に、しわ。
 え?

「早く、やれよ」
「え? え?」
「キス、してくれんだろ?」
「あ、はい」

 え、目瞑んないの?
 このまま?

「あの…」
「何だよ」
「目、」
「あ?」
「閉じて…」
「嫌」

 そんな、きっぱりと。
 目開けたままキスとか……ちょっと恥ずかしいんですが。

「早く」
「…………」

 言い出したら聞かないことは知ってるし。
 キスしたいのも、事実だし。

 俺はキスを待つ相川さんに、顔を近づける。
 ずっと目が合ったまま。

「…ん」

 ただ、押し当てるだけの。
 こんなのキスだなんて言ったら、笑われちゃうかな?
 でもこういうの、好きだなぁ。

「んー…」

 啄ばむようなキスを何度もして。
 でもまだ足りない気がして。

 相川さんの手のひらが、背中を滑り降りてくる。
 熱い。

「慶太…」

 唇を付けたまま、目を合わせたまま、相川さんが俺の名前を呼ぶ。
 ヤバいくらい、心拍数が上がってく。
 肌が、ゾワゾワ…てなってく。

「お前、キスだけで感じてんの?」
「ちが、う…」

 でも、否定の言葉とともに漏れたのは、熱い吐息で。
 相川さんの言葉は、間違ってはいなかった。

「慶太、続き、したい?」
「…ん」

 素直に返事する。
 相川さんが少し笑ったのが、雰囲気で伝わってくる。

「、相川さんは、したくないの?」

 俺だけが、したいのかな?
 だったらちょっと寂しいし、何か恥ずかしいな。

「したい。てか、してほしい」
「は?」
「キスしてくれたみたいに、続きも、お前からしてよ」
「え、え、ヤ…ですよ」
「何で?」
「何でって…」

 恥ずかしくて相川さんから離れようとしたけど、頭を押さえられて、逃げられない。
 ペロリと唇を舐められた。

「して?」
「ッ…ズルイ、そんな声…」
「ズルくてもいい」
「…」

 ホントに、ズルイよ、この人は。
 そんな顔してそんなこと言えば、俺が断れないこと、知ってるくせに。

「相川さん…」
「何だよ」
「目、閉じてよ…」
「い・や・だ」

 そう言ってにっこり笑うこの人は、本当にSだと思う。
 で、結局逆らえない俺は、相当のMてことか。

 でも。

「……好きですけどね」

 相川さんが、何度か瞬きする。

「お前、この至近距離で、何殺し文句吐いてんだよ…」
「え? 何が?」
「気付いてないのかよ。ホント、タチ悪ぃ」

 そう言って相川さんは、ソファに仰向けに倒れた。
 俺は背中に手を回されたままで、必然的に俺は相川さんの上に重なることになる。

 え、俺、上?
 てか、ソファで?

「あの…」
「してくれんだろ?」
「まだ何も答えてない…」

 答えは、決まってるんだけれど。
 いつも相川さんの思いどおりになるのが、何となく悔しいな。

 トサリと、相川さんの胸に、頭を置いた。
 あ、相川さん、ドキドキしてる…。

「何だよ、このまま生殺しにする気か」

 頭上から、恨めしげな声がする。
 だってこうしてるの、気持ちいいんだもん。

「相川さん、好きですー」
「知ってるっつーの、アホ!」

 ベシッと頭を叩かれる。

「早くしろよ」
「相川さん、ムードない…」
「そんな余裕がないの、察しろよ。このおとぼけ小僧が」
「うはははは」
「笑うな」

 脇の下に手を入れられて、ずると体が上のほうに引き摺り上げられる。
 ソファから落っこちそうになったから、相川さんのお腹を跨いで、片膝をソファ、もう片方の足は床に突く。
 何か、ホントに俺が相川さんを押し倒してるみたいだ…。
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カテゴリー:智紀×慶太
テーマ:自作BL小説  ジャンル:小説・文学

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SECRET

柚子季杏 ⇒ キタ━━(((≧∀≦)))━━!!!!!

きゃーきゃーきゃー!!
柚子季、何気にこのCPが一番のお気に入りなんす(*´∀`*)あ、言っちゃったww

前ってことは続くんですね?
うわ~~!!頑張ってるご褒美頂けてる感じ゜+.゜.(⊃Д`*)゜+.゜

相川の甘えっ子モード・・・(//▽//)ぽっ
カワイイ~~もうもうもう!柚子季が甘やかしちゃる!!(違うからww

  • |2008.10.14
  • |Tue
  • |07:31
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りり ⇒ キタ━━(((≧∀≦)))━━!!!!!パート2

じ、実は柚子季さまに同じ…きゃ~~~言っちゃった!!
純情受けが大好物!!なのに自分で書くのは…(絶望

相川さん萌え…後編があるのだ…
楽しみ。楽しみ。

  • |2008.10.14
  • |Tue
  • |09:50
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イチゴ ⇒ キタ━━(((≧∀≦)))━━!!!!!パート3

いぇい!!お二人に便乗しちゃいました♪
前編!!てことは、後編があるんですね!?いや、中篇!?いや、でも続きが読めるのならどっちでも可ーーー!!!
慶たんが!慶たんが押し…いやーー!!上にっあいかわさんのうえにっっ!!!(興奮しすぎ)
甘えた相川さんがめちゃくちゃ可愛いです。持って帰りたいです。甘えられて、きゅんとしちゃう慶たんはもっと可愛いです。
うう、萌え充電、ありがとうございます♪

  • |2008.10.14
  • |Tue
  • |13:41
  • |URL
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如月久美子 ⇒ >柚子季さん

キタ━━(((≧∀≦)))━━!!!!!

 ↑ めっちゃかわいい!!
 ありがとうございます!!!

 慶タン、20歳のわりに、「……」なとこもありますが、なぜかみなさまに人気(笑)

 相川さんも、すっかり優しい男です。

 コメントありがとうございました!

  • |2008.10.15
  • |Wed
  • |08:56
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如月久美子 ⇒ >りりさん

キタ━━(((≧∀≦)))━━!!!!!

 ↑ ありがとうございますーーー!!!!

 慶タン、純情の殻を今夜打ち破りましたっ!!
 嬉し恥ずかしの騎乗……ゲフンゲフン。

 純情受け、好物ですか!
 まさに慶タン!!
 嬉しい~。

 コメントありがとうございました!!

  • |2008.10.15
  • |Wed
  • |09:01
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如月久美子 ⇒ >イチゴさん

キタ━━(((≧∀≦)))━━!!!!!

 ↑ ヤッター!!
 イチゴさんからもいただきました!!

 とうとう慶タンが上にっ!!
 久々登場なんで、ちょっと(!?)積極的にしてみました!

 それにしても、相川さんの、当初の悪い男のイメージは…(-_-;)

 コメントありがとうございました!

  • |2008.10.15
  • |Wed
  • |09:05
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如月久美子 ⇒ 拍手コメ→Hさま

 待っていてくださったなんて!
 ホントにありがとうございます!!

 何かもう、ただの甘々ラブラブカップルになっちゃってますが(汗)
 どうぞお楽しみください。

 コメントありがとうございます!

  • |2008.10.15
  • |Wed
  • |09:45
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月ノ ⇒ どうしちゃったの?!相沢さん!

あまーい!大好物です!
でも、相沢さんが甘えるなんて珍しいですね。
いつもは慶タンが甘えるのに・・・。
でもそんな攻めも、答えちゃう受けも大好物ですー!

  • |2008.10.15
  • |Wed
  • |16:46
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如月久美子 ⇒ >月ノさん

 わーわーわー、こちらにもコメントありがとうございます!

 相川さん、当初の悪い男の雰囲気はどこへ…??? て感じですが、気に入ってもらえて嬉しい限りです。

 コメントありがとうございました!

  • |2008.10.15
  • |Wed
  • |17:19
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